時事通信社「コメントライナー」への寄稿、第10回「首相秘書官の現実と課題」が、3月24日に配信され、28日にはiJAMPに転載されました。iJAMPの記事は、懐かしい写真(2009年9月、麻生総理とその後ろを歩く岡本秘書官)付きでした。
今回は、麻生太郎内閣での首相秘書官の経験を元に、首相秘書官の育成の難しさを指摘しました。詳しくは原文を読んでいただくとして。
首相秘書官は多くの場合、首相の個人事務所の秘書(政務秘書官)が1人、残りは各省から官僚が事務秘書官として派遣され、任期が終わると派遣元に戻ります。それまで一緒に仕事をしたことがない官僚たちが、首相に仕えるのです。
首相の活動は「事務」「政務」「庶務」の三つに分けることができ、事務秘書官の分担はこのうち「事務」ですが、そうも言っておられません。
私は首相秘書官に就任する4年前に麻生総務大臣に官房総務課長として仕え、その後も政策の勉強に呼ばれていました。また持ち前の「厚かましさ」で麻生さんにいろいろ質問することで、麻生さんの政治姿勢を理解しました。そこで、首相秘書官に就任すると、直ちに簡単な打ち合わせで首相発言原稿を書くことができました。しかし、このような経験を有している秘書官候補は多くはいません。