ネクタイとスーツは伝統衣装になるか

ネクタイをしている人が少なくなりました。クールビズが定着するまでは、会社員は、真夏でも、紺のスーツにネクタイをしていました。最近はお堅い銀行員や公務員も、ネクタイをしなくなりました。
紺のスーツと白のシャツは残っていますが。これは、ほかの色のものを持っていないからでしょう。いずれ、変わると思います。

この傾向が進むと、スーツにネクタイ姿は、どうなるか。
参考になる事例が、女性の和服です。私の子どもの頃は、晴れ着であり普段着でした。その後、晴れ着として残りました。七五三のお祝い、結婚式と披露宴、公式の会合にです。男性にとってスーツにネクタイも、女性の和服と同じように、ハレの場の服装になるのかもしれません。

すると問題は、スーツにネクタイに代わる、男性のおしゃれ着です。
ネクタイは機能としては意味がなく、むしろ邪魔なのですが。代わり映えのしない紺のスーツと白のシャツでは、ネクタイが唯一のおしゃれです。そして、体に合ったスーツとアイロンをかけたシャツは、しゃきっと見せてくれます。これがなくなったら、単にだらしない男性が、できあがります。

軍隊をはじめ制服は、ほかの人たちと識別する機能とともに、それを着ると気持ちが引き締まります。勤め人にとってスーツは仕事服であり、それを着ることで頭が仕事をする状態に入るのです。在宅勤務で普段着のまま、布団から出てきた姿でも仕事をすることはできますが、気分は乗りませんよね。