月別アーカイブ:2026年6月

職場に居場所ある人が減少

2026年6月24日   岡本全勝

6月9日の日経新聞に「職場に居場所ありますか 「ある」と言える人、10年で5割に減少」が載っていました。

・・・職場に「居場所がある」と言える人が減っている。背景には雇用の流動化に加えて、働き方やコミュニケーション手段などの変化がある。孤独感が強まると、退職にもつながりかねない。働く人の気持ちが職場から離れたままでは、幸福度だけでなく、生産性が低下する懸念もある。

インディードリクルートパートナーズリサーチセンターが全国の15〜64歳の就業者を対象に実施した調査によると、「職場に自分の居場所がある」との回答が2024年に54.9%と13年比11.3ポイント低下した。年代別では30〜50代の働き盛り世代の落ち込みが目立つ。テレワークなどの広がりで、対面での会話や雑談が減っている会社員もいる。
「日本の会社員は上司や同僚など周囲から必要とされ、役立っている実感を求める傾向がある」。筑波大学の中村准子・准教授は指摘する。「職場に理解しあえる人がいる」「職場で私はあてにされている」と感じられない社員の心理状態は、孤独感が強まっているかどうかの尺度になるという。

職場に居場所がなく孤独感を強める社員が増えることは、企業の経営に影響を与える。パーソルキャリア「Job総研」の調査では、孤独を感じたことのある人のうち、約2割が退職していた。
オランダの人材サービス大手ランスタッドが主要35カ国で実施した労働者約3万人を対象にした25年調査では「職場をコミュニティとして感じたい」割合は世界平均83%に対し、日本は57%と24年比17ポイント低下した。社員の気持ちが職場から離れる背景には、「心理的安全性の低さも無視できない」(担当者)・・・

・・・JTBコミュニケーションデザイン(東京・港)のワーク・モチベーション研究所と筑波大学の中村准子・准教授の共同調査は、職場での「居場所感」が働きがいを示す「ワークエンゲージメント」と相関していると指摘している。例えば居場所感を構成する「役割感」が高いと「自分の存在価値を認識し、もっと頑張ろうと活力が湧く」(中村准教授)。

家庭や職場に次ぐサードプレイス(第三の居場所)があるのか。マイナビが2025年11月に実施した調査では、20〜59歳の正社員でサードプレイスがある人は48%に達した。具体的には飲食店や温泉・銭湯、車・バイクに乗ることが多かった。ある人の方が、ない人より仕事・私生活どちらも満足している割合が12.5ポイント高い。居場所は大切にしたい・・・

福島民報新聞に載りました

2026年6月23日   岡本全勝

6月21日の福島民報新聞に、私の発言「「基本法」制定を提案」が載りました。私が主張したのは、次のようなことです。

・地震津波災害と原発事故災害では復興の国の責任の在り方で大きく異なる。国の立場は、自然災害では「支援」だが、原発事故については「責任を果たす」ということ。
・津波被災地の経験もあって、すぐに大きなインフラを整備する手法を見直し、人が戻る場所に徐々に戻すという方式を採用した。例えば復興拠点。全域避難した自治体が持続的な発展を成し遂げるには、人や賑わいの戻りを見極めながら時間をかけて施策を進めなくてはいけなかった。
・今後の復興庁のあり方として、原子力災害対策本部、経済産業省の被災者支援チームなども一体となった組織とし、原発事故復興に力を入れる態勢が望ましい。
・避難指示を解除できない地域がある上、廃炉作業完了の見通しは立たない中、「東電福島第1原発事故復興基本法」の制定を提案したい。原発事故の収束と復興についての東電と政府の責任の明記、行うべき作業の全体像と計画の作成、予算と財源の措置などを法で定めることが必要と考える。それによって、地元を安心させてほしい。

コンサルのち、すし職人

2026年6月23日   岡本全勝

6月7日の朝日新聞に「コンサルのち、すし職人 AI時代、現場で働く」が載っていました。

・・・東京・銀座にある高級すし店「はっこく」。ひのき板で作られた三つのカウンターの一つを任されているのは、駆け出しのすし職人、深澤宏樹さん(30)だ。
慶應義塾大学を卒業後、米大手コンサルティング会社のアクセンチュアに入り、日本法人でテクノロジーを担当。港区のオフィスでIT戦略や経営戦略を語っていた。順調なキャリアに見えるが、物足りなさを感じるようになった。「ITやテクノロジーを分析する分野では世界に自分より優れた人がたくさんいる。自分の強みは何だろう、と考えるようになったんです」

学生時代にアルバイトをした時、海外の観光客にとってすしのブランド力が圧倒的だったことを思い出し、「海外ですし屋をやってみたい」という新しい目標ができた。会社勤めをしながら、すし職人養成の専門学校「東京すしアカデミー」に通った。
アカデミーの福江誠校長(58)によると、コロナ後、社長や、ITやコンサル企業に勤める会社員など、いわゆるホワイトカラー層の受講が一気に増えたという。その背景について、福江校長は「技術を身につけることが魅力的な『生存戦略』に見えるのでしょう」と語る。
5800人の卒業生のうち、およそ1割が海外で開業したり、就職したりした。「欧米の一流店で働くと年収は約2千万円に達するケースもある」と福江校長は話す・・・

