岡本全勝 のすべての投稿

2010.12.15

今日は、慶応大学法学部での講義。順調に進んで、第2部「地方財政制度」を終えることができました。先日このページで紹介した「公共サービス提供の3主体」や、各自治体の財政状況比較財政健全化法などを解説しました。この部分は、実例がたくさんあるので、具体的な話ができます。
講義は、残るところ3回です。次回からは、第3部に入り、地方財政が現在直面している課題を、お話しします。

早稲田大学で講義

今日は、牛丸聡先生のお招きで、早稲田大学政経学部で、地方財政について講義をしました。先生の地方財政論の授業の一コマを、私が受け持ったのです。かつても、お話しにいっていたのですが、久しぶりです。
地方財政の仕組みについては、先生が講義しておられるので、私は角度を変えて、地方行財政のこれまでの成果と、現在直面している課題についてお話ししました。数人の学生を除いて、熱心に聞いてくれました。ありがとうございました。学生の皆さんが、少しでも地方行財政、そして日本社会に関心を持ち、知識を深めてくれると、うれしいです。
明日は慶応大学で講義なので、2日間で早慶を制覇です(笑い)。

政権交代の先進国

今日は、明治大学菊地瑞夫先生のお招きで、東アジアにおける「政策形成過程にける高級公務員の役割に関する調査研究」に出席しました。台湾国立政治大学(National Chengchi UniversityのChung-yuang Jan教授、Evan Berman教授との意見交換です
私にとっても、大変勉強になりました。先生方の関心事項は、この表題の通りなのですが、意見交換していく内に、焦点がわかりました。それは、政権交代後の高級公務員と政治家の関係、日本でいう「政と官のあり方」です。
日本は、1年前に初めて政権交代がおきましたが、台湾と韓国は日本より先に、政権交代を経験しています。特に台湾は、2度の交代を行いました。もちろん、両国とも、権威主義的独裁から民主化を実現した上でです。
台湾でも、最初の政権交代後に、新政権は「官僚は敵だ」と主張したそうです。もっとも台湾では、それまでの高級公務員は、日本と違い政治任用だったようです。また、官僚が国会議員と接触することについても、かなり違いがあります。

勉強になったというのは、次のようなことです。日本では民主主義のお手本は、イギリス、アメリカ、ドイツ、フランスでした。そして、アジアでは日本だけが、民主主義を実現したと自負していました。ところが、アジアで民主化に成功した国が出てくるとともに、政権交代に限れば、日本より先に経験した国が、お隣にあったのです。お手本は、ご近所にありました。
政権交代をした時に、何をすればよいか、何をしたら良くないか。政策の転換や官僚との関係について、西欧先進国はお手本になりませんが、ご近所にお手本があったのです。なぜ私たちは、それを勉強しなかったのでしょうか。経済と同様、日本だけが成功したという慢心でしょうか。今からでも遅くありません。政治家、マスコミ、研究者が勉強すれば、有意義だと思います。
Jan教授は、公務員評価担当大臣も経験しておられます。台湾でも韓国でも、公務員制度改革に取り組んでいます。もっとも必ずしも順調ではないようです。しかし、これらの経験も、日本にとって大いに参考になると思います。日本では、目標による管理を導入したのが、まだ2年前ですから。

資料はすぐ溜まる

今日は、書斎の机にたまった資料の、整理をしました。きっかけは、原稿が1本完成したことです。
北海道大学公共政策大学院の宮脇淳先生から、年報への寄稿を頼まれていたのですが、ようやく完成し、送ることができました。1990年代以降の行政改革を整理し、範囲と目的が広がってきたことを論じました。乞うご期待。
その基になった表は、「行政改革の分類のページ」に載せてあります。論文にするに当たって、それぞれの事項を再確認したら、いくつか間違いを見つけ、訂正しました。
原稿が完成したので、使った資料や使わなかった資料を、例によって半切りの封筒に整理(2007年4月30日の記事)。さらに、日大大学院と慶応大学法学部授業に使っている資料なども整理しました。次々と資料を集めるので、たくさんの封筒に溜まっていきます。さらに、切り取った(ちぎった)新聞記事、送ってもらった資料や頂いた本など。資料と本の洪水で、机がだんだん狭くなります。どこかで、思い切って捨てる必要があるのですが。ひとまず、封筒に入れたり、床の上に引っ越してもらって、机に空きスペースを作りました。根本的な解決には、なっていません。

2010.12.11

今日は、日本大学大学院で講義。市役所の組織管理から範囲を広げて、地域の経営さらには社会の経営という視点が必要なことを、論じています。このホームページでも2007年頃書きため、その一部は連載「行政構造改革」に書きました。また、藤田宙靖先生の「近代ドイツ国家学における国家観と、アメリカ社会的考え方の違い」(2010年6月29日の記事)なども。いろんなところで、いろんなことを書いていたので、それらの集大成です。
ところで、授業はあと2回になりました。時間が経つのは、早いですね。