令和3年大晦日

早いもので、今日は12月31日。令和3年も終わりです。
皆さんにとって、今年はどのような年だったでしょうか。うれしいこと悲しいこと、楽しいことつらいこと、さまざまなことがあったでしょう。毎日忙しい生活をしていますが、今年は何をしたか、年末はそれを振り返る良い機会です。それが、思い出をつくり、思い出を確定するのでしょう。

社会全体では今年も、新型コロナウイルス感染症拡大に制約された日常でした。昨年以上に感染が拡大し、行動制限も強くなりました。出勤や会食が制限され、人と会う機会が少なくなりました。一方で、ワクチン接種が進み、マスクをして三密を避ければほぼ予防できることが分かりました。感染者数が劇的に減少し、10月からは制約をつけつつ平常の生活に戻りつつあります。
このまま終息とはいかないでしょうが、感染が拡大せず、かつ症状も低くなることを期待したいです。そう簡単には克服できないようですから、長期戦を覚悟しましょう。

経済や雇用は、新型コロナの影響の大きい業種には、厳しい年でした。それを除いても、日本経済は元気がありません。かつてイギリス病と言われた、繁栄した国家が急速に経済力を落とす罠に、日本も入っているようです。
経済の停滞は、格差や社会の不安を高めています。対処療法では、これらの問題は克服できません。国民と社会の挑戦心を再度かき立てる必要があります。経済の復調も、社会の不安を取り除く対策も、ここに基本があります。
もはや一流国でなくなった現実を直視して、変えていく必要があるのです。連載「公共を創る」を書き続け、また報道などを元にこのホームページを書き続けていて、その思いを強くしています。
「来年がよい年でありますように」とは、年末の挨拶の定番です。しかし、待っているだけでは、良い年は来ません。努力をしたうえで、良い年となることを期待しましょう。

今年も、蕎麦打ち名人のおいしいお蕎麦をいただき、年を越します。ありがとうございます。

令和3年の回顧3、生活

今年の回顧の3は、生活です。

今年も、新型コロナに振り回された1年でしたね。
私と家族は罹患しなかったのですが、知人にはかかって苦しい目に遭った人もいました。知らない人と出会う場所でも、マスクをして適度な距離を取っていたら、おおむね防げるようです。
コロナで行動規制があった期間は、夜の異業種交流会がなく、また散歩をして健康維持をしました。おかげで、体重を減らすことに成功しました。年初に比べ4キログラム減り、その後2キロ戻りましたが、結果として2キロ減です。
総理秘書官時代と同じ体重になりました。結婚以来の低い体重で、最高値(富山での単身赴任時代)に比べると、8キロの減量です。健康診断結果も良いです。

生活の変化は、職場が変わったことです。1時間半の通勤も慣れました。毎日出勤できることは、ありがたいことです。昭和の仕事人間は、ネクタイを締めて出かけないと、シャキッとせず、気分が乗りません。
原稿執筆に追われる日々は変わらず。読みたい本を買い込むのですが、なかなか読むことができません。読書の時間を確保できないのと、集中力が落ちました。

新型コロナで、今年もキョーコさんとの海外旅行は行けず、国内旅行もほとんど行けませんでした。11月に、息子の案内で南紀観光ができたことが救いです。
娘夫婦が、近所に引っ越してきました。キョーコさんは、これまで以上に孫の世話にかり出されています。私も、時にお世話係を命じられます。ありがたいことです。
遂に、フルートの練習を再開しました。これは、ぼちぼちと練習して腕を上げるしかないですね。

玄関横の椿は、なかなか良く剪定ができたようで、元気です。既にいくつか花を咲かせ、つぼみもたくさん付いています。もう一方の夏椿(三代目)は、枯れることなく育っています。鉢植えの木は、今年は桜を1本枯らしてしまいました。その他は、キョーコさんが手入れしてくれていて、元気です。孫と育てたアサガオはそこそこ咲き、植えたチューリップは春には花を咲かせてくれるでしょう。

超金融緩和策の副作用

12月23日の日経新聞経済教室、加藤出・東短リサーチ社長チーフエコノミストの「「何でもする」の姿勢見直せ 中銀の使命と気候変動」に、超金融緩和策の副作用が指摘されています。以下に、私の整理で引用します。
1 金融緩和策とは結局のところ、金利を押し下げて企業や個人に借金をつくらせ、それにより将来の投資や消費を手前に持ってくることで景気を刺激する政策だ。低インフレの原因がグローバル化、IT(情報技術)化、高齢化、人口減少など構造的要因にあるならば、その有効性は限られる。それを続けていると、前倒しできる将来の需要は細り、刺激効果は低減してしまう。
2 容易に入手できる低利の資金が生産性の低い投資やゾンビ企業の延命に使われる。
3 世界多くの銀行、保険会社、年金基金が深刻な資金運用難に陥るなど。
4 政府が債務を大幅に増やす要因になる。

