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被災地支援NPOの活動例、仕事を掘り起こし人を斡旋する

昨日8日、「みちのく仕事」の方が、訪ねてきてくれました。ホームページを見てもらうとわかるように、被災地を支援するNPO活動に参加してくれる人を募集し、斡旋するということをやってくれています。これ自体は任意団体ですが、運営しているのは、NPO法人「ETIC.」と株式会社「シゴトヒト」です。
「ETIC.」は、企業家支援をするNPOで、「シゴトヒト」は、こだわりのある求人紹介会社です。それぞれの本業(強み)を生かした活動を、してくれているのです。
役所が人を斡旋するとなると、職業紹介(ハローワーク)となるのでしょうが、民間がこのように機動的にやれる、やってくれているのです。このような仕組みがあることを、広く世間に知ってもらいたいです。また、行政がどのような支援ができるか、考えなければなりません。

企業連携とボランティアやNPO連携

復興庁のホームページを改造中です。例えば、「企業連携とボランティアやNPO連携」のページを作ります。
今回の復興の過程で、いくつも新しい試みをしています。その一つが、企業やNPOとの連携です。社会(公共空間)は、行政だけが担っているわけではありません。市場経済(営利企業)や無償の助け合い(ボランティア活動など)が果たす役割も、大きいのです。復興の過程でも、各種のサービスは企業に負っています。孤立を防ぐ事業などは、NPOの活躍が大きいです。阪神淡路大震災が「ボランティア元年」と呼ばれましたが、今回の大震災では、企業のCSRとNPOが認識されたと思います。個人ボランティアもありがたいのですが、限界があります。組織ボランティアは、大きな力になります。
復興庁では、この会社や人たちと「良い関係」を築いて、復興を助けてもらおうと考えています。まずは、情報の交換から始めています。被災地ではどんなことを助けて欲しいか、企業やNPOはどんなことを支援してくれるか。お互いにわかりません。それをつなごうと思います。まず、「企業連携メルマガ」を始めました。今後、うまく行った例などを紹介したいと考えています。
ホームページは、これから充実するのでご期待下さい。職員には、次々と仕事を作って、ごめん。

発信と記録

このホームページでも、たびたび書いていますが、インターネットは便利ですね。広く見ていただけることと、記録・保管が簡単なことです。
被災者支援本部でも活用しましたが、復興庁でも、お知らせの他、現状と課題事務記録などを、ホームページに載せて、関係者や一般の方に見てもらえるようにするとともに、記録として残してあります。
各省庁でも、ここまで公表して残しているのは、少ないと思います。本庁200人、出先100人の組織では、ホームページに載せて残すことは大変です。もっとも、そのような組織だから、できるのかもしれません。
例えば、「今後の課題」は、「自慢」の一つです。自らの課題(ミッション)を明らかにし、それへの取組を明示する。組織としては当たり前のことですが、各省・各局のホームページで、このようなものを掲げているのは少ないと思います。しかも、この課題は3か月くらいで変化します。次々と新しいステージにはいるのです。被災者支援本部の時の課題も全て残してあります。
現在、より見やすくするように、ホームページを改造中です。若手職員が、取り組んでくれています。その間、すっきりしないところもありますが、しばらくお待ち下さい。

海外の人に経験を話す

今日は、東京財団の招きで、「日米韓政軍イニシアチブ」で、東日本大震災の救助と復旧について、その経験と実績をお話ししてきました。これは、国際交流基金日米センターPeace Winds Americaの主催で、大災害に際しての軍・政府・民間の協力を考えるプログラムです。
アメリカや韓国、そしてNPOや軍隊・自衛隊の方々に、どのような点をお話ししたらよいか、またどのようにお話ししたら伝わるかを考えて、レジュメを作り話しました。 今回も、職員の助けを借りて、日本語の資料を英語にしてもらいました。報告は日本語で行いました。
私は、今回の地震津波被災者への対応は、阪神淡路大震災の教訓を踏まえ、かなりうまく行ったと考えています。もちろん反省すべき点もあります。そして、今回の経験を基に、次回はさらにうまく対応すべきです。そんな機会はない方がよいのですが、地震国ニッポンではそうはいきません。
そろそろ、この1年間の経験を、文章にまとめなければなりませんね。また、英文でも(決意表明。でも毎日の仕事が、忙しいのですよね)。

被災の悲しみと、復興の苦しみ

今日、官邸で、復興推進委員会を開きました。有識者による「お目付役」の会議です(提出資料)。役所ではわからない視点から、課題を指摘していただきます。今日も、「なるほど」と思う意見を、いくつも頂きました。
その中に、「これまでは被災の苦しみだったが、今からは復興の苦しみになる」という趣旨の発言がありました。鋭い表現です。
例えば、津波被害にあった集落が、どこに移転して再建するか。各家庭の将来と地域の未来を、選択しなければなりません。この選択・決断は、復興庁ができるものではありません。当事者だけができることです。復興庁ができることは、財政、技術、知識などの支援です。
被災直後は、失ったことの悲しみですが、住宅や生業の再建は、未来を選ぶための決断の苦しみです。