昇進すると見えてくるもの

10月27日日経新聞夕刊「私のリーダー論」、村木厚子・元厚生労働事務次官の「リーダーに求められる「聞く力・伝える力」」から。

「私も自分はポストに追いついていないと感じていました。係長になったときは今ならいい係員になれる、課長補佐に昇進したときは今だったらいい係長になれるのにと思いました。ポストによって、見えてくるものが違うからです。昇進は階段を上るのに似ています。下にいたら背伸びしたり、ジャンプしたりしないと見えないものが自然と見えてくるようになるのです」

「少し力が足りないと思っても、そのポストに就いたからこそ力がつくことがある。私は他人と競うのは得意でないのですが、自分の成長という物差しであれば、それを励みに頑張れると思いました。そうして手応えをつかみ、ようやく自信がついてきたのは40代になってからでした」

睡眠不足が生産性を下げる

10月24日の日経新聞に「眠れない日本、生産性低く」が載っていました。
・・・日本の睡眠不足が国力をむしばんでいる。社員の睡眠時間の多寡で、企業の利益率に2ポイントの差が生じるという研究結果が出た。睡眠時間が米欧中など主要国平均より1時間近く短いことや、睡眠の「質」の低さがパワハラやミスの温床との指摘もある。睡眠不足を個人の問題と捉えず、欧米のように社会全体の課題として解決する必要がある・・・

欧米各国との比較が図になってついています。それらの国の睡眠時間が7時間から7時間半に対し、日本だけが6時間22分です。そして一人あたり生産性は、それらの国の10万ドルから14万ドルに対して、日本は8万ドルです。日本の生産性の低さは、このホームページでも、しばしば取り上げています。
生産性は、睡眠時間だけが要因ではないでしょうが。日本は、夜更かしをしていて(場合によっては長時間残業をしていて)、生産性が低いのです。

私は、日本の職場に原因があると考えています。一つは、だらだとした仕事ぶりです。成果で測らず、長く職場にいることを善しとする風潮です。「定時に退社すると批判された。変えてやる
もう一つは、仕事への愛着度です。日本の従業員は「働き蜂」とよばれながら、実際は会社への愛着や仕事への意欲が低いのです。「働きがい、仕事への意欲
その根本にあるのは、一括採用、年功序列、終身雇用という日本型雇用慣行と、各人の任務を明確にしない大部屋主義、前例主義です。

市町村アカデミー「市町村議会議員特別セミナー」

昨日今日と、市町村アカデミーでは、「市町村議会議員特別セミナー」を実施しました。全国から、100人近くの方が参加してくださいました。
講師陣は次の通り。なかなか豪華でしょ。参加者にも、満足いただけたようです。
講師の方には、お礼を込めてご挨拶するようにしています。短時間ですが、最新のまた異なった立場からの話を聞くことができるのは、学長の役得です。

吉田 利宏・元衆議院法制局参事の「自治体議会のズレ、その分析と補正」
中島 浩一郎・銘建工業株式会社代表取締役の「あるものを使い切る あるものから新しい価値を作り出す」
藻谷 浩介・日本総合研究所調査部主席研究員の「コロナ後の日本のまちづくり」
飯田 泰之・明治大学政治経済学部教授の「地域再生の失敗学 ~地域経済の現状と課題~」

未婚の増加、その対策は

10月24日の日経新聞オピニオンランは「未婚社会を生きる」でした。詳しくは原文をお読みいただくとして。

藤波匠・日本総合研究所上席主任研究員は、若者の結婚と出産への意欲の低下の原因は所得や雇用環境の悪化にあるとして、「若者の雇用改善急げ」と主張しています。
井上高志・ライル社長は、住居費を減らすことで多様な生活の選択を後押しするべきと主張しています。

林伴子・内閣府経済社会総合研究所次長は、女性が仕事と家庭を両立させにくい労働市場の硬直性、所得が高くないと結婚できないという思い込みなどに原因があるとして、「結婚のハードル下げよ」と主張しています。
林さんは内閣府男女共同参画局長も務めましたが、経済政策が専門(旧経済企画庁採用)で、長くそれに従事してきました。霞が関には、まだ若者政策、結婚や子育て政策の専門家が育っていないのです。

福島県町村会研修で講演

今日は、福島県町村会研修で話してきました。場所は都内でした。対象は、町村の総務課長さんです。
仕事は増えるけど職員数は増やせない。若い人との考え方の違い、過去の経験と違った職場環境をつくらなければならないなど、役場での仕事の難しさが集約される職務です。
そのあたりを念頭に置いて、お話ししてきました。