年別アーカイブ:2018年

近況報告

2018年8月23日   岡本全勝

肝冷斎が、このホームページの休載について、間違ったことを書いているので、訂正します。

キョーコさんのお供をして、休暇を取っているのです。
キョーコさんの指示ですから、私には拒否権はありません。「たまには、ゆっくりしてもよいなあ」(私の辞書にはない言葉です。しかし、後輩たちには休むことを強要しています)と思いました。一番の理由は、インターネットの接続環境がよくないところにいるので、しばらく休む宣言をしました。
きがかりなのは、自宅の朝顔です。これは、娘夫婦が水をやってくれていて、私が世話をしているときより、たくさんの花を咲かせていると、報告がありました。

いま、インターネットがつながり、加筆できたので、書いておきます。もっとも、このようなことをしていては、ゆったりした休暇にならないのですが(苦笑)。

休載予告

2018年8月21日   岡本全勝

しばらく、夏休みを頂きます。

岡本正著『災害復興法学Ⅱ』

2018年8月21日   岡本全勝

岡本正さんが、『災害復興法学Ⅱ』(2018年、慶應大学出版会)を出版されました。『災害復興法学』(2014年)に続く第2弾です。
前作に引き続き、東日本大震災、熊本地震、広島土砂災害の合計5万件を超える案件を元に、法的課題とそれをどのように克服したか、さらに今後の課題を分析しておられます。
詳しくは、プロローグと、目次を見てください。

岡本さんは、慶應大学でも、この講座を持っておられます。大変な人数の学生が受講している人気講座です。
時に、教員控室でお会いします。7月にご本をもらっていたのですが、紹介が遅れました。

仏像を見る、仏像に見られる2

2018年8月20日   岡本全勝

仏像を見る、仏像に見られる」の続きです。多川俊映・興福寺貫首著『仏像 みる・みられる』から。

・・・この阿修羅像には知名度では及びませんが、白鳳の薬師仏の頭部、いわゆる仏頭もすばらしいお像で、この仏頭こそ、本書の問題を解くカギだと思います。つまり、身体が失われているだけに、その仏眼、仏の視線がより強く私たちにせまってきます。まさに仏頭とは仏眼であり、仏像とはとどのつまり、仏眼にすべてが集約されるのだと思います。先ほど述べたように、トルソー仏像の法要から興福寺に戻って、仏頭の前に立った瞬間、――仏像って仏眼なんだ。と、それはある種の啓示といってよいものでしたが、同時に実は、「仏眼所照」というコトバも鮮やかに思い出されました。これは、仏眼が照見する対象のことです。つまり、「仏の視野の中にいる自分」あるいは「仏に見守られている自分」というものを私自身見出した瞬間だったのです。

このように、仏像とそれをみる私たちとの関係は端的に、「みる・みられる」という関係であり、「みている」のですが、同時に「みられてもいる」という関係なのです。「みる」一方では、この双方向がもつある種の緊張感はなく、双方向の関係だからこそ、人生にかかわる意義もそこに見出すことができるのだと思います。たとえば、私たちの日常でも、自分が関心をもってみているその人が、自分をみてもくれない――、そういう相手からのはたらきかけがなければ、その人間関係が進展しないのと同じです・・・p190~

・・・以上、仏像を見ることは仏像(仏眼)にみられることでもあり、なお、その「みられてもいる」という感覚がいつしか「見守られている」という身体感覚に転換していけば、それはある種究極の、仏像のみかたといってもよいかと思います。と同時に、仏像という対象に集中することによって、わが散心を常心へと方向づけ、少なくともひと時、心穏やかな時空に身を置くことができるであろうことをみてきました。しかし、仏像のみかたには、実はもう一つ奥があります。それは端的に、私たちを見守っておられる仏眼、つまり、仏や菩薩のもののみかた・人を見る目に学ぶということです・・・196~

なるほど。仏像を見ると言いつつ、私たちは、仏さんの目を見ていたのです。
あの山田寺仏頭が、なぜ私を引きつけるのか。それは、そのまなざしに引きつけられていたのです。火災に遭って、頭部だけ、しかもあばたになっておられても、私を引きつけるのは、あのまなざしだったのです。
仏さんが何を見ているか、私は仏さんの目を通して何を見ているか、仏さんはあの目を通して私の何を見ておられるか。仏頭を見ることによって、私は私の心を見ていたのです。
それを導く仏頭の目。その目を彫った仏師は天才ですね。

会話のない生活

2018年8月20日   岡本全勝

国立社会保障・人口問題研究所が、「生活と支え合いに関する調査結果」を公表しました。ニュースでも取り上げられていたので、ご覧になった方もおられるでしょう。

「結果の概要」Ⅳ「人と人とのつながり・支え合いの状況」p20~が、衝撃的です。毎日会話している人が、60歳未満では95%程度です。5%の人は、毎日は会話してないのです。そのうち1%の人は、2週間に1回以下です。そして、60歳以上になると毎日会話している人は9割に減り、80歳以上になると8割に減ります。大きな要因は、一人暮らしでしょう。図表Ⅳ-1
もっとも、単身高齢者でも、毎日会話している人が男性では5割、女性では6割います。他方で、夫婦2人暮らしでも、毎日会話していない世帯が1割くらいあります。2週間に1回以下という夫婦も2%くらいいます。図表Ⅳ-4。

頼れる人がいるかという問もあります。図表Ⅳ-5。
この調査結果が示しているのは、孤独な人たちが多い現実です。