連載「公共を創る」第2回

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第2回「はじめに2 公共とは何か」が、発行されました。
今回の連載で考える「公共」について、少し説明しました。
公の対になるのは、私です。公私区分には2種類あります。1つは、官と民の区分です。もう1つは、社会・世間を公として、家庭を私とする区分です。
近代市民社会では、国家は私の分野には介入しないとされました。市場に介入しないレッセ・フェールであり、家庭には立ち入ってはならないのです。しかし、この区分が崩れました。

また、ここでは、公共を3つの次元から考えます。
1つめは主体です。公共を創るのは行政だけでなく、企業も、民間非営利団体もあります。
2つめは、機能や関係です。世間で暮らしていくには、公共サービスだけでなく、民間サービスも重要です。そして、他者とのつながりも必要です。
3つめは、場です。暮らしやすい社会は、各種の制度や人と人の関係の「束」からなる場です。上皇陛下が、在位30年記念式典で「この国の持つ民度」という言葉を使われました。

いずれにしても、私の関心は、公共を行政だけで考えるのは狭いということです。これまでの、公共政策論は、狭いのです。