6日の読売新聞「論点」は、岩本康志教授の「経済財政諮問会議、将来像議論の司令塔に」でした。
・・昨年に「歳出・歳入一体改革」をまとめたことが重要だ。一体改革では、2011年度に基礎的財政収支を黒字化するために、歳出削減の数値目標を立てている。このような中期の財政計画を立案、実行することは、財政が硬直化して機動的な運営ができなくなる欠点をもつが、政府の放漫財政を抑止する利点が大きい。
諸外国ではこうしたルールの導入で財政規律を確保して、財政再建に成功してきている。一体改革の実現は、毎年の予算編成での首相や諮問会議の主導権をも制約するが、その効能について認識することが必要だ。
従来は、諮問会議が歳出削減を主導しなければ財政再建が進まなかったが、一体改革では5年分の歳出削減の数値目標が与党の合意を経て閣議決定されており、その分、諮問会議の肩の荷が軽くなったと言える・・