12月8日の朝日新聞オピニオン欄「政治って遠い存在?」、横山智哉・学習院大学教授の発言から。
・・・「政治の話はタブー」という通説がありますが、政治の話は案外避けられていないことがわかっています。私の研究では、家族や友人などの身近な人と政治の話を交わすことへの抵抗感は、「ほとんど感じない」と「あまり感じない」の間に平均値がありました。スポーツや芸能など他の話題とほとんど差はありません。
また国際調査によれば、友人と政治の話を交わす割合が、日本は約40年間の平均値が約57%で、諸外国の平均値は約66%です。
ある話題をタブーと感じる理由は、意見の相違から対人的な感情摩擦や対立が起きるのを懸念するからです。それは政治の話題に限らず、好きな野球チームが違う場合の会話などでも同じです。一方で、親しい間柄だからこそ政治の話を安心して交わすことができるといった側面もあります。
どのような会話の内容を「政治」の話題と捉えているのか。回答してもらった内容を集約すると、主に政党や外交、税金などの6項目でした。たとえば「消費税やガソリン税などの日常生活に関わる税金の話」「物価の動向」という内容です。人々の政治の話には多様な話題が含まれるのです。人々は、政治をどこか遠い世界の話だと、疎遠に思う一方で、身近な話題を通じて、自分と政治のつながりを認識してもいます・・・