国立公文書館で、「江戸城の事件簿」という展示が行われています。面白いです。お勧めです。
赤穂浪士の原因となった松の廊下の刃傷は有名ですが、江戸城ではそれ以外にも、何度も大名たちが刀を振り回しています。切りつけた大名と切りつけられた大名はその後どのように処分されたか、居合わせた武士たちはどうしたか。
城内でいじめに遭った武士が、同僚に刃物を向けます。さて、その処分はいかに。
江戸城に迷い込んだ猫と犬がいたそうです。どうして入ることができたのでしょうね。では、それをどのように処理するか。これが大ごとです。そんな記録が残っているのです。
岡崎守恭著『大名左遷』(2022年8月、文春新書)を本屋で見つけたので、読みました。江戸時代に入って、各地の大名は、幕府から何かと名目をつけられて、改易(お取りつぶし)、転封(国替え)を命じられます。1代で5回も国替えを命じられた殿様もいます。私の故郷明日香村のお殿様は、高取藩植村公でした。司馬遼太郎さんの「おお大砲」にでてきます。その話と植村家も取り上げられています。
江戸城で刃傷沙汰を起こし、大名から転落した後、老中まで復活した水野家の話は、かつて、福留真紀著『名門水野家の復活―御曹司と婿養子が紡いだ100年』(2018年、新潮新書)を読んで、へえと思いました。