年別アーカイブ:2024年

朝は頭が働く2

2024年5月2日   岡本全勝

朝は頭が働く」の続きです。
私の現役時代の知人に、「朝は1時間ほど早く職場近くに着いて、喫茶店でゆっくりと過ごし、それから出勤する」という人が何人かいました。朝と昼の弁当を二つ持って出勤する友人もいました。若いときの私はギリギリまで寝ていたので、「よく早く起きることができるねえ」とあきれていました。満員電車の混雑を避け、喫茶店で考え事をするか、ゆったりとした時間を楽しんでいたのでしょう。

通勤電車の中で、私の近くに座って、熱心にスマートフォンでゲームをしている学生や若者もたくさんいます。その熱中ぶりを見ると、かなり頭を使っていると想像します。通勤・通学時間を何に使うかは本人の考え次第ですが、学校や会社にたどり着く前に疲れているのではないかと、人ごとながら心配になります。

法人税優遇、適用企業は非公開

2024年5月2日   岡本全勝

4月19日の朝日新聞1面に「法人税優遇、減収2.3兆円 22年度試算、適用企業は非公開」が載っていました。

・・・特定の企業や個人の税負担を優遇する「租税特別措置」(租特)による法人税の減収額が、2022年度は2兆3015億円にのぼり、現行の制度になった11年度以降で最高となったことが財務省の試算でわかった。どの企業に適用されたのかなどの情報開示が乏しく、政策効果の検証が難しい。「隠れ補助金」とも呼ばれる巨額の減税が続いている。
財務省は毎年、租特によってどれぐらい減収したかを試算して国会に報告している。4月に提出された最新の資料によると、22年度の所得税なども含めた全体の減収額は8兆6975億円となり、9年連続で8兆円を上回った。減収が10億円未満の項目や、データ不足で推計が困難なものは含まれていないため、実際の減収額は多くなる可能性がある。

法人税では、企業の研究開発費の一部を法人税から差し引く「研究開発減税」の合計額が7636億円で、前年度より17・0%増、従業員に支払う給与を増やした分の一部を減税する「賃上げ減税」は5150億円で、前年度(2430億円)から倍増した。この二つは「メガ減税」(財務省幹部)と呼ばれ、法人税の減収額約2兆3千億円の半分強を占める。
問題は、国が守秘義務の観点から、どの企業がどれくらい減税されているのかなどを公開しておらず、どれくらい政策効果があったのかを検証しにくいことだ。
ドイツとスイスの政策シンクタンクが昨年、租特を含む税支出の情報公開の透明度をまとめた「世界の税支出の透明性指数」(GTETI)によると、日本の順位は104カ国・地域中94位に沈む。1位は韓国で、主要7カ国(G7)では、カナダ(2位)、ドイツ(4位)、フランス(5位)、米国(6位)、イタリア(7位)、英国(27位)と比べて際立って低い水準だ。政策減税に伴う減収額の計算方法や、政策効果が示されていない点が厳しい評価につながった・・・

国民の税金が何に使われているか(本来納めるべき税金を安くしているか)は、国民に知る権利があるでしょう。また、政策がどのように実現されているかを検証するためにも、どこに使われているかは公開すべきです。対象となっている企業も、後ろめたいことをしているわけではありませんから。

電車の車内テレビ、親の仕事ぶり

2024年5月1日   岡本全勝

通勤に、地下鉄と東日本旅客鉄道株式会社を使っているのですが、車内の電光掲示板「トレイン・チャンネル」がいろんな宣伝を流してくれます。東日本旅客鉄道では、4月からテレビ番組に近いものも放映しています。

その中に、子どもがお父さん、お母さんの働く姿を見るという番組があります。先週の分を、インターネットで見ることができます。子どもたちの驚く姿と、親に感謝する姿が、いいですねえ。ほかの週の放送も、見ることができればよいのですが・・・。

農業や自営業が少なくなり、ほとんどの人が勤め人です。そして、職住が接近していないことと、建物の中で仕事をしているので、子どもたちは親がどのような仕事をしているかを知らないのです。「職場訪問」をやっている会社や役所もあります。事務職では、働いている姿を見ても、子どもは理解しがたいでしょうね。

「私は大丈夫」だから、あなたもだまされる

2024年5月1日   岡本全勝

4月22日の朝日新聞夕刊、西田公昭・立正大学教授の「「私は大丈夫」――だから、あなたもだまされる 自信捨て、違和感大事に」から。

オレオレ詐欺が登場してから20年以上になる。被害に遭う人は絶えず、警察庁によると、昨年は約4千件の被害が確認され、被害総額は130億円を超えた。記者(28)の祖母(81)も昨夏、100万円の被害に遭った。だまされてしまう人の心理を、立正大学心理学部の西田公昭教授(社会心理学)に解説してもらった。

――高齢者が被害に遭いやすいと言われます。
完全な勘違いです。家族の危機を察知し、時には銀行の制止を振り切ってまでお金を渡す。これは認知機能がしっかりしていないとできない。実際、働き盛りや若者、いろいろな世代が巻き込まれています。

――実際にオレオレ詐欺の被害に遭った人の8割近くが、「自分は被害に遭わないと思っていた」と答えたという調査結果もあります。
警戒できていないわけだから、だまされやすいのは当然ですよね。自分の弱さを知らない「脆弱性の無知」と言うんですけどね。自分が弱い、もろい、だまされやすいと分かっていないから、誰かが被害に遭ったと報道されても「ひとごと」としか思っていない。だから、無警戒なんです。

――だまされないためにはどう行動すればよいのでしょうか。
違和感を大事にできるかどうかが、一番大きなところだろうと思います。電話がかかってきた時点、話の内容、指示される行動におかしいと思えるか。
一度立ち止まって考えられるかどうかは、もともと、自分がだまされるかもしれないと思っているか、思っていないか。その差なんですね。
自分自身がだまされるかもしれないと思っている人の方が慎重に行動できるはずです。「自分は大丈夫」という自信を捨てること。私自身もだまされると思っています。
立ち止まるポイントは、お金の話が出たらすべて詐欺だと疑うことです。そのうえで、電話の相手が本人かどうか確かめる。自分の知る番号にかけて確かめれば良い。それが一番最初にできることです。

コメントライナー寄稿第17回

2024年4月30日   岡本全勝

時事通信社「コメントライナー」への寄稿、第17回「管理職を育てる組織へ」が4月26日に配信され、30日のiJAMPにも転載されました。

今回は、有名企業で起きている性能偽装の原因を取り上げました。調査に対して、部下は「開発スケジュールが厳しいことを上司に伝えても、上司が取引先に対しスケジュールの見直しを申し出ることはなく、むしろ、決められたスケジュールに間に合わせるよう指導を受けるのみであったため、スケジュールが厳しくても、上司に相談することはしないようになった」と発言し、管理職は「この業務の経験がなかったため、業務に詳しい担当者を信頼し、業務を一任していた」と答えています。

関与した当事者たちは悪いのですが、彼らにも言い分があるでしょう。「私はこの分野の専門家でなかったが、会社の人事でこの席に着いた」「同僚も上司も、このような仕事の仕方を続けていた。なぜ私だけが」と。

職場管理の訓練を受けずに専門外の部署の管理職に指名された職員と、管理職に相談してもどうせ何も変わらないと思っている部下。彼らより、そのような人事を行った組織と幹部の罪は大きいのです。