黒田・前自治財政局長の新著『地方交付税を考える』

黒田武一郎・前総務省自治財政局長(現・消防庁長官)が、『地方交付税を考える』(2018年、ぎょうせい)を出版されました。
表題は、地方交付税を考えるとなっていますが、地方交付税を中心に地方財政制度の解説と、財政運営の視点という、2つの内容からなっています。

制度解説はすべてを詳しく書くのではなく、論点を絞って解説してあります。なお、初心者向けには、第3章で初歩的な解説もされています。
財政運営の視点は10項目を挙げ、実務者にとってわかりやすく役に立つ内容です。

なかなか意欲的な内容です。
全体像を書こうとすると、それなりの経験と考察が必要です。専門性と広い視野が必要なのです。
また、運営の視点は、制度に通暁しているだけでは、書くことはできません。自治体財政の現場を知らなければならないのです。これは、経験とふだんからの勉強が必要です。
本書の内容の2点とも、官僚でなければ書けないことです。

読みやすく、わかりやすいです。全国の自治体関係者、研究者を始め関心のある方には、役に立つ内容です。お勧めします。
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展覧会巡り

今日は、美術館巡りに行ってきました。
まずは、山種美術館で「皇室ゆかりの美術」。日本画は良いですねえ。皇室や宮家、さらには戦前の華族は、美術芸術のパトロンでした。「工芸や彫刻は、皇室お買い上げしか売れなかった」という趣旨の発言が紹介されていました。

次に、泉屋博古館東京分館へ。「神々のやどる器」。中国古代の青銅器です。3千年前のものが、目の前にあるのです。その古さとともに、重量感、複雑怪奇かつ繊細な意匠に圧倒されます。泉屋博古館(本館)のコレクションは、すばらしいものがあります。そのうち、名品が出品されています。これは、見応えがあります。
展示には工夫がしてあります。青銅器の文様は複雑怪奇で、素人が見ても、何の意匠かよくわからないのです。
今回は、実物の横にその写真があって、龍などの意匠がわかるように、色づけしてあるのです。これはわかりやすかったです。いくつかは、これまで何度も実物を見たことがあるのですが、初めてわかりました。

さらに、出光美術館の「江戸絵画の文雅」へ。江戸時代の文人の技巧が良くわかります。楽しめました。古代中国の重さの次に見ると、その軽妙さとの段差が大きかったです。

今日の3館は比較的空いていて、ゆっくりと見ることができました。3つも見ると、足とともに頭が疲れます。いつものことですが。日本中を駆け巡っている肝冷斎の行動力に比べれば、たいしたことないです。

もう12月

なんと、もう12月です。
時間が経つのが早くて、困ったものです。いつも同じことを言っています。なぜか、毎日、毎週が早く過ぎるのです。単に感覚的なものですが。
いろいろしなければならないこと、したいことが多すぎるのでしょう。でも、それなら、若い時の方が忙しかったはずです。
毎週金曜日に、来週の予定としなければならないことを確認します。この時は若い時と同じくらいの「時間感覚」です。1週間は1週間の感覚です。ところが、1週間が経つと、とても早かったように感じるのです。現実をわきまえないで、脳がそう感じているのでしょうね。

12月と言えば、年賀状書きの季節です。そろそろ1年前に頂いた年賀状を整理しなければなりません。喪中の葉書も届いています。
ところで、東京は暖かい日が続いています。今日も、12月とは思えない服装で過ごしました。快適ではあるのですが、暖冬だと困る方もおられるのでしょうね。