・・・AIの普及で働き方はどう変わるのか。「ホワイトカラー消滅」(NHK出版新書)の著者で日本共創プラットフォーム(JPiX)会長の冨山和彦さんに聞いた。

短期的には、AIの浸透でプログラマーや総務や営業などの仕事が削られるだろう。会計士や弁護士であっても、過去の判例や学説を探すような2次情報の検索・分析はAIの独壇場になる。「中間管理職」も、AIと競合するため非常に厳しい立場に立たされる。
生き残っていける働き手には、大きく分けて二つのタイプがある。
一つは、AIを「スーパー部下」として使いこなし、プロンプト(指示)を出してグローバルな判断、的確な意思決定ができる一握りの「優秀なボス」。もう一つは、現場で自らの身体と感情、技能を使って「1次情報」を取りに行くブルーカラー的な働き手だ。人手不足なので、すでに建設現場の高度な重機オペレーターや高所作業員などは、年収1千万円を超える業種もある。
今後はエッセンシャル産業やブルーカラーとホワイトカラーの中間領域の仕事で特殊な資格、技術を持つ人びとが新たな「中産階級」を形成していくだろう。対人サービスや現場労働の集約型産業に富が集まってくる。歴史の必然とも言える。
大企業の歯車として誰に感謝されているか分からない内勤仕事より、目の前のお客さんの役に立ち、直接「ありがとう」と言われる対人労働の方が、仕事としての充実感は圧倒的に高い。人間がやるべき仕事の本質をもう一度見つめ直す、良い機会になるだろう・・・

コペルニクス的転回とアインシュタイン、ダーウィン

2026年6月22日   岡本全勝

コペルニクス的転回は、ご存じですよね。それまでの「真理」だった天動説に代えて、コペルニクスが地動説を唱え、物事の見方を根本的に変えてしまったことです。英語では、Copernican Revolution と言うそうです。まさに革命です。パラダイムシフトとも呼ばれます。

「コペ転」と短縮しても使われます。
私が経験したコペ転は、世界ではソ連の崩壊・東西冷戦の終結でした。「ドイツ東西統一と新しい分断」。生活では、いくつかのコペ転を経験しました。それはまた次の機会に。

自然科学では、コペルニクスとともに、アインシュタインの相対性理論、ダーウィンの進化論が、それまでの「真理」をひっくり返しました。ところで、コペルニクス的転回という言葉があるのに対して、アインシュタインとダーウィンにはそのような表現がないのか。物知りに聞いてみました。すると次のような答えが返ってきました。

・・・アインシュタインは「アインシュタイン・ショック」というんだと思います。
ダーウィンは・・・「来た!」じゃないですかね・・・

ハハハ

外国人労働者に抵抗感、SNSが助長

2026年6月22日   岡本全勝

6月6日の読売新聞「外国人労働者に抵抗感 世論調査分析 SNSや動画サイト 助長」から。

・・・外国人労働者の受け入れに対する世論の抵抗感が、ここ数年で急激に強まっている。読売新聞社の全国世論調査(郵送方式)の結果を分析すると、SNSや動画サイトが抵抗感を助長している可能性が高いことが浮かび上がった。

読売新聞社と早稲田大学が毎年、全国の有権者3000人を対象に共同実施している調査では、2017~25年の計7回、「労働力として外国人を積極的に受け入れるべきだ」という意見への賛否を尋ねてきた。
19~24年は「賛成」が多数だったが、25年9~10月調査で賛否が逆転し、「反対」が過去最多の59%となった。同年7月の参院選で参政党が「日本人ファースト」を掲げ、外国人に関する政策が主要争点に浮上したことが影響したとみられる。
25年調査で「反対」とした割合を年代別にみると、18~39歳で71%(24年調査52%)、40~59歳で62%(同48%)、60歳以上で50%(同42%)といずれも上昇し、若年層ほどその幅が大きかった。

政治に関する情報を入手するメディアによっても、意見の差が目立った。
25年調査で外国人労働者受け入れに「反対」とした割合は、新聞やテレビなどの伝統的メディア利用層で52%、ニュースサイト利用層で66%だった。これに対し、X(旧ツイッター)やユーチューブなどのSNS・動画サイト利用層では83%に達した。
SNS・動画サイト利用層は全体の15%にとどまるが、60歳以上で6%、40~59歳で14%なのに対し、18~39歳では35%と若年層ほど多く、外国人労働者受け入れに「反対」の割合が若年層ほど大きいことと一致する。
SNS・動画サイト利用層の「反対」の割合は、18~39歳で82%で同年代の平均より11ポイント高かったが、60歳以上でも同年代の平均より約30ポイント高い8割近くに達した。中高年でSNSや動画サイトを重視する一部の利用者が、若者にも増して強い影響を受けていることがうかがえる・・・