連載「公共を創る」執筆状況

連載執筆状況の報告です。続きの第3章1(2)その2をほぼ書き上げ、右筆たちに見てもらっています。
今回は、平成時代の変化、成熟国家日本の課題のうち、経済成長を成し遂げて満足した問題とともに、発展途上型の仕組みが合わなくなった例として雇用と学校教育を取り上げました。高く評価された日本型雇用と学校教育が、機能不全を起こしています。

今回もいろんな人に助言をもらい、参考文献を確認しながら書きました。
ところが、原稿の準備資料(半封筒に入れた切り抜きなど)を整理していると、書こうと思っていた項目で書き忘れているものが出てきます。
右筆たちに朱を入れてもらいつつ、これらも加筆しましょう。

アサガオが咲きました

ようやく、わが家のアサガオが咲きました。昨日28日に1輪。私は福島だったので、キョーコさんが写真付き電子メールで報告してくれました。
今朝は、3輪。いずれも明るい赤紫です。小さなつぼみがたくさんついているので、これからは毎朝楽しめそうです。
行灯つくりにしたのですが、上の方でツルと葉が伸びて、密林状態になっています。

孫が育てているアサガオに負けること、約半月です。もっとも、去年は8月5日でしたから、今年の方が早いのですね。
東京も、雨の日が続いています。水やりをしなくてよいのですが・・・。今日も低温でした。各地で豪雨が発生しています。困ったことです。

「明るい公務員講座」の活用

何人かの人から、「明るい公務員講座に世話になっています」と報告をもらいました。民間企業の方からもです。新しく管理職になった人に、活用してもらっているようです。

・以前読んだときは「なるほど」と思うだけでしたが、管理職になって読み返すと、「そうそう、これだ」と思い当たるところがいくつもあります。
・数ヶ月に一度、読み直しています。そのたびに、違う発見があります。自分が悩んでいる事案にぴったりの文章に出会うときです。
・職員として事務を処理していた頃が懐かしいです。部下の仕事ぶりを見て、自分で処理した方が絶対早いのですが。ぐっとこらえて、見守っています。
・部下の仕事ぶりに、思わず怒りたくなります。「怒ってはいけない」と自分に言い聞かせています。
・自分が課長になってみて、かつての上司が何に苦労していたかがわかりました。事務処理だけなら楽なのですが、出来の悪い部下の指導ばかりです。

森ビル社長、生涯最高のプロジェクト

日経新聞私の履歴書、今月は、現代美術作家の杉本博司さんです。杉本さんの本論とは外れるのですが、7月22日の掲載文から。

・・・私の作品を収集してくれているコレクターの方々が直島に集まる機会があった。森ビルの森稔社長と夫人で森美術館理事長の佳子さん、原美術館の原俊夫さんと、後に夫人となる内田洋子さん、大林組の大林剛郎会長、そして福武さんだ・・・
・・・その場を借りて皆さんに護王神社の構想を披露した。これは私の生涯最高のプロジェクトであると。すると内田さんがすかさず森社長に尋ねた。森さんの生涯最高のプロジェクトは何だったでしょうか。
森社長はしばらく考えた後、こうおっしゃった。「そうだなあ、佳子と結婚できたことかな」。皆ヒューヒューと囃し、佳子さんはそのほほをほんのりと染めた・・・

前衛の思想、後衛の思想、その2

前衛の思想、後衛の思想」の続きです。道路を造ってもバスが廃止されると、利用者からすると困る、ということを指摘しました。
他方で、企業は、新しい自動車の技術の開発にしのぎを削っています。世の中を便利にするには、よいことです。企業は利益を求め、新しいことに挑戦します。社会全体がどうなるかは、個別の企業の責任ではありません。それを全体で見て、調整するのが政治の役割です。例えば車に関して言えば、環境保護のため排ガス規制を厳しくしたり、安全のためにシートベルト着用を義務づけたり。企業にとって費用がかかっても、必要なのです。

社会をよくするために、便利にするために新しいことに挑戦する、新しく造る。それは前衛の思想です。他方で、取り残される人を支える、社会の問題に取り組むことは、後衛の思想です。市場経済は前者は得意ですが、後者は不得意です。政治と行政は、後者を担わなければなりません。

行政に関して言えば、明治以来西欧に追いつくために、インフラや公共サービスを整備することに重点を置いてきました。遅れた社会を、行政が先頭に立って発展させるのです。これも前衛の思想でした。他方で、その変化についていけない人を支援することも、行政の役割です。それは、後衛の思想です。
私は、「坂の上の雲」と対比して「坂の下の影」と表現しています。2018年5月23日の毎日新聞「論点 国家公務員の不祥事」私の発言「現場の声 政策に生かせ

連載「公共を創る」でも教育を例に、理想と最先端を教える授業に対し、それについて行けない人(落ちこぼれた人)が出る場合の教育が必要だと主張しています。
駒村康平編著『社会のしんがり』(2020年、新泉社)は、地域での困難や問題を抱えた人を支える人たちを取り上げたものです。