11月7日の日経新聞教育面、中根千枝・東大名誉教授のインタビューから。
「経済・社会の停滞を打破するために、大学改革を求める声が強まっています」との問に対して。
・・みんな、教育を改革すれば良くなるという夢を持っている。しかし大学制度を変えても、社会のあり方も、人々の意識も容易に変わるものではないから、変えて良くなることもあれば、前の方が良かったということにもなる。
改革案には学長の権限強化についてもあるようだが、大学の学長はふさわしい人がなるとは限らない。学長は努力されているが、管理のトップに向いていないこともある。日本では教授会の権限が強いことも簡単には変わらないとみられ、改革案に期待してもどれほど成功するか・・
記事には、男性中心だった大学で、女性の地位が向上した数字も載っています。大学生に占める女性の割合は、1955年には12%でしたが、今は42%です。大学教員(本務教員)に占める女性教員の比率も、5%から21%に上がっています。ただ、まだ21%です。
投稿者アーカイブ:岡本全勝
復興の状況、国会報告
「東日本大震災からの復興の状況に関する報告」を閣議決定して、国会に報告しました。これは、法律に決められていて、年に一度、国会に報告するものです。この1年間の動きを、数値を元にまとめてあります。何が進んで、何が進んでいないか。何に取り組んだか。わかりやすいので、ご利用ください。
内容は、本文の冒頭に「復興の概況」として、まとめてあります。
日本式生活を輸出せよ
今日11日のNHKクローズアップ現代は、「新戦略 “日本式”生活習慣を輸出せよ」でした。アジアで、日本式生活が売れているという話です。上海で、スーパー銭湯が大流行。チベットで、日本式の検診車が喜ばれ、検診データは日本で読み取っている例。ベトナムで、日本式の給食が受けている例などです。
ものではなく、サービス。それも、清潔、安全、丁寧、新設、高度などが、売りです。かつてこのホームページで、原研哉さんの「日本が提示する生活文化」(2009年10月15日)などを紹介しました。原研哉著『日本のデザイン―美意識がつくる未来』(2011年、岩波新書)。
明治維新以降、日本は欧米にあこがれ、服装や食べ物、机椅子などたくさんの生活様式を輸入しました。戦後も、アメリカンライフにあこがれ、ジーパン、コカコーラ、マクドナルドを買い求めました。それらも、単なるモノではなく、生活習慣や生活体系として受け入れたのです。TVのホームドラマを見て、暮らし方に「あこがれ」たのです。もちろん、もう一つのキーワードは、豊かさへのあこがれです。
かつて、私たちはアメリカのファッション雑誌をうらやましく眺めましたが、今アジアでは日本の雑誌が受けています。新興国で、日本の生活様式が受け入れられるかどうか。それは、清潔、おいしい、安心だという「品質」とともに、日本国や日本人の生き方が「あこがれ」の対象となる必要があります。
押し売りや押しつけは、できません。向こうさんが、その気になってくれないとダメなのですから。しかし、サービスを輸出することは、できます。また、単品では、すぐにまねをされてしまいます。全体としての生活様式であり、それぞれのサービスに共通する日本人的清潔・安心・おもてなしです。
日本発、ダントツ商品、ダントツサービス・・
11月8日読売新聞連載「日本ブランド」、坂根正弘・コマツ相談役の発言から。
坂根さんは社長時代に、全地球測位システム(GPS)などで機械の現在地や稼働状況を把握できるシステム「コムトラックス」の標準装備化を進めました。ライバル社の追随を許さない商品やサービスの提供で、業績を大幅に改善しました。
・・コムトラックスはもともと、建機の盗難対策として有料でつけていましたが、お客様から「メンテナンスに来てほしい」と山奥に呼ばれても場所を聞かずに済み、台数が増えるにつれ、稼働状況から市場の変化が把握できるようになった。社長就任後、これは自分たちにメリットになると考え、標準装備にし、「ダントツ商品」になりました。販売で力を入れた中国でも、巨大市場の動きが手に取るようにわかり、速やかに生産台数を増やしたり、タイミング良く生産調整をしたりできたのです。
ただ、ダントツ商品はいずれ、ライバル企業に必ず追いつかれてしまいます。コムトラックスは今、「ダントツサービス」の段階に来ています。今後は、お客様の問題を解決する「ダントツソリューション」、現場力の勝負になります。そこで強みを発揮するのが、チームワークときめ細かさ。これが日本の強さです。
日本の企業が海外で勝つためには、技術にのみ頼るのではなく、ビジネスモデルで先行し、ものづくり、サービス、ソリューションの現場力の勝負に持ち込むことです。
技術力に裏打ちされた経済力があって初めて、日本が国際的に尊敬され、発言力が増すんだと思います・・日本は安全や情報通信技術などの技術力も高い。技術の本質的な競争力で負けているわけではないんです
・・政府は、為替、エネルギーなど国際競争上のハンディキャップを取り除き、「あとは民でやってくれ」と主導することが必要です。政官学民のトップらが自信を持ってやれば、日本経済は必ず復活できます・・
東京消防庁の活躍、板書が有効
座談会の続きです。
新井総監:3.11直後は、部長以上が集まる最高作戦会議を、1日に朝夕の2回行っていました。
松浦参事(作戦室長):最高作戦会議のための資料作りも、(事前に作ってあった)作戦室運用マニュアルとひな形のおかげで、異動直後の人であっても、報告などに漏れがないようにできていました。
最近は、パソコンを使って情報を整理するという風潮ですが、ホワイトボードにどんどん書き込んだ方が、早いし整理もしやすかったです。いつまで昔ながらのやり方をするのだと言われることもありますが、結果的には、ホワイトボードに書いたものをベースに報告書を作成するのが一番だと思います。
松井救助課長:ホワイトボードには、要点だけを書きます。余計なことを書かないので、一番信頼できるし、皆が同時に見ることができます。
五十嵐副参事:板書は、本当に訓練の賜物です。宮城県の災害対策本部で、訓練どおりに板書をすると、皆が情報を理解できるようになりました。時系列で書いて、必要な情報を後から、追記できましたし、こういう時はアナログが一番です。
松井救助課長:シナリオ訓練しかやっていないと、本番で書けないのです。実践的なブラインド型訓練をしていないと駄目ですね。
新井総監:長期間活動をどう行うのかも問題点です。東京の場合、最初は1週間交代くらいで出したわけですが、片道十何時間もかかる往き帰りが結構大変で、隊員の疲労が問題でした。十何時間かけて現地へ行って、3日間くらい被災地で活動して、十何時間かけて戻ってくる。現地の地理がようやく把握できた頃に、交代することになるといった状況でした。
最初に行った隊員は、休みを取れない過酷な活動になるのは仕方がないのですが、半月後やひと月後に行く隊員は、もう少し長期間現地で活動できるような体制、要するに兵站を十分に確保しなければならないと思います。最後には、観光バスを借り上げて、隊員を観光バスで送り込みました。消防車両は現地においたままで、人だけを入れ替える方式をもっと早く導入できたら良かったと思います・・