投稿者アーカイブ:岡本全勝

旧雇用促進住宅

2026年2月11日   岡本全勝

1月13日の朝日新聞夕刊に「「手頃な賃貸」へ外資が再生 築50年級の旧雇用促進住宅」が載っていました。雇用促進住宅と言っても、知らない人が多いでしょうね。アメリカの投資会社が一括して買っていたとは、知りませんでした。

・・・かつて炭鉱離職者の受け皿としてつくられた雇用促進住宅がリフォームを経て、手頃な価格の賃貸住宅「アフォーダブル住宅」として人気を集めている。老朽化で低迷していた入居率は平均8割まで上昇し、外国人労働者の生活基盤にもなっている。手がけるのは米投資ファンドグループだ。

昨年10月、東京都八王子市の「ビレッジハウス(VH)小比企(こびき)」を訪ねた。京王高尾線山田駅から歩いて約10分、5階建ての7棟が並ぶ。1964年に雇用促進住宅として建てられた物件で、広さは約50平方メートル前後が中心で、賃料は5万7千円~6万8千円。現在の入居率は92%で、162戸のうち29戸は外国人が暮らす。
米投資ファンド「フォートレス・インベストメント・グループ」が所有し、傘下の「ビレッジハウス・マネジメント(VHM)」(東京都港区)が運営する。
フォートレスは2017年、「小比企」を含む全国の雇用促進住宅10万6千戸を約614億円で一括取得した。築年数は50年ほどの物件が多く、当時は厚生労働省が所管する独立行政法人が管理していた。その後、雇用促進住宅は21年度末までに廃止されている。
取得後、1戸あたり約120万円、全体で約1千億円をかけて改修、リノベーション工事を行った。和室を洋室化し、古い風呂釜を給湯器に変え、エアコンを設置した。耐震補強も終え、さらなる長期的活用を目指す・・・

人工知能に図を作らせる

2026年2月10日   岡本全勝

川北英隆・京都大学教授のブログ、2月8日は「マイクロソフトの死?」でした。

「日米の株価を各々の消費者物価指数で割り戻した(実質化した、つまり物価上昇率をどの程度上回って株価が上昇したのかの)図表」が3つ載っています。
「最初がExcelを使って僕が書いたもの、次がGeminiに書かせたものであり、株価は1969年末を1にして表示している。そして3つ目が、株価のメモリを対数にしてGeminiに書かせたものである。表示も日本語に直させた」とあります。
上手にやってくれるのですね。しかも、労力なしで。

そして、次のように書かれています。
「データを与え、「図を書いて、対数値に直して、表題やメモリの表記を日本語に直して」と指示すれば、ちゃんと処理してくれる。これなら複雑なExcelのソフトは不要だろう・・・「SaaSの死」はまだ大げさかもしれないが、AIがデータベースやデータ処理のあり方を抜本的に変えることは現実のようだ」

続いて、「図表作成の今昔」が書かれています。
それらを使えない私は、未だに手で図表を作らなければなりません。もっとも、部下や知人に頼んで、エクセル、パワーポイント、pdfを作ってもらっていて、自分では作業していないのですが。すみません、いつも面倒な作業を頼んで。

若年層の政治参加促進に向けた国際動向

2026年2月10日   岡本全勝

自治体国際化協会の機関誌『自治体国際化フォーラム』436号(2026年2月号)は「若年層の政治参加促進に向けた国際動向と政治教育の在り方」でした。世界各国における若年層の投票行動や若年層への政治教育の取り組みについて紹介しています。若年層の政治参加意識を高めることが共通の課題となっています。選挙権を16歳に引き下げる動きもあるようです。

連載「公共を創る」第123回第124回第125回で、若者の政治・社会参加の問題や主権者教育について、西欧諸国との違いを論じました。政治参加意識を教えるのは学校教育ですが、日本の学校では民主主義の制度は学びますが、「政治的中立性」の名の下に、政治には深く立ち入らないようです。それでは、現実の政治や社会の問題に関心が向きませんよね。それでいながら、突然に選挙権をもらっても、困るでしょう。

明治以来の日本は、政治制度、法制、政府の組織、技術や教育などについて、出来上がったものとして「輸入」してきました。これ自体は大したものです。ただ、そこには限界があります。中央政府や地方自治体がつくることができる「制度」「施設」なら輸入は比較的簡単なのですが、その制度を住民が自分のものとして動かすことは、簡単には輸入できません。国民の主体的な行動を伴う「運用」は輸入しにくかったのです。各国における政治・社会参加は、制度や施設の問題でなく、まさに運用の問題に当たります。

有限な資源としての時間

2026年2月9日   岡本全勝

日本人がつくった社会通念・時間厳守2」の続きになります。織田一朗著「日本人はいつからせっかちになったか」の第Ⅵ章は「資源としての時間が見直されてきた時代」です。

・・・「時間に使われる」のではなく、「自分の時間を〈自分で決めて〉使う」ことが大切なのだ。つまり、本当の豊かさは自分の生活、人生の中で「自分で自由になる時間がどれほどあるか」だとする。確かに幸福とはモノの豊かさで充足されることではなく、精神的な充足感である。
「モノが足りなかった時代」にはモノを手に入れるための金が大切だったが、モノが余ってきた現代に、人生の価値の基準を「金持ち」であることから「時持ち」へと進化させたのだ・・・(p181)とあります。

192ページ以降には、情報化社会になって情報量が加速度的に増えたこと、単位時間当たりに接する情報量の多さ、その摂取と処理・利用にますます時間が取られることを指摘しています。
しかし、過剰な情報は流れていても、処理と利用はされない「無駄なモノ」でしかありません。それに振り回されていると、有限な時間を浪費する「有害物質」でしょう。
この本が書かれたのは、1997年。まだスマートフォンは、世に出ていません。注意と時間泥棒であるスマホによって、さらに自由時間はなくなっているようです。

ところで、162ページに、マーキングペンの生産額が昭和63年(1988年)に急増したことが書かれています。それ以前の7年間は800億円前後で横ばいだったのが、一気に10倍以上の約9000億円に達したのです。「人々が大量の情報を処理するためにマーキングペンを活用し始めたものと推定される」と分析しています。
へえ・・・。印刷機で印刷した資料に、色で線を引いたのでしょうか。その後、印刷せずに画面で見ることが多くなると、マーキングペンは売れなくなったのでしょうか。

事業承継による地域活性化

2026年2月9日   岡本全勝

地域活性化センターの機関誌『地域づくり』1月号の特集は「事業承継による地域活性化」です。
地域の活力は、住民であり、その人たちが暮らしていける産業と生業が鍵です。企業の呼び込み(企業誘致)や、新しい事業(起業)も重要ですが、すでにある企業を継続させることも必要です。何と言っても、すでに何年も営業してきた実績があるのです。
売れ行きが悪化したり、跡継ぎがいなかったりと、廃業が増えます。それをどのようにてこ入れして、経営を継続してもらうか。
地域の資源と伝統の蓄積を生かしてもらいたいものです。
中小企業庁の考え方と支援も載っています。