年別アーカイブ:2024年

かつての政と官

2024年2月4日   岡本全勝

日経新聞「私の履歴書」1月は、元財務次官の武藤敏郎さんでした。

15日の「政官関係」に、次のような話が載っています。
・・・細川護熙非自民連立政権の1994年度予算編成の話を続ける。社会保障担当の主計局次長として、野党自民党きっての厚生族議員である橋本龍太郎政調会長に状況を報告しなくてはと考えた。自民党本部を訪ねると、閑散として人の出入りがほとんどない。
橋本さんは「我々は野党だから、次長さんのような偉い人がわざわざ来なくていいよ」と皮肉交じりの口調で話された。真顔に戻ると「僕は自民党と大蔵省は夫婦みたいな関係だと思っていたよ。だけど、いざ下野すると、役人どもは冷たいね」とつぶやかれた。
私は「官僚は時の政権に仕える立場なので・・・」と口ごもった。橋本さんは「それはきれい事だな」と納得されなかった。自民党が大蔵省に向ける視線は厳しかった・・・

20日の「主計局長」には、次のような話が載っています。
・・・私は2001年に情報公開法の施行を控え、予算編成の透明性の向上が重要な課題になると考えた。族議員や各省と密室で調整を重ねるばかりでは、財政再建にも限界がある。国民の理解を深めるオープンな情報発信の努力も必要だと思った・・・

日本語教育、品詞を色分け

2024年2月4日   岡本全勝

1月22日の朝日新聞夕刊「凄腕しごとにん」は、江副隆秀さんの「「見える日本語」学んだ外国人2万人超」でした。

・・・多くの外国人にとって日本語のハードルは高い。米国務省は「英語話者には最も習得が難しい外国語」に分類している。ラテン系やゲルマン系の言語とは構造が全く違う。ひらがな、カタカナ、漢字の3種類の文字を併用。そのうえ「助詞」の使い分けが日本人でも迷うほど複雑だからだ。
そこで取り組んできたのが「日本語の見える化」。日本語の文章を「情報」と「述部」、その二つをつなぐ「助詞」の三つに分解。同時に、名詞や動詞、助詞など各品詞を色分けしてカードにした。
例えば「学校へ行く」だと、情報の部分は「学校」で、黄色の名詞カード。述部は「行く」で、緑色の動詞カード。その間に白色の助詞カードの「へ」を挟む。

日本語教育では戦前から「助詞は的確な定義ができない」として、大量の例を反復練習する「文型教育」が主流だった。
江副さんは、助詞ごとの意味を突き詰めてさまざまな図形にした。例えば「へ」は、目的地に向かう意味を込めて矢印の形。「に」は「学校に行く」という方向だけでなく、「学校にいる」「9時に出る」など場所や時間のポイントを表す際にも使われるので三角形にした。
工夫を凝らしたのがドーナツ状の「で」のカード。穴に電車の模型を通らせながら「電車で行く」と教える。手段の意味だ。穴から城の模型を見せて「お城で寝る」。こちらは場所の意味になる・・・

なるほど。

ほっと一息

2024年2月3日   岡本全勝

1月も終わり、2月になりました。1月末締め切りの仕事をいくつも抱えていたのですが、何とか切り抜けました。まだいくつか原稿などを抱えているのですが、ひとまず一息つきました。恒例のぼやき、今回は少し違います。

締め切りの近づいた原稿や講演をたくさん抱えていると、精神的によくありません。読みたい本も読めないし・・・。
右筆に言わせると、「引き受けすぎ」です。
分かってはいるのですが。講演にしろ取材にしろ原稿にしろ、お誘いが来るとうれしいのです。お座敷の声がかかる芸者さんと同じです。
そして、私の経験とそれを基にした主張を、世間に理解してもらうことも責務だと思っています。

「債務奴隷」と自嘲しています。本来の債務奴隷は、借金を返せずに奴隷身分に落とされ、働いて返します。私の場合は、債務が執筆で、金銭ではなく執筆という労働で返さなければならないという奴隷です。
もっとも、「締め切りに間に合わず、あわてる」という夢を見たことがないので、心理的に追い込まれてはいないようです。

勉強する部屋づくり

2024年2月3日   岡本全勝

1月20日の日経新聞「すっきり生活」に「勉強がしたくなる部屋の作り方 ロジカル片付け術」が載っていました。
・・・「今年こそ資格を取得してスキルアップしたい」。元旦に立てた目標も、いざ実践するとなるとなかなか難しい。自宅のレイアウトを見直すことでやる気を出せるかもしれない。
まずは勉強する場所をみてみよう。リビングやダイニングで勉強をする際、家族と目が合う方を向いていないだろうか。家族が動くたび、目の前の作業が分断され、集中力が途切れてしまう。壁や窓の方向を向き、お互い背中合わせで作業するのが理想だ・・・

記事ではその後に、さまざまな工夫が載っていますが、ここでは重要な点を紹介します。それは、集中を妨げるものを排除することです。趣味の品々、読みかけの本、テレビ、お菓子・・・。

家で仕事に集中できないことには理由があります。
まず、職場と違って、家はくつろぐ場所です。家の中の仕組みも品々も、そのようにできています。そして私たちの意識が、「家はくつろぐ場所」と思い込んでいます。
次に、居間にしろ食卓にしろ、誘惑だらけです。部屋の配置や家具を動かすことは難しいので、せめて目に入る範囲の「誘惑物」を隠しましょう。

思い込みを変える

2024年2月2日   岡本全勝

日本社会にしみこんだ通念。ふだんは気がつきませんが、何かの事件や出来事で、そのおかしさに気づくことがあります。

1月22日の日経新聞夕刊、歌人・枡野浩一「父と子の記憶」に、次のような話が載っています。
・・・米国のボルチモア国際黒人映画祭で、日本人監督として初の最優秀長編国際映画賞とオスカー・ミショー賞のW受賞をした武内剛監督は、古い知り合いである・・・
「ぶらっくさむらい」という名で芸人をしていたとき、一番印象に残るネタは「武内剛という本名でアルバイトに応募したが、いざ職場に行くと、アフリカ系黒人の見た目を持つ青年を見た年配の店長夫婦が慌てふためいてしまう」という内容だった。
枡野さんは、「笑いながら、笑って大丈夫なんだろうかと心配になった」そうです。

もう一つは、日本航空の次期社長です。客室乗務員出身の鳥取三津子専務が内定しました。報道でも紹介されていますが、これまでにない人事です。
「鳥取氏は福岡県出身で、長崎県の活水女子短大英文科を経て、1985年に東亜国内航空(後の日本エアシステム〈JAS〉、04年にJALと経営統合)へ入社。CAを長く務め、客室本部長などを経て、現在はグループCCO(最高顧客責任者)を務めている。」ダイヤモンドオンライン「JALに初のCA出身・女性社長が誕生!

「これまでの思い込みを打破する人事だ」と、私と同年代の人が次のように解説してくれました。
・日本を代表する企業、かつては国策会社であった日本航空の社長に、女性が就任すること
・客室乗務員出身であること
・短大卒であること
・日本航空生え抜きでなく、合併された東亜国内航空出身であること