長谷川公一著『環境社会学入門-持続可能な未来をつくる』(2021年、ちくま新書)を紹介します。「環境社会学入門」と銘打たれていますが、長谷川公一・東北大学名誉教授の「私の履歴書」でもあります。
先生が、山形県で生まれ育ち、東大に学び、東北大学で社会学を教えます。そして新幹線公害など環境問題を専攻し、環境社会学という分野を切り開かれました。
どのようにして社会学に出会ったか、そして環境社会学をつくり、みんなを巻き込んでいったかが書かれています。新しい分野を切り開いた先人の苦労は、勉強になります。
日本では、社会学もかつては欧米の学問を輸入するだけで、大学教授が勤まりました。そしてそのような理論社会学は、日本の現実問題を扱わないのです。環境社会学は、日本に起きている現実の問題を取り上げ、取り組みます。
実は長谷川先生とは、東大で学んでいる頃(半世紀前です)共通の知人を介して、知り合いだったのです。私はすっかり忘れていました。すみません。
「実用の学と説明の学」という分かりやすい切り口を、先生に教えてもらいました。
10月1日には、お招きをいただき、尚絅学院大学の公共社会学フォーラム「震災復興と公共社会学」に出演します。