年別アーカイブ:2023年

人は何に従うか

2023年3月22日   岡本全勝

3月13日月曜日から、マスク着用についての政府の推奨が、「着用が望ましい」から「いくつかの例外を除いて個人の自由」に変わりました。新聞テレビでも報道されていますが、ほとんどの人は依然としてマスクをつけているようです。政府の要請は、無視されているのでしょうね。着用の推奨は、受け入れられたのに。
面倒を増やす呼びかけが受け入れられ、楽にする方の呼びかけが無視されるという、不思議な現象です。

駅のエスカレーター、「右側を空けずに、立ち止まって2列で乗ってください」という放送は、ほとんど無視されています。右側が空いて、左にエスカレータを待つ長い列ができているのは、誰が考えても非効率ですよね。
「スマートフォンを操作しながら歩くのは危険なのでやめてください」という放送も、かなりの人が無視しています。これは効率の問題ではなく、安全の問題です。でも、無視されています。

女性の昇進を阻む男性たち

2023年3月22日   岡本全勝

3月9日の朝日新聞「「彼らは僕の薫陶を受けてる」 昇進阻んだ男性ネットワーク」から。

・・・大手電機メーカーで成果を出しても課長より上に昇進できず、年下にも抜かれた女性の問いに、上司はこう答えたという。
「君を部長にする気はない。だって、MBA(経営学修士)、持ってないじゃない」
周りの部長の男性たちを見渡しても、MBA取得者は見当たらない。
「MBAを持ってる人、いないじゃないですか」
「彼らは僕の薫陶を受けてるからね。君にはそういう教育をしていない」
「僕の薫陶」という言葉の向こうにある男性ネットワークの存在に、がくぜんとした・・・

・・・日本での賃金や昇進における男女格差は大きい。
経済協力開発機構(OECD)によると、男性の賃金の中央値を100とした時の女性の値(2021年)は日本が77・9。内閣府によると、民間企業の女性管理職比率(課長相当職)は21年時点で12・4%。いずれも先進国最低レベルだ。
格差は経営トップ層にも。企業統治助言会社「プロネッド」によると、東証プライム上場企業の取締役に占める女性の割合(22年)は1割を超えるものの、大半は社外取締役の起用によるもので、内部登用の女性の取締役は1・5%。内部昇格で取締役になれる女性は極端に少ない。
なぜか。女性が育児などを過度に担ってキャリアを断念する場合だけでなく、そうした制約がなくとも昇進の壁に阻まれて、「将来の役員候補」となるべき女性が次々に脱落させられている構図がある・・・

ルーヴル美術館展

2023年3月21日   岡本全勝

先日、国立新美術館で開催中の「ルーヴル美術館展 愛を描く」に行ってきました。
「愛を描く」という主題で、作品が選ばれています。なるほど、このような展示もありますね。ルーブル美術館などは古今東西、膨大な数の美術品を集めていますから、そこから展示品を選ぶとなると難しいです。ごった混ぜになると、見る方も疲れます。

「愛」と言っても、西欧の歴史では大きな変遷があります。
古典古代の時代は、ギリシャ神話やローマ神話での愛で、神々の愛です。生身の人間は出てきません。しかし、男女の愛を神様に仮託して描いたのでしょう。
中世は、キリスト教の愛です。これは、男女の愛ではありません。
ルネッサンスのあと、かなり時代が経ってから、現実社会での男女の愛が絵に描かれるようになります。
共通するのは、女性の美しさを表現することです。そして中世以外は、裸像です。
ところで近世では、理想的な愛だけでなく、俗な愛も描かれています。娼婦や不倫と思われる絵です。注文した人がいたのです。これらは、どこに飾られたのでしょうか。お客さんが来る応接室や、子どもたちもいる食堂や居間には掛けなかったでしょうね。

国立西洋美術館の「憧憬の地 ブルターニュ」もよかったです。祝日の上野公園は、大変な人出でした。

50年前の3月10日その2

2023年3月20日   岡本全勝

先日「50年前の3月10日」で、「私の記憶に間違いなければ、50年前の今日、1973年(昭和48年)3月10日は、東大の入学試験合格者発表の日でした」と書きました。
ある後輩から、「違いますよ。発表は20日でした」との指摘がありました。そこで、友人たちに「何日だった?」と問い合わせしました。意見が分かれ、10日説と20日説があるのです。

友人の一人が、東大の広報窓口に問い合わせてくれました。それによると50年前は、3月3日が一次試験、8日と9日に二次試験で、20日に発表だったそうです。
記憶は、いい加減なものです。しかし、私の記憶の3月10日は、どこから来たのでしょう。「人は記憶を作る

非正規公務員

2023年3月20日   岡本全勝

3月9日の朝日新聞「非正規公務員、女性しわよせ DVの相談員、低待遇に疲弊「限界」」から。

・・・公務員の非正規雇用への置き換えが進み、大半を女性が占めている。専門的な知識が必要な仕事でも低賃金で、多くが有期雇用だ。ジェンダー不平等を解消する旗振り役であるはずの自治体で格差が生み出され、「官製ワーキングプア」と批判されている。

「もう限界だ」。広島県内の自治体で婦人相談員の仕事を約8年続けてきた藍野美佳さん(54)は2021年春、退職を決意した。DV(家庭内暴力)に苦しむ女性を支援する仕事に使命を感じていたが、非正規の待遇の悪さに追い詰められた。
月14万円あまりの給料から税金や家賃、光熱費などを引くと、手元にほとんど残らない。夜はファミレスやホテルで清掃の仕事をし、週末もバイトを入れた。「相談員の仕事を続けるためだった」と話す・・・
・・・難しいケースをいくつも抱えて過労に陥り、最初の3年で2度、医師から就労不能の診断を受けた。しかし、わずかな傷病手当しか出ず、十分に休養することもかなわなかった。
コロナ禍では「夫に居場所を知られずに給付金を受けられるか」という相談が増え、心身が限界に。「仕事に見合った待遇を」と自治体に求めたが、財政難を理由に変わらない。一方で、定年を迎えた男性の正規職員が年収500万円超で再雇用されたと知り、離職に傾いた・・・

・・・1990年代半ば以降、公務員の削減が進んだ。自治労の調査では、94年に328万人だった公務員は2016年には274万人に減った。一方、定数外職員は約3倍の64万人に増えた。女性が多い事務職員や保育士、図書館職員が非正規に置き換わり、相談業務の多くも女性が非正規で担う。20年の総務省の調査では非正規公務員の4分の3を女性が占めた。
公務非正規女性全国ネットワーク(はむねっと)の調査では、非正規公務員の79%が年収250万円未満。回答した705人のうち、92%が女性だった。
賞与を出せるなど、待遇改善を図るとして、会計年度任用職員制度が導入されたのは20年。だが、時給や労働時間を切り下げた自治体が多く、収入増にはつながっていない。「契約更新は2回まで」という自治体も多く、今春は雇い止めが大量に起きるとみられる・・・