連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第31回「社会的共通資本 文化資本がつくる社会の違い」が、発行されました。
私たちが暮らしていく際に必要な、「社会の装置や環境」を考えています。施設資本や制度資本は、既に学問でよく取り上げられています。それに対し、関係資本や文化資本は、ソーシャル・キャピタルとして近年取り上げられるようになりました。その意義や機能についての議論は、まだ少ないようです。
国によって、経済状況や治安状態が違います。なぜ豊かな国と貧しい国が生まれるのか。安全な地域と危険な地域が生まれるのか。そこでは、政治制度や経済制度の違いだけでなく、関係資本と文化資本が重要な役割を果たしています。
それらに関する学問として、文化人類学や社会人類学があります。中根千枝先生の『タテ社会の人間関係』は読まれた方も多いでしょう。これら先達の成果も参考にしつつ、日本社会を考えます。
執筆に当たって、かつて読んだ本を思い出し、引っ張り出しています。その時々に書いて残してあった文章やメモが頼りです。内容はうろ覚えなので、確認する必要があります。書棚で見つからない本は、仕方なく、アマゾンで中古を買っています。