10月2日と3日の日経新聞経済教室が「政治主導と官僚制の行方」を2回にわたって取り上げていました。
2日は嶋田博子・京都大学教授の「「誠実型」実現に国民関与を」です。政治家と官僚の関わり方を、「指示からの自律性」と「政策形成への関与度」の2軸で考察しています。
1960年代までの日本の官僚を高い自律と政策形成への高い関与であるとし、「国士型」と位置づけます。70年代からは、族議員の支援の下で活発な政策形成を行う、自律性はやや下がる「調整型」です。
2014年の幹部一元管理によって、政策関与度は高いままに自律性をなくす「家臣型」を目指したと評価します。一方で90年代以降、与えられた課業だけを行おうとする「吏員型」が出現しました。指示待ち官僚です。
3日は内山融・東京大学教授と藤田由紀子・学習院大学教授による「英、官僚の中立性を守る工夫」でした。
政治家が個別官僚の人事異動に関与すると、官僚の中立性が損なわれるとともに、官僚たちが萎縮する、あるいはごますりになる恐れがあります。それを防ぐために、イギリスがたどり着いた仕組みを紹介しています。
現在の官僚たちの不安と不満を踏まえると、この論点は重要なものです。詳しくは原文をお読みください。