原発事故被災地での営農再開

原発事故被災地では、避難指示が順次解除されています。大きな課題は、産業の再開です。働く場がないと、人は戻ってこないのです。
主たる産業であった原発は、廃炉が決まっています。地元の多くの商店は、原発を中心とした産業に支えられていました。すると、事業者に戻ってもらうことと、新しい産業を興すことが必要になります。

商工業については、経産省を中心とした、福島相双復興推進機構(福島相双復興官民合同チーム)が頑張っています。そして成果を上げています。しかし、全部の事業者が戻るわけではありません。新しい産業を呼び込むために、福島イノベーション・コースト構想を進めています。

もう一つは、農業です。農地も除染しています。戻って営農を再開している方もおられるのですが、多くの方は戻っておられません。田畑は、放置すると荒れてしまいます。市町村では、農地を集約して(まとめて借り上げて)、法人に営農をしてもらうことも進めています。
双葉町でも、農業再開に向けて、法人に協力してもらって計画を作ることにしました。6月8日河北新報「営農再開ビジョン策定へ 全町避難の福島・双葉町「舞台ファーム」と連携 販路探り具体化目指す

記事にもあるように、舞台ファームは、南相馬市小高区、浪江町でも、営農再開に協力してくださっています。楢葉町では、サツマイモについて企業が協力してくれています。ありがとうございます。

発掘された日本列島2019

恒例の「発掘された日本列島2019展」に行ってきました。家形埴輪など、今年も、すばらしい発見がたくさん並んでいます。
今日も、文化庁の専門家の解説がある時間に行って、解説を聞きました。毎年、その前に行って、一通り見てから解説を聞くのですが。一人で見ていては気づかなかったことを、たくさん教えてもらえます。

このあと、1年かけて全国を回ります。近くに来たら見に行ってください。

セレンディピティ

モートン・マイヤーズ著『セレンディピティと近代医学ー独創、偶然、発見の100年』(2010年、中央公論新社。中公文庫に再録)を読み終えました。
セレンディピティとは、幸運な、意外な発見という意味です。特に、何かを探しているときに、探しているものとは別のものを見つけ出すことです。
この本は、近代医学が、いかに偶然による発見によって進歩したかを、実例を挙げて説明した本です。

青カビからペニシリンを見つけたことは、有名ですね。ペニシリン発見の偶然も、詳しく読むと、かなり幸運な偶然です。ところがこの本を読むと、出てくるわ出てくるわ、次々と同じような例があるのです。
科学者が、それまでの知見の上に推理を重ね、実験を続けますが、うまく行きません。その分野の大家でない新人が、偶然、びっくりするような発見をします。しかし、なかなか学界では認めてもらえないのです。もちろん、素人が偶然に遭遇しても、発見にはつながらないのですが。
読んでいくうちに、あまりにそのような例が多いので、食傷気味になるほどです。近代医学の発展は、直線的でなく、偶然の積み重ねだとわかります。

連載「公共を創る」第6回

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第6回「想定外が起きた─政府の役割を考える(4)これまでにない対策」が、発行されました。

具体的にどのような支援をしたかを説明します。今回は、被災者支援と被災地支援の数々を紹介します。特に、これまでにない対策です。それが、政府の役割が変わりつつあるという、私の主張の具体例になります。

政治学の最前線

久しぶりに紹介します。砂原庸介・神戸大学教授による、政治学研究書の紹介です。
次々と若手研究者が、様々な分野、様々な角度から研究を続けています。とてもそれらを追いかけることは困難なので、この紹介は助かります。
ところで、これらの研究成果が、どのように政治学の教科書に反映されているのか、反映されるのか。そちらも、興味があります。

紹介されている本の中には、私もいただいたものがあるのですが。まだ読んでいないので、私のホームページでは、紹介できていません。すみません。