生徒指導の手引き

9月22日の読売新聞解説欄は「スマホ・自殺対応 生徒指導の要 「手引書」改定へ」でした。
・・・小中学校、高校の教員らが生徒指導を行う際の手引書となる「生徒指導提要」が約10年ぶりに改定される。文部科学省の有識者会議で現在、議論を進めている。いじめや自殺の増加、スマートフォンの普及など、子供を取り巻く環境は大きく変化しており、「今」に対応した改定が求められる・・・

・・・指導提要の基となるものは、1965年に作成された「生徒指導の手びき」だ。81年に改定され、2010年に「生徒指導提要」という名称でまとめられた。今回が3回目の大きな改定作業で、22年度中に学校現場で使われる見通しだ。
小学校から高校までを対象に生徒指導の理論や考え方を示し、喫煙・飲酒、いじめ、自殺、不登校、家出といった個別の事案への指導方法を約240ページにわたって紹介している。生徒指導の解説本で、教育委員会や各学校の指導を拘束するものではない。
現在、学校では発達障害や家庭の経済的状況など、多様な背景を抱える児童生徒への指導が増えている。急速に進むデジタル化やそれに伴うSNS上のトラブル、LGBT(性的少数者)への対応などにも追われている。
現行版もネットトラブルなどには触れてはいるが、より時代に見合った内容とすることが課題だ・・・

・・・学校現場を取り巻く環境はこの10年余りで激変している。
例えば、いじめの認知件数は、10年度の7万7630件から19年度の61万2496件と約8倍に増加した。大津市の中学2年の男子生徒(当時13歳)が11年10月に自殺した問題を受け、「いじめ防止対策推進法」が13年に施行され、いじめを積極的に認知するようになったという理由もある。
現在の指導提要にも、いじめについては、「小さなサインを見逃すことのないよう早期発見に努めることが大切。内面の感情に思いをはせ、違和感を敏感に感じ取る必要がある」と書かれ、早期に組織的な対応をとることの重要性が明記されている。
今回の改定では、問題発生後の対応だけでなく、発生を未然に防ぐ「積極的な生徒指導」という考え方も盛り込まれる見通しだ。授業などを通じて自ら課題を解決し、成長を促す教育を行うことも検討されている。
いじめや自殺の問題であれば、児童生徒に対して周囲の大人に相談する方法を教える「SOSの出し方教育」も積極的な生徒指導にあたる・・・

学校では、知徳体が教えられることになっていますが、このような社会で生きていく力を教えることも重要です。連載「公共を創る」では、それを指摘しています。生きていく力を教えることは、どのように位置づけられているのでしょうか。