年別アーカイブ:2023年

連載「公共を創る」第147回

2023年4月7日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第147回「「新しい行政手法」─その特徴と課題」 が、発行されました。

日本は経済成長に大きく成功し貧困を克服したのですが、成熟社会に入って新たな不安が生まれました。豊かさや便利さが自由をもたらしましたが、孤独を生みました。貧しく助け合って生きていた時代の通念や仕組みが、豊かで自由な暮らし方とズレを生んだことで、安全網が機能しなくなりました。「貧しさの解消」という課題に対しては、「モノとサービスの提供」が有効で、そのための政策が大きな成果を上げました。しかし、新しい国民の不安については認知が遅れ、取り組みも始まったばかりです。

新しい手法は、次のような点で、これまでの行政手法とは異なります。
・社会には、さまざまな困難を持った人がいることの認識
・視点を変える必要性
・組織でなく個人への支援が必要
・困難を抱えた人への支援
・行政の限界

社内結婚は時代遅れか

2023年4月7日   岡本全勝

3月30日の日経新聞夕刊に「社内恋愛・結婚は時代遅れ?」が載っていました。
・・・結婚に至る王道ともいえる社内恋愛が曲がり角を迎えている。かつて職場の上司らが支援した時代もあった社内恋愛・職場結婚だが、セクハラにつながりかねないリスクや「公私を分けたい」という若者の意識変化で長期的な減少傾向に。そこに新型コロナウイルス禍が追い打ちをかけ、最近では新たに登場したライバル、マッチングアプリにも押されつつある・・・

理由として、「同僚の男性と結婚しても豊かな生活は保障されないと、冷めた目で見てしまう」という例が紹介されています。また、誘うとセクハラのリスクがあるとも書かれています。

図(出生動向基本調査)によると、1987年では、職場や仕事で知り合ったが3割を超え、友人・兄弟姉妹を通じてと見合い結婚がそれぞれ2割を超えていました。2021年では、職場や仕事でが2割に減り、見合い結婚も1割を下回っています。友人・兄弟姉妹を通じては依然として2割を超えています。新しいのが、ネットで知り合ったで、1割を超えさらに増えています。

市町村アカデミー機関誌2023年春号

2023年4月6日   岡本全勝

市町村アカデミーの機関誌「アカデミア」2023年春号が、発行されました。年に4回発行しています。今号では、市町村アカデミーで行われた講義や講演の再録や、研修生のレポートで優秀な作品を載せています。
当校での研修科目のカリキュラムはお知らせしているのですが、このような講義の内容を読んでいただくと、より分かります。興味を持たれたら、研修に参加してください。

また、研修生がどのようなレポートを書いているかも、ご覧ください。今回は、次のお二人です。
現場ではどのような課題に向き合っているか、それをどのように解決しようとしているかが分かります。これは、国の役所や研究者では期待できない内容です。
・「職員研修の企画と実践」講座、埼玉県上尾市総務部職員課 白石 裕一さんの「学び合う職場環境の醸成について」
・「住民税課税事務」講座、 愛知県豊川市総務部市民税課 今泉 達史さんの「納税義務者が死亡した場合の納税通知書について」

インターネットでも、読むことができます。これって、便利ですよね。先日、私が行った講演録が冊子になり、インターネットで読めますと紹介したら、何人もの人から読んだよと反応がありました。

忘れられた成長の「約束」

2023年4月6日   岡本全勝

3月30日から日経新聞が「検証 異次元緩和10年」を始めました。
・・・10年にわたって異次元緩和を進めてきた日銀の黒田東彦総裁が4月8日、退任する。発行済み国債の半分以上を日銀が買い上げ、長短金利を押し下げてきたが、目標とした賃上げを伴う物価上昇の実現はいまだ道半ばだ。日銀と共同声明(アコード)を結んだ政府の成長戦略も十分だったとは言いがたい。日本経済をどう押し上げていくのか、実験的な金融政策の総括が必要となる・・・

第1回の「忘れられた成長の「約束」 日銀頼み空転で実質賃金5%減 政府、経済構造変革せず」から。
・・・金融緩和に消極的な白川氏から黒田氏に総裁が代わり、円相場は就任時の1ドル=90円台から2年で120円台まで下落。日経平均株価も1万2000円台から2万円台に上昇した。
ただ、異次元緩和が「虚像」だった面も否めない。緩和開始時の長期金利は0.6%前後で、現在の日銀の許容上限である0.5%と大きくは変わらない。国内銀行が融資する際の約定平均金利(新規)は1%から0.7%に下がったが、長く緩和を続けてきた日本に金利の低下余地はほとんど残されていなかった。

実体経済への影響も鮮明とはいえない。22年10~12月期の実質国内総生産(GDP)は546兆円で、異次元緩和前から5%伸びた。戦後2番目に長いアベノミクス景気が実現したが、年率では0%台という低成長から抜け出せなかった。
民間企業の設備投資が16%増えたが、家計の最終消費支出は2%減った。賃上げは広がらず、成長のエンジンである個人消費は低迷した。22年の実質賃金(指数、従業員5人以上の事業所)は13年から5%減少した。
共同声明はなぜ成長押し上げにつながらなかったのか。とりまとめを政府側で担当した松山健士元内閣府次官は「日銀は合意に沿って最大限努力してきた。成長力や格差など政府に課題が多く残っている」と語る・・・

・・・科学技術・学術政策研究所の「科学技術指標2022」によると、日本の研究開発費総額は17.6兆円。米国(71.7兆円)、中国(59.0兆円)に続く主要国中3位だ。しかし、00年からの研究開発費の伸び(実質額ベース)は中国の14.2倍、韓国の4.6倍、米国の80%増と比べ、日本は30%増と見劣りする。
経済の実力を示す潜在成長率は10年間で0.9%から0.3%まで下がった。1人当たりGDP(購買力平価ベース)は17年にイタリアに抜かれて主要7カ国(G7)の最下位に転落。18年に韓国に逆転された。低金利下で低収益企業が温存され「生産性を引き上げる経済の新陳代謝が起きなかった」(BNPパリバ証券の河野龍太郎氏)・・・

連載「公共を創る」執筆状況

2023年4月5日   岡本全勝

恒例の連載「公共を創る」の執筆状況報告です。締め切りに追われつつも、遅れずに出稿することができています。
記事になったのは、第146回(3月16日号)までですが、あと2回分がゲラになっています。執筆の方は、「第4章2社会と政府(3)社会をよくする手法」を書き終え、右筆に預けました。

私は、「第4章3政府の役割の再定義(1)社会の変化と行政の役割」を書き始めています。これまでの記述を踏まえて、いよいよ結論部分です。(全体の構成
で、過去に集めた資料やその時々に書き散らした原稿の素を入れてある半封筒を引っ張り出して、並び替えを始めました。結構な分量です。すると、第4章2のために集めてあった資料なども出てきて・・・。「そういえば、こんな封筒もつくったよなあ」と思い出しますが、後の祭りですわ。古くなったもの、重複したようなものも多く、かなり捨てることができました。

2019年4月から4年近く連載してきました。かなり広い範囲と視野で書いてきたので、それを締めることは結構な力が必要です。骨子も主張もはっきりしているのですが、どこに何を書いたかを覚えていないのです。過去の記事を再度眺めながら、なんとか形を整えましょう。