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憲法考、憲法第9条の2

連載「公共を創る」第214回(2月27日)で、日本国憲法が改正されないこと、そして実態と乖離していることを説明しました。その延長で、いくつか述べます(この原稿も書いたまま放置してありました)。「憲法第0条」「解釈改憲

憲法9条に関して、自衛隊という実体があること、それが必要であることから、第9条を改正すべきでしょう。さらに私は、「第9条2」を追加すべきだった、追加すべきだと考えています。私が考える第9条の2は、次のような条文です。

1 前条の規定を担保するため、アメリカ合衆国が我が国を防衛するために必要な条約を、アメリカ合衆国と締結するものとする。
2 前項の規定を実行するため、日本はアメリカ合衆国に、基地など必要なものを提供する。

日米安保条約は、独立の際に結ばれた、講和条約と一揃いの条約です。簡単なところで、ウィキペディアの「日米安保条約」を引用します。
「1951年(昭和26年)9月8日、アメリカ合衆国を始めとする第二次世界大戦の連合国側49ヶ国の間で日本国との平和条約(サンフランシスコ講和条約)が締結され、翌1952年(昭和27年)4月28日に効力が発生した。この際、同条約第6条(a)但し書きに基づき、同時に締約された条約が旧日米安全保障条約(日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約)であり、この条約に基づき、連合国軍による日本の占領統治は終了して日米両国は国交回復し、GHQ麾下部隊のうちアメリカ軍部隊は在日米軍として駐留を継続し、他の連合国軍(主にイギリス軍)部隊は撤収した。」

日本国の安全を守るために、自衛隊(自衛権)とともに、日本はアメリカに依存しています。このような基本的重大なことは、憲法に規定しておくべきでしょう。

子どものSNS依存の危険性

10月3日の読売新聞が1面で「子供SNS依存 米訴訟増 2000件 仕組み「高い中毒性」」を伝えていました。
・・・子供のSNS利用が深刻な依存を引き起こし、心身をむしばんでいるとして、米国でSNS事業者を相手取る訴訟が相次いでいる。全米の訴訟件数は9月時点で計約2000件に上っており、原告団は「依存性を高める設計により、子供がSNS中毒に陥り、摂食障害や自殺につながっている」などとして、損害賠償や改善策を求めている。

米国では2021年9月、インスタグラムを運営するフェイスブック(現メタ)の内部告発で、SNSが「少女のメンタルヘルスを悪化させる影響を社内で把握していた」ことが明らかになり、メタや、ユーチューブを運営するグーグル、ティックトックなど、SNS事業者を相手取った訴訟が相次ぐようになった。
22年10月、数百件に上る同種の訴訟が「マルチディストリクト訴訟(MDL)」に併合された。その後も訴訟件数は拡大を続け、原告団弁護士によると、今年9月に1961件に達した。
原告側は、SNSが閲覧時間を最大化するよう設計されており、通知機能や次々と表示される投稿が脳内の快感物質の放出につながると主張する。青少年の依存行動を助長し、様々な精神的・身体的被害をもたらしており、SNSは「欠陥製品だ」と訴えている。
米保健福祉省によると、米国では現在、13~17歳の95%がSNSを利用する。原告弁護団のロナルド・ミラー弁護士は、「SNS事業者は、タバコ産業やスロットマシン産業の手法を取り入れ、子供の未発達な脳が衝動を抑えにくいことを知りながら、中毒性を高める仕組みを意図的に組み込んだ」と指摘している・・・

・・・「お姉ちゃんが動かない」。2021年2月、米ウィスコンシン州ミルウォーキーの住宅で、息子から異常を伝えられた父親が子供部屋のある2階に駆け上がると、娘(当時9歳)がドアノブにペット用のリードを引っかけ、首をつった状態で見つかった。娘は搬送先の病院で脳死状態と診断され、まもなく息を引き取った。
痛ましい事故は、SNSで拡散されて子供たちの間で流行していた、首を絞めるなどして一時的に意識を失う行為をSNSに投稿する「ブラックアウト・チャレンジ」挑戦中に起きた。米ブルームバーグによると、こうしたSNS上の「過激な遊び」に影響され、22年11月末までに14歳以下の子供が少なくとも20人死亡した・・・

