東京の蚊はせっかち

孫と公園に遊びに行くと、蚊に刺されます。行く前に、虫除けスプレーをかけるのですが。
家や仕事場では、蚊に刺されることもなくなりました。刺されるのは、玄関横でプランターに水やりをするときと、孫と公園に行くときくらいです。
ある日曜日は、孫がブランコに乗っているのを見ていると、15分ほどの間に6匹に刺されました。全匹をたたきつぶしましたが、かゆかったです。

そこで、思ったのですが。
・東京の蚊はせっかちだ。
子供の頃、明日香村では、よく蚊に刺されました。田舎の蚊はおっとりしていて、腕に止まってから、しばらくして刺しました。それを観察することもありました。ところが、東京の蚊は腕に止まるなり、直ちに刺すのです。さすが、都会の蚊だと思いました。すると、大阪の蚊もせっかちかな。
・かゆみが酷い。
とてもかゆい。直ちにかゆくなります。だから、刺されていることに気づきます。そして、とてもかゆくて、ふくれてきます。まあ、数時間でかゆみは引くのですが。

種類も違うのでしょうか。また、この半世紀の間に、進化したのでしょうか。
科学的に検証されていない、個人の感想です。

内閣官房参与退任

内閣の交代に伴い、9月16日に内閣官房参与を退任し、18日に福島復興再生総局事務局長を退任しました。2016年6月に復興事務次官を退任して、そのまま就任したので、約4年間余りにわたって務めました。

この職は、福島第一原子力発電所事故からの復興を進めるため、現地の政府機関である復興庁福島復興局、環境省福島地方環境事務所、原子力災害現地対策本部を統括します。安倍総理の指示によって、2013年2月につくられました。政府関係機関の連絡と調整を行うとともに、現地での課題を拾い上げること、地元からの意見を聞き対応することが任務です。これまで、復興事務次官経験者が勤めています。事務局長は、私で3代目です。

4年間と言われると「長かったなあ」と感じますが、私にとってはあっという間のことでした。取り組むべき課題が、難しいのです。
放射線量は予想より早く減衰していますが、低減するには時間がかかります。長期的に取り組まなければならない大きな課題と、日々生じる新たな問題。お金と技術があればできるインフラ整備と違い、お金では解決できない課題。そして、人類が初めて経験する、原発事故被災地への住民の帰還を進めることです。
長期にわたって避難を余儀なくされている避難者、ふるさとに戻ることのできない被災者のことを考えると、一日でも早く復旧復興を進めたいのですが。

国の機関の間での問題は、大きくありません。みんな、目標に向かって、課題を調整し解決してくれます。
この仕事を進めるに重要なのは、地元の方々、特に首長達との信頼関係です。国は加害者であり、私はその代理的立場です。首長は、被害者代表です。
時に厳しい関係になります。しかし、復興を進めるという方向において一致しているので、課題をどのように解いていくか。そこが、私の任務です。そして、国(内閣、与党、各省)との調整も出てきます。
関係者の理解を得て、かなり前進したと考えています。もちろん、避難指示が解除されていない地域があり、解除された地域でも、まだにぎわいは戻っていません。道半ばです。

私は、2011年の東日本大震災発災直後から、被災者支援と復興に携わりました。このホームページの「災害復興」欄も、すごい数になりました。ページ数で316、1ページに4つくらい記事がありますから、1000件は超えているでしょう。

当初は地震津波被害が所管だったのですが。だんだん原発事故からの復興も担当するようになり、この職に就いてからは、原発事故からの復興が主たる任務になりました。
発災当初を知っていることから、被災者とはその時の大変さを一部共有していると思います。それが、仕事をする上での、基礎になりました。
関係者の方の期待に、ある程度応えられたと思います。それも、関係者の方々のおかげです。改めて、お礼を申し上げます。
まだ仕掛かりの課題があり、しばらくの間、復興庁顧問として取り組みます。

この間の仕事について、いろいろ考えることがありますが、それは追々書きましょう。

連載「公共を創る」第56回

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第56回「日本は大転換期―成熟社会で浮き彫りになった労働の問題」が、発行されました。
成熟社会日本の問題、今回は労働について議論します。

日本にのみ特殊と言われている「メンバーシップ型雇用慣行」。これが、発展途上時代には効果を発揮しました。
ところが、何度か紹介したように、日本の労働者の勤労意欲は先進諸国でも低いのです。私は、その理由が、メンバーシップ型雇用慣行にあると考えています。
その他に、労働者の甘え、生産性の低さなども、その原因はここにあります。
これは、40年間サラリーマンをして、30年間管理職をした経験による結論です。

どうすれば、この問題を解決できるか。その答えは、管理職と従業員を区別すること、そして、管理職に管理職の仕事をさせることです。

参考「ジョブ型雇用、日本への導入」「テレワークで見えた日本型職場の弱点」「階統制組織と平等的組織

職場でコロナ感染が出たらどうするか

9月11日の日経新聞に「社員がコロナ感染 心得は 専門家の話・企業の実例からみる」が載っていました。
「感染拡大の勢いは鈍ってきたが、新型コロナウイルスの収束はいまだ見通せない。今春と比べ出勤者が増えたことで、企業のリスクはむしろ高まっている。社員のコロナ感染を想定し、周到な準備が欠かせない。専門家への取材をもとに、具体的な心得やノウハウをまとめた」

参考になります。
世界中の職場で初めて経験する、感染症の拡大。ほとんどの人は経験もなく、事前の教育も受けていないでしょう。しかし、感染拡大から、半年以上が経ちます。さまざまなことがわかってきました。職場の管理職は、対応策について「知りませんでした」では、すまなくなりました。参照「明るい公務員講座 管理職のオキテ」P170。
一部を抜粋します。全文をお読み下さい。

・・・(1)行動追跡へ席固定
企業が対応を迫られるのは、感染による業務への影響が大きいからだ。
労働契約法は企業に対し「従業員全体に安全な就業環境を提供する義務を定めている」(アンダーソン・毛利・友常法律事務所の松村卓治弁護士)。感染者を出社させると他の社員の健康を損ないかねない。「職場内の感染をいかに防ぐか」が対応の焦点になる。
最優先は保健所との迅速な連携だ。社員が陽性判定を受けると、診断した医療機関は最寄りの保健所に届け出る・・・
・・・保健所と連携する第1の目的が、感染者と濃厚接触した社員の特定だ・・・保健所と連携する第2の目的が消毒だ・・・

(2)陰性証明は求めず
職場での感染連鎖を防ぐには、社員に自宅待機を命じる必要も出てくる。賃金の扱いや復帰までの期間は、感染者か濃厚接触者かで異なる・・・
安心のためとはいえ、自宅待機の解除にあたって陰性証明書や治癒証明書を求めるのは禁物だ。
PCR検査の実施能力には限りがあり、その精度自体にも課題があると指摘されている。専門家らは「陰性証明は実効性に乏しい」と口をそろえる。厚生労働省も「医療機関に発行を依頼する行為は控えてほしい」と訴えている。

(3)公表は同意の上で
企業によって判断が分かれているのが、社内に感染者が出た事実をどう開示するかだ・・・