このホームページに、時々出てくる「肝冷斎」。このたび、野球観戦年間160試合を達成しました。去年が159試合、今年が最多試合数更新です。
野球の季節は3月からですから(彼は2月下旬から参加していますが)、7か月ほどで160試合を見るには、大変な努力と計画とお金と時間が必要です。
まあ、しょうもないことやと言えば、それまでですが。趣味とはいえ、ここまで来ると修行に近いですね。
年別アーカイブ:2018年
吉見俊哉著『トランプのアメリカに住む』2
吉見俊哉著『トランプのアメリカに住む』の続きです。もう一つの主題は、ハーバード大学と東大との比較です。詳しくは読んでいただくとして。同じ大学の授業といっても、これほど内容に差があるのかと、驚きます。
慶應大学の授業では、「古くなりましたが。皆さん方の先輩の留学記です」と言って、阿川 尚之著『アメリカン・ロイヤーの誕生―ジョージタウン・ロー・スクール留学記 』(1986年、中公新書)を読むことを勧めています。
日本の文化系の大学の授業は、「甘い」ですわね。それを許しているのは、そしてそれを支えているのは、学生の意識と大学の都合、そしてなにより日本社会の意識です。
・学生に学問を求めない会社。学生の頭は白地で良い、会社に入ってから教えるから。根性があればよい、それで会社では通じるから。
・楽をして卒業できるのなら、それが良いと考える学生。
既に指摘されているように、採用する会社は、学生がどれだけ学問を修めてきたかでなく、大学の偏差値で学生を評価します。大学での学問より、大学入試で判定しているのです。
日本において文化系の大学は、レジャーランドであり、学生にとってはモラトリアムの時期です。で、就職面接の際には、「学生時代力を入れたこと(ガクチカ)」が聞かれます。本来なら、「大学ではどの分野を研究し、どのような内容を修めましたか」を質問するべきでしょう。
もったいないですね、高い授業料を払いって。人生で一番元気な時期に、生産性の低いことをしているのは。もちろん、様々なことに挑戦するのは、良いことですが。勉強しないなら、大学に行かずに他の場所で、やりたいことをできないのでしょうか。そのような場所を提供することを考えたら、社会に貢献する良い商売になるのですが。
私は、慶應大学法学部という優秀な学生を相手にしているので、他の大学の教授よりは、講義は高度なものができています。ただし、「岡本の地方自治論」を履修したと言えるように、学生の「品質保証」は必要です。よって、試験は厳しいです。
一度も授業に出席せず試験だけを受けるという、「あんた講義を何と考えているの」と聞きたい学生もたくさんいます(評価基準に合致しておれば及第点を与えていますが)。もったいないですよね、岡本講師の講義を聴かないなんて。
予習しなくても出席すれば、ある程度のことはわかるような授業をしていますが、これも甘いですね。
しかし、日本の大学での授業の世間相場がこうなっている以上、ハーバード大学流の講義をするのは、難しいです。
吉見先生が提案しておられるように、日本の大学の「軽い科目をたくさん履修する」から、ハーバード大学のように「重い科目を少数履修させる」に変えることは、現実的な改革論だと思います。
この項続く。
元気なアサガオその後
今日の東京は、10月7日というのに、午前中に30度を越えました。天気が良いのはうれしいのですが、この暑さは困ったものです。
この夏に、さらに伸びた玄関横の椿の枝。腰を上げて、剪定しました。のびのびと育ててあげたいのですが、空間が少なく。道路やお隣さんにまで枝を広げます。やむなく、「ごめん」と言いながら、ばっさり切りました。
「元気なアサガオ」(9月17日)のその後です。10月になっても、元気よく花を咲かせています。さすがに、数は少なくなりましたが。種がまだ青いので、熟するまで、このままにしておきましょう。
茨城県の友人から、「うちのアサガオはまだまだ元気」と、鈴なりの花の写真が送られてきました。
ところで、あの青虫2匹。ある日突然姿を消しました。鳥に食われたのか、蟻に食べられたのか。アゲハになった姿を見たかったです。
吉見俊哉著『トランプのアメリカに住む』
吉見俊哉著『トランプのアメリカに住む』(2018年、岩波新書)が勉強になりました。吉見・東大教授が、1年間、ハーバード大学に滞在し講義をした際に、考えたことをまとめたものです。