・・・若者が特にSNSに没頭しやすいのは、感情をコントロールする司令塔的な働きを担う、脳の「前頭前野」が未成熟であることが関係しているとされる。自らの承認欲求がSNSで満たされると、途中で利用を止められなくなってしまうと専門家は指摘する。
米保健福祉省は、2023年に公表した報告書で、SNSを1日3時間以上使う子供は、精神状態が悪化するリスクが2倍になるとの研究結果を紹介し、「SNSの過度の使用は睡眠障害やうつ病などと関連がある」と警告する。10歳代の半数以上が「SNSをやめるのは難しい」と感じているとの調査結果もあり、SNSには強い中毒性がある可能性を示している・・・

空飛ぶクルマは飛ぶか

空飛ぶクルマが、長く話題になっています。大阪・関西万博で予定されていた飛行ができなかったとか。

さて、街の上を飛び交う時代が来るのでしょうか。私は、ないと思います。
機械としては、完成するでしょう。しかし、それが空を飛び交うこととは別のことです。社会に実装するには、大きな問題があります。
・空には、車線がありません。どこを飛んでも良いのでしょうか。想像図には、数台の車が飛んでいる絵が描かれています。1台や2台なら問題ないでしょうが、自動車のように普及したらどうなるのでしょうか。たくさんのクルマが飛び交うと、ぶつかることも起きます。
・空には、信号機も標識も浮かんでいません。ヘリコプターや飛行機は、航空管制でぶつからないようにしています。電波で規制し、制御するのでしょうか。
・ドローンの飛行を見たことがありますが、騒音がすごいです。
・車でも故障することがあります。空飛ぶクルマが故障したら、墜落します。もちろん、それはヘリコプターや飛行機も同じです。少なくとも、我が家の上は飛んで欲しくありません。

空飛ぶクルマと言っても、人が乗って運転するドローンであって、機能はヘリコプターと同じですよね。タクシーのように運転手がいれば、ヘリコプターと変わりません。自分で運転するなら、自家用ヘリですね。
・自動車免許と同じくらいの教習で、免許は取れるのでしょうか。
・離着陸場は、どうするのでしょうか。どこでも良いのでしょうか。駅前などの車寄せやタクシー待機場に、空から車が着陸するのでしょうか。高速道路の途中で、空飛ぶクルマが出たり入ったりしても良いのでしょうか。

故村山富市首相の評伝

村山富市元首相がお亡くなりになりました。各紙が評伝を載せています。10月18日の朝日新聞は、坪井ゆづる・元朝日新聞論説委員の「評伝 戦後50年刻んだ「けじめ」 「なるはずなかった」首相の決意 村山富市さん死去」でした。
各紙とも、首相在任中の功績や、社会党の政策を大転換したことを書いています。坪井さんの記事はそれだけでなく、首相の時の失敗と辞めた後の社会党の運営のまずさについても、客観的に書いています。何をしたかだけでなく、何をしなかったかを評価することは重要なことです、難しいことですが。

・・・在任中に、阪神大震災やオウム真理教事件に見舞われ、初動のまずさを批判された。準備もなく就いた首相の重責を担い切れないさまは痛々しかった。
その後の社会党の衰退を食い止められず、「社会党の葬儀委員長」とも言われた。連合の結成で、労働運動が官主導から民主導へと変質するなか、政策転換が遅れた。そのうえ、自民党の復権に利用された。首相退陣後に、新党結成を唱えたが、自壊する党をまとめきれぬまま、1996年の民主党結党からは、はじき飛ばされた。
もっと幅広い社会民主主義の政党づくりに成功していれば、永田町の光景もずいぶん違っただろう。本人は後年、その責任を痛感し続けていた・・・

私も、細川内閣が瓦解した後、社会党左派だった村山さんたちが、自民党と組んで政権を取ったときには、それこそ仰天しました。社会党右派が自民党と組むのなら、まだ理解できるのですが。左派は、右派の現実路線を散々批判していたのです。「今までの主張と行動は、何だったんだ」と思いました。

私は、阪神・淡路大震災の政府の初動のまずさは、首相に帰されるものではなく、政府と行政機構の責めだと考えています。その後の社会党の消滅については、社会党右派と左派のせめぎ合い、山花貞夫さんの努力と挫折なども含めて分析する必要があるでしょう。

夫婦が手をつなぐと

近所に、よく連れ立って歩いておられるご夫婦が、2組おられます。一組の方の奥さんとの会話。
私「よく連れ立って歩いておられますね。手はつながないのですか」
奥さん「この歳になって手をつなぐと、介護老人かと思われるから・・・」

キョーコさんと手をつながない私が、手を堅く握ったことがありました。「ぎっくり腰顛末記その2
関西人なので、どうしてもこのような「お笑い」になってしまいます(笑い)。