岡本全勝 のすべての投稿

美術館巡り

今日は投票に行った後、キョーコさんのお供で、山種美術館の浮世絵展へ。今日が最終日なので、混んでいました。その後は、日本橋まで移動して、奈良まほろば館の奈良の発掘調査展へ。次に、お向かいの三越百貨店で、入江泰吉写真展に。興福寺の灯籠を捧げる鬼の像が、原色で復元されていました(クリックしたページの下に載っています)。赤鬼と青鬼で、制作当時はこんなに、けばけばしかったのでしょうね。
さらに、お隣の三井記念美術館で、大和の古寺と仏像展をはしごしました。我がふるさとから、はるばる来られた仏さんに会いにです。特に岡寺と橘寺はご近所で、境内で遊びました。もっとも、子どもの頃には、これらの仏像は拝みませんでした。
三井美術館は、例によって、ガラスケースに目立たないように、透明な解説シールが貼ってあるのです(2007年10月14日の記事)。今回は、會津八一のひらがなの和歌です。照明を落とし、観客も少なく、良い雰囲気で落ち着いて見ることができました。この夏も、東京ではたくさんの展覧会が開かれています。すでにいくつかは制覇したのですが、回るのが大変です。

グローバルな政治家を育てる

(グローバルな政治家を育てる)
7月10日の朝日新聞オピニオン欄は、「グローバルな政治家とは」でした。「経済がグローバル化して、経済危機も瞬時に世界に波及する時代。政治家の選び方も、これまでとは違った視点が必要なのだろうか・・」として、3人の方の意見が載っています。
内容は読んでいただくとして、私が感じたのは、「ようやく、このような議論が、新聞でされるようになった」ということです。
戦後日本は、アメリカやヨーロッパがつくってくれた、「自由貿易体制」と「世界平和(冷戦)」の下で、それらにほぼただ乗りをして発展しました。政治家も官僚も研究者も、世界の政治経済を構築するのに力を発揮せず、国内でのみ活躍しました。国際派と呼ばれる人もおられましたが、それも多くは輸入することであり、国際貢献ではありませんでした。
世界で活躍するといった場合、国際機関で働くだけでなく、日本政府・関係機関であって国際貢献するということがあります。特に後者が重要でしょう。そして、それらの人は国内政治を考える時も、世界を意識しながら考えるということです。国際貢献も、自衛隊を海外に派遣するだけでなく、国際ルールをつくる際にリーダーシップをとるということなどです。

総理秘書官を務めた際、ちょうどリーマンショック直後の世界金融危機・同時不況の時であったので、世界各国の日本に対する期待と、日本が国際社会で果たさなければならない役割の大きさを、実感しました。逆に、日本の政治と言論が「内弁慶」であることも実感しました。
あのときは、1929年の大恐慌を繰り返さないために、日本も例のない規模で財政出動するので、各国も足並みをそろえて欲しいこと。経済ブロックを作って囲い込んだことが大恐慌をひどくしたので、今回はそうならないようWTOを進めること。金融危機で中小国が破綻しないように、IMFの貸付枠を拡大する、そのために日本は真っ先にIMFに対し1,000億ドルの融資を行うこと。この3点を提案実行し、各国の同意と協調を得ました。
もっとも、国内には、それらを議論する場や政策共同体がないので、多くの国民は知りません。マスコミの政治部、官邸詰めの記者さんたちも「関心」がなく、理解してもらえませんでした。よって、大きな記事になりませんでした。
世界で活躍する、世界に貢献できる政治家や官僚を育てるためには、国内にそのような場が必要です。それは国会の場であり、研究機関であり、専門誌です。そして、それを理解してくれるマスコミも必要です。

東京ブックフェア

今日は、大学院の授業の後、東京ブックフェアに行ってきました。招待状をもらったので。もっとも、インターネットで登録すると、誰でも無料で入れるようです。
一度、どんなものか、見てみたかったのです。というのは、ブックフェアの意図が、わからなかったのです。本屋さんがたくさん出店するのなら、古本市の「親類」です。そのような部分もありましたが、これは大したことなし。多くの出版社が2割引なのは、魅力ですが。興味深かったのは、「ITによる教育支援」と「電子出版」の部です。これは関係者向けの内容が多く、最先端の動向がわかり、なるほどと思いました。
すごい数の出店と、すごい数の観客で、疲れました。東京ビッグサイトは地図では遠いのですが、りんかい線を使うと、新宿まで25分でした。

2010.07.10

今日から、授業は第2部「行政のリスク」に入りました。第1部は社会のリスクに対し、行政はどう対応するかを議論しました。第2部は、行政にとってのリスクです。そこには、市役所の建物が被災した場合のように、社会の危険が市役所にも及ぶ場合と、市役所が問題を起こして市民におわびをする場合の2つが含まれます。本屋に並んでいる「危機管理」は、しばしば後者です。しかし、これは、社会のリスクではないですよね。
まず、社会のリスク特に災害などは、危機管理監の仕事です。これに対し、市役所の危機は、総務部長の仕事です。これで、違いがおわかりいただけると思います。
次に、市役所の危機のうち、被災した場合は「業務継続計画」の出番です。それに対し、おわびの場合は、法令順守(コンプライアンス)や「おわびの仕方」「再発防止策」の出番です。
危機管理やリスクという言葉は便利で、多用されています。そこで混乱が生じています。
今日までで春学期は終わりなのですが、休講した分の補講を、来週行って終わりです。

南北逆の地図

8日の日経新聞夕刊に、「南が上、逆さ地図」という記事が、地図と一緒に載っていました。北東アジアの地図で、日本列島のほか、ロシア沿海地方、南北朝鮮、中国の一部が含まれています。ミソは、南北が普通の地図と逆になっていることです。太平洋が上で、ロシアが下に来ます。
これだと、日本列島が弧であることがよくわかり、またロシアから見て日本が「邪魔」なこともわかります。載っている情報は変わらないのに、少し見方を変えるだけで、感じ方が大きく違うという一例ですね。世界地図でも、日本で見る地図は日本と太平洋が真ん中にありますが、西欧の地図では大西洋が真ん中に来て、日本は端っこにあります。極東です。
この地図「環日本海諸国地図」が富山県庁でよく売れているというのが、記事の内容です。この地図の元は、オーストラリアでつくっている地図で、世界地図が南北逆になっています。私の記憶では、「正しい××の地図」と銘打たれていました。これだと、南半球のオーストラリアが、地図の上真ん中に来るのです。
私は、富山県勤務の時に、知事からこの地図を見せられ、「物の見方はこうも変わるのだ」ということを、教えられました。(2010年7月8日)
昨日書いた、オーストラリアの南北逆さ地図は、「マッカーサーの正しい地図」でした。