コロナ対策特別会計案

5月27日の日経新聞に「宙に浮く「コロナ特別会計」構想 増税論想起を警戒」が載っていました。
・・・新型コロナウイルス対策で膨らんだ債務処理の議論が進まない。特別会計で管理する構想も浮かんだが、夏の参院選を前に増税論を想起させかねないとして慎重な意見が根強く、先送りされている。米欧は債務を区分したり、復興基金を創設したりしてコロナ後の財政正常化も見据える。物価高などで歳出圧力が強まる中、透明性を高める取り組みが問われている・・・

・・・関係者が指摘するのは11年の東日本大震災の際との差だ。当時、政府は増税を含む「復興の基本方針」を地震発生からわずか4ヶ月半後に公表した。
約30兆円の復興資金は後から特会で区分した。復興対策をまかなうために発行した国債(復興債)の将来の償還財源を確保するため、13年から25年間、所得税を2.1%上乗せし、国民全体で広く薄く負担することなども決めた・・・
・・・それでも議論すら封じてきた日本を尻目に、米欧はコロナ対策の債務処理や財源を明確にし、具体策を練っている。米国は法人税や富裕層課税の強化を検討。フランスとドイツはコロナ関連の債務を区分し、20年以内に償還すると決定済みだ。
欧州連合(EU)も100兆円規模の復興基金の財源として、国境炭素税やプラスチック税の制度設計を進める。英国は23年4月から法人税を19%から25%に引き上げると決めた。スナク財務相は「次の危機に対応できるよう財政基盤を強化する」と訴える・・・

違いの一つは、当時は野党自民党が、政府と与党民主党に財源見通しを立てるように迫ったことです。野党自民党の主張は、至極まっとうだったのです。参考「非常事後の増税準備

コメントライナー寄稿第4回

時事通信社「コメントライナー」への寄稿、第4回「憲法改正は地方自治の規定から」が配信されました。

制定後70年以上にわたって改正されなかった日本国憲法。世界で最も古い憲法になりました。ようやく国会において、憲法改正の議論が進み始めました。
では、どの条文を改正するのか。憲法第9条は第一の争点ですが、国民の間に大きな隔たりがあり簡単には進まないでしょう。私は、地方公共団体の機構の柔軟化が、意味がありかつ最も早く改正できると考えています。

憲法 第 93 条は、地方公共団体の二元代表制(大統領制)を定めています。私の提案は、二元代表制にするか議院内閣制などどのような機構にするかは、各地方公共団体が選べるようにするということです。
憲法が地方公共団体に二元代表制を義務 付 けたことは不思議です 。中央政府は議院内閣制です。地方自治の先輩であるヨーロッパやアメリカでは、様々な形態が採用されています。議長が市長を兼ねるもの、複数の委員が委員会を作り立法と行政を担うもの、議会が「市管理人」を任命して専門職の人が執行を担うものなどです。

なぜ、二元代表制以外の仕組みを認めるのか。一つは、簡素化です。もう一つは、議会に緊張を持ち込むためです。議院内閣制などにすると多数を占めた勢力は執行を担い、自分たちの主張を実行することになります。議論は緊張感のあるものになると考えられます。
小規模自治体では、二元代表制以外が効果的だと思います。従来通りが良いと考える地方公共団体には影響がありません。よって、改正は容易です。広く議論されることを期待します。

ウケるマンガの男女の違い

5月の日経新聞「私の履歴書」は漫画家の里中満智子さん、18日は「青年誌に挑戦」でした。
・・・少年誌と少女誌には、大きく違うところがあった。
少女誌は、読者の年代別にたくさんの種類があるのに対し、男性は、小学生も30代も、同じ雑誌を楽しむ。
私がよく仕事をした講談社の漫画誌を例にすると「なかよし」は小学生向けだから友情や親子関係、「少女フレンド」では中学生向けに初恋、高校生以上が読む「mimi」では恋の葛藤、など雑誌ごとに漫画を描き分けていた(「少女フレンド」「mimi」は1990年代に休刊)。しかし「少年マガジン」は、ほとんど全世代の男性が手にとっていた時期があった。

少年誌の編集者に、男性の世代別の好みの違いを尋ねたことがある。すると「違いはありません。男子にウケるシーンは全世代で同じです」との答え。「どんなシーン?」「闘って勝つ場面です」
笑ってしまった。常々、男女は平等であるべきだと願っている私だが、この2つの精神構造には、無視できない違いもあるのかもしれない。簡単にいえば、男はいつまでもロマンチスト。女はリアリストで、目の前の現実に関心がある・・・

夏椿が咲きました

今日6月6日に、関東地方は梅雨入りしたそうです。
夕方、家に帰ると、玄関横の夏椿が3輪、花を咲かせていました。白い清楚な花です。雨に打たれて、花は下を向いていました。
水やりを欠かしていないので、この3代目の木は元気です。
夏椿の根元にいたあのカエル、その後何度かその場所で見たのですが、最近は見ません。

去年の開花は、5月30日でした。なお、毎年元気よく茂る椿の剪定は、5月22日にすませました。

自動化されていない感染者集計作業

5月21日の読売新聞「コロナ警告 進まぬデジタル」は「感染者「一元集計」遠く…国も自治体も「ハーシス遅い」」でした。

・・・午前0時。厚生労働省が委託した大手コンサルティング会社のシステムが、人知れず活動を始める。全国の都道府県のホームページを〈自動巡回〉し、新型コロナウイルスの新規感染者や重症者、死者の数を拾い集めるという活動だ。
その後、今度は同社のスタッフが「人の目」で各ホームページを確認。データを照合した上で、朝までに厚労省に「納品」する。
「朝、私たちが出勤すると、それらのデータが手元に届いているわけです」と、厚労省コロナ本部の担当者は言った。そうして同省は毎日、国として集計した「全国の新規感染者数」などを発表している・・・
・・・しかし、もともとコロナ感染者の情報は、国自身が導入した専用システム「HER―SYS(ハーシス)」で一元的に集計・管理されるはずではなかったか?
「それが、ハーシスにはなかなか入力されなくて。待っていると遅くなるので、先に集めているのです」と、担当者は説明した・・・

・・・ハーシスの活用が進まないのは、入力項目の多さなどから医師らが敬遠して入力が行われず、保健所や自治体の職員が代行して入力に追われているからだ。代行入力には時間がかかる。一方で、「きょうの新規感染者」への人々の関心は依然として高い。
「そこで私たちは、ハーシスとは『別集計』をしているのです」と、滋賀県感染症対策課の古川卓哉さん(38)は話す。同県では代行入力とは別に、感染集計に特化した職員らのチームも編成。発生届を見ながら表計算ソフト(エクセル)で別集計し、毎日夕、その日の新規感染者をホームページで公表している。
「二度手間、と言われればそうなのですが、ハーシスではすぐ対応できない以上、大変でもやるしかない」と古川さん。このような〈二刀流〉の集計は、川崎市や北九州市、高知県などでも行われている。
国が毎晩、ホームページをのぞいて集めているのは、こうした自治体の苦労によって積み上げられたデータということになる・・・