大きく2つのことが、書かれています。一つは、ボストンで見た、アメリカ社会です。表題にあるように、トランプ大統領を生んだ社会背景、そしてトランプ現象はどのように社会を変えているかです。もう一つは、ハーバード大学と東大との違い、アメリカの一流大学と日本の一流大学との違いです。それぞれに、深い学識に裏打ちされた、鋭い分析です。
かつて、日本にとって、あこがれでありお手本であったアメリカ。豊かさ、自由、平等、民主主義、それを支える市民と社会。しかし、それがいまや、うまく行かなくなっています。
経済産業構造の変化により、一部の大金持ちと多くの貧困層とに分化します。産業空洞化は、工場労働者を失業に追いやります。そして、一生懸命働けば豊かになる、戸建ての家が買えるというアメリカンドリームが、消えてしまいました。建国以来、頑張れば両親より豊かになれたのが、そうならなくなったのです。大量の移民の流入と合わせて、希望の持てない階層が増えたのです。
貧困と格差は、民主主義や安定した社会を内部から、基礎から崩してしまったのです。治安の悪化、薬物依存・・・。自由と民主主義のお手本であったアメリカを支えていたのは、その精神とともに、豊かさだったのです。そして、いままで隠されてきた問題や亀裂が、表に出て来たのです。
アメリカンドリームは、アメリカの問題に変わってしまいました。
産業構造の変化は、日本にも押し寄せています。昭和の終わりごろから、農業が衰退し、加工組み立て工場はアジアに移転しました。移民はまだ少ないですが、コンビニや居酒屋などでは、外国人労働者が増えています。バブル崩壊後は、一生懸命働いても、豊かになれないことが現実になりました。
アメリカの姿が、日本の未来予想図になるのか。そうしないためには、どうすれば良いのか。
産業構造の変化とともに、一人暮らしと高齢者が増える家族の変化、孤立や孤独といった社会でのつながりの希薄化、子供の貧困に見られる格差など、これまでの日本社会の安定を支えてきた条件が変化しています。
大災害のように一挙に起きる大変化でなく、毎日少しずつ変化する緩慢な変化です。気がついた時には、大変化が起きているのです。
事前に対応する。例えば、高齢者の増加を見通して、介護保険を2000年から実施しました。これがなかったら、高齢者は困難な生活を強いられたでしょう。
先に挙げた社会の基礎条件の変化に対し、社会の安定を守るために、意識と制度をどのように作っていくか。政治家と官僚の構想力が試されています。
大学の違いについては、別途書きましょう。
若い女性が元気
9月30日の日経新聞に「アクティブ女子、インスタで急増? 」という記事が載っていました。
・・・過去3年で最も「活動的」になったのは20~30代の女性――。NTTドコモの携帯電話を用いたビッグデータを使って分析したところ、肌感覚を裏付ける結果が得られた・・・
・・・自宅外で活動する「アクティブ人口」は日本全国で平日に約72万人、休日に約24万人増えた。中でも増加が目立つのが20~30代の女性だ。20代女性のアクティブ人口は3年前に比べ、平日で約12万人強(3.2%)、休日で11万人強(2.7%)増えた。12万人は東京都国分寺市の人口にも匹敵する人数。「有意な変化があったと言える」と専門家は語る。一方、男性の伸びは鈍く、20~30代男性のアクティブ人口の伸び率は1%未満だ・・・
この記事は、その原因をインスタグラムだと推測しているのですが。
私にとっては、近年の日本では、男性が元気なく、女性が元気というのを裏付ける調査として読みました。
残念ながら、ここで取り上げられている数字は、過去3カ年の変化です。絶対数がどれくらいなのかはわかりません。知りたいところですね。
もっとも、「近年の日本の男子」と書きましたが、かなり昔から女性の方が元気です。お茶やお花の会、演奏会に行っても、女性が圧倒的に多いです。女子会と称する食事会も、その名の通りです。男性は、職場帰りに居酒屋で盛り上がっているくらいでしょうか。
「持っている服装の数が、生活の場面を表す」と、『明るい公務員講座』や日経新聞夕刊コラム「仕事人間の反省」で書きました。
女性がたくさん服装を持って、着ていく服を悩むのに対して、男性は極端に言えば、紺のスーツの他は、ゴルフウエアとジャージです。とほほ・・・。