「日本思想史」2

日本思想史」の続きです。
私が知りたいのは、国民・大衆の思想です。ところが、学問の思想史で取り上げられるものは、一部知識人階級のものであって、その他多くの民衆の考えではありません。

僧の説く仏の教えを、どこまで庶民は理解したでしょうか。文字の読めない多くの庶民は、絵解きの地獄や極楽を見て理解しました。そして、そのような世界観で、毎日を暮らしたのでしょう。
そのほかに、儒教の教え、神様の信仰、習俗となったお祈りや祭りなど。庶民の道徳、倫理です。そして、個人の意識と社会の共通意識があります。

そこには、
・ものの見方(価値観を含む。大人になったら働き結婚するものだ)
・道徳(規範。嘘をついてはいけない。他人には親切にする)
・生きる意味・死後の世界(世界観。私の存在理由)
の3つがあるでしょう。
あわせて、意識(認識)のほかに、感情(気持ち)があります。国民感情、庶民感情と言われるものです。

連載「公共を創る」では、社会の変化を見る際に、数値で表すことができるものとともに、社会の意識を取り上げています。国民は何を求めたか、何に向かって努力したか、何に満足したか、何を不安に思っているかです。知識人の思想だけでは、これらは見えてこないのです。
何か良い書物がありませんかね。教えてください。