12月31日の読売新聞社説は「復興庁延長 被災地支える体制確保したい」です。
・・・東日本大震災からの復興は進んだとはいえ、まだ途上である。被災地を支えていく体制の確保が欠かせない。
震災後10年の期間限定で創設された復興庁を、2021年3月以降もさらに10年間存続させる方針が閣議決定された。福島県の支援を主な目的としている。原発事故の被災地の再生に、国が前面に立つのは理解できる。
12年に設置された復興庁は、首相の直轄組織で、各省庁からの出向者ら約500人で構成される。復興政策の立案や関連予算の一括要求を行ってきた。
様々な相談を1か所で受け付ける「ワンストップサービス」は、自治体から評価が高い。被災地の要望をくみ取る機能を果たしてきたと言えよう。
復興庁には、省庁の縦割りの弊害を排し、被災地復興の司令塔としての役割を、引き続きしっかり担ってもらいたい。・・・
・・・近年、全国で地震のほか、台風や豪雨の災害が続いている。復興庁の経験を、様々な被災地の再生に生かすことが求められる。
現在、災害に対する国の政策は、復興庁のほか、内閣府が担当している。内閣府の90人余りの担当者は、南海トラフ地震や首都直下地震などの被害想定や、防災計画の策定を手がけている。
与党内には、東日本大震災に特化した復興庁の延長ではなく、自然災害全般に対応する「防災・復興庁」の創設案もあった・・・
・・・延長5年目の25年度には、政府内で復興庁の組織の在り方が改めて検討される見通しだ。東北3県を中心とする被災地の復興状況を踏まえながら、支援の規模に見合った組織となるよう、適切に見直すことが大切である・・・