年別アーカイブ:2022年

桜宮高、不祥事からの再生

2022年1月19日   岡本全勝

1月15日の朝日新聞スポーツ欄に「9年前の激震地で進む改革 大阪・桜宮高校長「変わった姿をみて」」が載っていました。
・・・9年前のあの痛ましい出来事の舞台が、部活動改革の最前線を歩んでいる。
大阪市立桜宮高。
男子バスケットボール部主将が、顧問から受けた暴力などを理由に自死したことが明らかになったのが、2013年1月。スポーツ界で暴力撲滅への本格的な努力が始まるターニングポイントとなる激震だった。
以来、二度と同じことが起きない学校づくりを進めてきた。
生徒の約4割が人間スポーツ科学科。15の運動部活動は今も盛んで、全国大会や近畿大会に出る部も珍しくない。
「勝つことは目指します。でも、それ以上に、生徒が自分たちで考えられる力をつけることを、各部の顧問が意識しています」と森口愛太郎校長。勝利至上主義ではなく、生徒主体のプロセスを重視することで、暴力との決別を図ってきた・・・

・・・そんな中、桜宮高では昨年11月から休日に都島区の中学生を対象としたスポーツ体験会を始めた。バスケットボール、サッカー、バレーボール、陸上、ボートの五つ。各部の顧問と部員たちが手本を見せ、アドバイスなどをする。11月は93人、12月は52人の中学生が参加した。
これは中学の部活動を地域に委ねる実践研究の一環だ・・・
・・・桜宮高も歓迎する。「授業の一環でもあるコーチングの実践になる」という同校の指導者の声が、今月13日に開かれた市の有識者会議でも報告された。高校生が下の世代の指導に携わり、その難しさと面白さを知る。勝つことだけでない、スポーツを通じた視野が広がる。
森口校長は言う。
「どこかで体罰事案があれば、今もうちの名前が出る。それは仕方ない。だからこそ、ありのままを見ていただきたいのです。これだけ変わってきたということを」・・・

吉川浩民・自治行政局長の論文

2022年1月18日   岡本全勝

月刊『地方自治』2022年1月号に、吉川浩民・自治行政局長の論文「協調と連携の国・地方関係へ~コロナ禍とデジタル化を踏まえて~」が載っています。
内容は、地方分権20年(ポイントの切り替え、国地方係争処理委員会、提案募集方式)、コロナ禍の影響、デジタル化と地方自治です。
私も、久しぶりに地方行政に携わることになって、この論文がとても役に立ちました。分権改革には私も参画したのですが、その後の動きについて断片的には知識を得ていましたが、このように鷹の目で見ることはなかったのです。
自治体関係者に、一読をお勧めします。インターネットで読めれば良いのですが。

このような専門誌や業界誌の1月号には、局長などの年頭の所感が載ります。多くは、昨年の回顧と新年の展望です。それはそれで意味はあるのですが、内容はその局の総務課の課長補佐が業務として書いているようで、つまらないです。それに対し、この吉川局長論文は、
・局長が体験してきたこの20年を基に地方分権20年の成果と課題
・喫緊の課題では新型コロナ対策で見えた地方行政の課題
・自治体の大きな課題であるデジタル化への取り組み
が書かれています。
官僚が書く文章にはしばしば「文中意見にわたるものは私見であり、組織の見解でないことを断っておきます」という文言があります。それに対し吉川論文は、局長が考えるこれまでの評価と現在の課題、未来への取り組み方向が示されています。これが、局長の役割です。かつて藤井直樹・国土交通省自動車局長の論文を紹介したことがあります。

社会エレベーター

2022年1月18日   岡本全勝

1月5日の日経新聞1面「動くか社会エレベーター」に、興味深い数値が載っています。
「社会エレベーター」という指標で、各国の所得格差の大きさや教育・雇用を通じ階層が変わる確率です。最貧層に生まれた場合、1世代を30年として平均所得に届くまで何世代かかるかを示します。経済協力開発機構(OECD)が2018年に分析したもので、格差を克服する難易度を探るうえで目安になります。

記事に着いている図表では、各国の数値は次の通り。
中国、インド、7世代。フランス、ドイツ、6世代。アメリカ、イギリス、5世代。日本、4世代。ノルウェー、スウェーデン、3世代。デンマーク、2世代。OECD平均、4.5世代です。
日本は比較的に社会上昇が容易だと思われています。この指標でも早いほうですが、それでも4世代かかるのですね。

市町村アカデミーの業務継続

2022年1月17日   岡本全勝

市町村アカデミーでは、今日から3つの科目が始まりました。職員研修の企画と実践市町村税徴収実務監査事務の3つです。9日間と11日間の研修で、合計100人を超える研修生を受け入れます。

心配なのが、新型コロナウイルス感染症です。研修申込者の中にも、直前に取りやめる人も出ています。今のところ職員にも研修生にも感染者は出ていません。できる限りの対策を取っていますが、安心はできません。
急速に拡大しているコロナウィルス、今回のオミクロン株はこれまでのものと比べて重症になるのは少ないようなので、社会活動は制限しつつ続けられるでしょう。

そこで新しく出てきた課題が、業務の継続です。
職員は感染していないのですが、子どもさんの学校や保育園で集団発生があり念のために職員が自宅待機をする場合、家族に感染者が出て濃厚接触者になった場合などが想定されます。
在宅勤務できる業務もあるのですが、研修現場での対応は出勤が必要です。科目担当は、主担当と副担当を決めてあります。そのような職員が出ても人数が少なければ、周りの職員が代わりを務めることができます。自宅勤務者が多くなると、別途対応が必要です。
この問題は、自治体現場でも同様でしょう。

命・暮らしの支え手

2022年1月17日   岡本全勝

1月15日の朝日新聞1面に「濃厚接触待機、10日間に 命・暮らしの支え手、最短6日も 新型コロナ」という記事が載っていました。
・・・新型コロナウイルス感染者の濃厚接触者の待機期間について、厚生労働省は14日、オミクロン株の感染拡大地域では、現在の14日間から10日間に短縮すると発表した。介護や育児サービス、生活必需品の小売りなど、命や暮らしを支える「エッセンシャルワーカー」は、検査で陰性を確認し、最短で6日に短縮できるようにする・・・

「エッセンシャルワーカー」を「命や暮らしの支え手」と、言い換えています。良いことですね。
「エッセンシャルワーカー」と言われても、何を指すのか、どのような職業が含まれるか、はっきりと言える人は多くはないでしょう。私もそうです。命や暮らしの支え手と言われれば、たいがいの人は想像ができるでしょう。
このように、カタカナ語は、なるべく日本語に言い換えてほしいです。これも、マスコミの役割だと思います。

と書いたら、16日の朝日新聞「水道管に規格外塗料 東京や横浜で一部工事中断」に、次のような表現がありました。
・・・一部の水道管に認証規格をクリアしていない塗料が使われており、東京都や大阪市などが更新などの工事を中断していることがわかった・・・
「クリア」なんて言葉を使わず、「認証規格を満たしていない塗料が」で良いと思います。