連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第134回「政府の社会への介入─その新たな動き・手法」が、発行されました。
政府の手法について、近年の特徴的な手法を紹介しています。前回までに紹介したように、経済分野でも新しい手法が編み出されています。他方で、社会の各分野への介入は、その全体像が整理されていないこととともに、手法もまだ整理されていません。
私が経験した仕事での新しい手法に、再チャレンジ政策でのニートやフリーター支援、東日本大震災での孤立防止があります。他方で、少子化や地方の衰退は政府が力を入れている割には効果が上がっていません。難しいのは、人を動かすこと、人の意識を変えることです。
最近の事例では、保育園の送迎バスに用事が取り残される事件です。国は安全管理を求める通知を出しました。しかし、事故は起きています。このような場合に、通知の効果は少ないのです。役所は通知を出すことで「仕事をした」ことになりますが、現場での効果がない限り「仕事をした、成果が出た」ことにはならないのです。