私は、3の犠牲者がたくさん出ていることを心配しています。基本財産の運用益で事業を行っている、文化財団などです。
かつては、銀行に預けることで金利が生まれ、それを用いて、美術館の運用や奨学資金を出していました。この超低金利では、利子は生まれず、事業を続けるために基本財産を取り崩しています。そして、行き着く先は解散するしかありません。株式の運用などの手法もありますが、そのような基金には、それができる人も経験もありません。
その点では、この超低金利が続くことは、とても罪なことです。後世の人たちは、この超低金利政策を、このようにも評価するでしょう。
そして、この数年間の経験は、金利政策だけでは経済成長を押し上げることはできないことが実証されたのではないでしょうか。

令和3年の回顧2、執筆や講演

今年の回顧、その2は執筆や講演についてです(かつては副業と言っていました)。今年も繁盛しました。

まず、執筆です。連載「公共を創る」は、103回まで続きました。細かく手を入れてくれる右筆たちのおかげです。休むことなく続けたことは誇らしいのですが、締めきりに追われる毎日で落ち着く日がありません。精神衛生に良くありませんねえ。

マスコミの取材もたくさんありました。
3月は東日本大震災から10年ということで、いくつもマスメディアの取材を受けました。私としてもこれまで、その時々に考えたことを発信したのですが、改めてこの10年を振り返る良い機会でした。震災復興の公職を離れたこともあり、ひとまず区切りです。
官僚のあり方についての発言も、求められました。5月の日本記者クラブ「政と官」、8月の読売新聞「総理秘書官の役割」が代表でしょうか。

講演は、新型コロナで延期や中止もあったのですが、けっこうな数をこなしました。オンライン方式や録画方式もありました。
力が入ったのは、内閣人事局の幹部候補研修(係長級、課長補佐級)です。1月から配信するとのことなので、視聴した若手官僚たちがどのような反応を示すか、楽しみです。

このホームページも、毎日欠かさず記事を載せました。年間で、合計700本を超えています。週末などの時間のあるときに書いておき、ホームページ作成サイトに予約投稿しておきます。すると、決められた日時に公開してくれます。
カウンターは年初に350万人でしたから、延べ19万人の方が見てくださいました。ありがとうございます。
今年も充実した1年でした。

子ども食堂の活動

12月26日のNHKニュースが「子ども食堂 全国で20%余増 幅広い世代の交流の場に」を伝えていました。
・・・子どもたちに食事や居場所を提供する「子ども食堂」は、全国でおよそ6000か所と、去年の調査と比べて20%余り増えたことがNPOの調査で分かりました。
NPOでは、子どもだけでなく幅広い世代の交流の場として広がっているとしています・・・

湯浅誠さんがやっておられるNPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」の調査報告(12月25日)です。概要は次の通り。
全国の子ども食堂の数は、2018年は2286か所、2019年は3718か所、2020年は4960か所、2021年は6007か所と、毎年千か所増えています。

子ども食堂が発足した当初は、親が働いているために1人で食事をする子どもや食事が十分に取れない子どもなどが利用するケースが多かったということです。その後、子どもだけでなく高齢者や学生など幅広い世代の交流の場として広がっていて、コロナ禍だからこそ、子ども食堂を始めたケースも多いということです。
NPOでは「子ども食堂」について「子ども食堂・地域食堂・みんな食堂などの名称にかかわらず、子どもが1人でも来られる無料または定額の食堂」と定義しています。
子ども食堂の主な目的について複数回答で聞いたところ
「子どもの食事提供」が89.1%
「子どもの居場所づくり」が83.6%
「ひとり親家庭の支援」が60.8%となったほか
「多世代交流」が57.8%
「地域づくり・まちづくり」が56.3%などとなっています。

子ども食堂を支援する動きは企業の間でも広がっています。今回、調査を行ったNPOでは、子ども食堂への支援を呼びかけていて、去年1年間に企業から寄付された現金と食料は金額にして合わせておよそ3億9000万円に上りました。おととしは、4000万円で10倍近くに増え、全国の子ども食堂に届けられたということです。