5月31日の朝日新聞オピニオン欄「官製クールビス15年」から。
倉田真由美さん(漫画家)
・・・クールビズは政府が上着なしでいい、ノーネクタイでいいと、かつての常識を破ることを保証しているわけで、強制ではありません。服装は自己表現でもあり、その人がどんな価値観を持っているのかが詰まっていると思います・・・
MBさん(ファッションアドバイザー)
・・・僕は、洋服は他人のために着るものだと思っています。TPO、時と所、場合にふさわしい格好をすること、相手や周りの人たちに対する敬意や気遣いの表明だと考えています。会う相手がしわのないシャツにジャケット姿で来られたら、気を使ってくれているんだなと感じるじゃないですか。
それが、ジャケットやネクタイなしでもいいんですが、ぶかぶかの柄入り半袖シャツやだぼだぼのチノパンだったら、どうでしょう。クールビズ自体が悪いとは思っていませんが、「涼しければいい」ではないだろうと・・・
中野香織さん(服飾史家)
・・・スーツという武器を手放した男性は、おしゃれな人と、ただだらしなくなった人に、残酷に二分されてしまったと思います。一方で、威厳がなくてはいけないという「男らしさ」から解放され、自分なりの美意識を磨く方向に歩き出した男性もいました・・・
過去の記事「クールビズ10年」