橋本毅彦著『近代発明家列伝ー世界をつないだ九つの技術』(2013年、岩波新書)を読みました。なぜこの本を読もうと思ったのか、思い出せないのですが(反省)。
なぜこの9人が選ばれたのかは、次のように説明されています。
最初の3人は、時間、動力、空間に関わる技術で、地球規模での一体化をつくる先駆けでした。
ハリソン──世界時刻の計測
ワット──産業革命の原動力
ブルネル──大英帝国の技術ビジョン
次の3人は、音声や通信技術に革命をもたらしました。
エジソン──発明と経営の間で
ベル──電信から電話へ
デフォレスト──無線通信とラジオ放送
最後の3人(4人)は、現代人の活動範囲を飛躍的に拡大させる交通技術をもたらしました。
ベンツ──ガソリンエンジン搭載の自動車
ライト兄弟──空間意識を変えた飛行機
フォン・ブラウン──宇宙ロケットとミサイル
皆さん、どれだけ知っていましたか?
もう一つ、この本が訴えているのは、技術が革新的なだけでは普及せず、それを社会の需要に適合させること、「売れる」ようにすることが必要です。この部分は、発明家ではなく、起業家の役割になります。本人が行う場合もあります。「人に知られることなく研究していた」では、社会に認められず、普及もしません。時には、発明家の意図とは違う目的で使われる場合もあります。
『科学の社会史』