覚えやすさ スマホより紙

3月20日の読売新聞に「覚えやすさ スマホより紙」が載っていました。

・・・東京大などの研究チームは19日、紙の手帳にスケジュールを書き留めると、スマートフォンなどの電子機器を使う時よりも短時間で記憶でき、記憶を思い出す時には脳の活動が高まることがわかったとの研究結果を、海外の専門誌に発表した。紙の教科書やノートを使った学習の効果が示された成果としている。
研究チームは、18~29歳の男女48人に、ある文章の中から14のイベントの日程を抜き出して、記録する課題に取り組んでもらった。記録の方法は〈1〉紙の手帳にペンで書き込む〈2〉タブレット型端末に専用ペンで書き込む〈3〉スマホに入力する――の3パターンで、各16人ずつで実験した。
その結果、紙の手帳を使ったグループは、電子機器を使ったグループよりも、全ての日程を書き終える時間が25%短かった。
1時間後にイベントの日付や内容などを思い出してもらうテストをすると、正答率は3グループとも差がなく、紙の手帳を使ったグループが短時間で記憶を定着させたと推測できた。
テスト中の脳の状態を観察すると、紙の手帳を使ったグループは、言語や視覚、記憶に関わる領域の血流がより多くなり、活発に働いている様子がうかがえた・・・

町の復興、高台移転とかさ上げの違い

過大な町づくり批判」を考えていて、気がつきました。高台移転と、かさ上げ(区画整理)では、同じ町の復興でも、内容は違うのです。

高台移転では空き地が比較的少なく、かさ上げ(区画整理)で空き地が生まれした。その理由の一つでもあります。
高台移転は多くの場合、住宅だけです。それに対し、区画整理は町の中心地で行われ、住宅以外の商業用地なども含まれています。高台移転では、予定者数が減った場合、それは住宅の戸数減であり、その分だけ宅地や住宅の工事を止めれば良いのです。ところが、町の中心部を復興する場合は、そうはいきません。

ビデオ講演の難しさ

先日の「世界銀行セミナー」は、10分間の講演でした。放映は3月18日でしたが、2月に事前収録しました。英語字幕作成などの作業も必要だったので。

いや~、10分は難しいです。
昨日載せた「短い演説の準備」は、同感です。10分より30分の方が準備は楽で、30分より60分の方が楽です。ただし、60分を超えると話している方も疲れるし、聞いている方はもっと疲れるでしょう。大学での講義は、時間が足らなくなったら、次回に回せます。
その点で十分準備が必要なのは、結婚式の祝辞です。3分間に何を盛り込むか。冒頭の「つかみ」と、最後の「締め」が決まれば、できたも同然です。初心者は、ここを間違うようです。投手と同じで、最初に決めるのは、その打者に最後に投げる「決め球」で、そこから初球、その後に追い込む球を組み立てるのです。

テレビ映りも、難しいですね。話す内容を書いた資料を手元に置き、投影中の資料をパソコンで見ると、そちらに目線が行って、下を向いてしまいます。顔が、カメラの方を向かないのです。あと何分あるかと、手元の時計を見る時もです。
「テレビニュースのアナウンサーは上手だなあ」と思いましたが、いくつか違いがあるようです。アナウンサーは、カメラ近くのプロンプターに原稿が写し出されていて、それを見ています。総理が記者会見で、透明なプロンプターを使うのと同じです。下を向かなくても良いように、機器が設定されているのです。

次に、アナウンサーは、書かれた原稿を読むのであって、聴衆と対話をしているのではありません。
先日「オンラインゼミの舞台裏」を載せました。そこに、「カメラに向かって話すのと、人に向かって話すのとでは、「話すこと」の意味が違うようです。対話や会話は、相手の表情(反応)を見て話すのであって、カメラ相手では、それができません。人間のしゃべりとして不自然なのです。」と書きました。
その後も、ビデオによる講演や、対面とビデオを組み合わせた講演をいくつかこなしました。いよいよその考えを確信しました。聴衆の反応を確かめながら話す対話と、一方的に話す放送とは、別物です。

ところで、ビデオを見た人から「わかりやすかった」との意見のほかに、「標準語でしたが、数か所関西弁でしたね」との指摘も。え~、私が東京弁でしゃべっていたのですか。不覚でした。もっと意識して関西弁で話すべきでした。笑い。

外国人に通じない和製英語

このホームページ定番の、カタカナ語批判です。3月20日の日経新聞別刷り「プラス1」(これもカタカナ語です)に「外国人に通じない和製英語」が載っていました。
・・・日本で生まれた和製英語は外国人に通じない。クイズで約1000人の読者に尋ね、正しい英語だと勘違いした人が多い順にランキングした・・・
順に並べます。
リフォーム、リストアップ、ライブハウス、フライング、マンツーマン、キーホルダー、アフターサービス、ワインクーラー、フライドポテト、コンパニオン。

あなたは、どれくらい知っていましたか。
このような言葉は、主にマスコミを通じて覚えるのでしょう。間違った英語を教えるマスコミの罪は大きいです。変なカタカナ語で新製品を売る企業も同罪です。新製品には、モノやサービスだけでなく、概念もあります。ソーシャルディスタンス、クラスター、SDGSとか。
カタカナ語乱造者

短い演説の準備

3月18日の読売新聞1面コラム「編集手帳」に、次のような話が載っていました。

・・・雄弁家として名を残す第1次大戦時の米大統領、ウッドロー・ウィルソンにジョークめいた逸話がある。
ある人が10分の演説にどれだけの準備が必要かと尋ねた。大統領は「2週間だね」と答えた。次に1時間の演説ならどうか聞くと、「1週間だな」と答えた。では2時間の演説は? この質問に大統領は笑いながら答えた。「2時間も話していいなら、今すぐ始めてもいいよ」・・・