12月24日の日経新聞教育面「連載「挑む」終了 塾講師3氏が座談会(下)」から。
・・・後藤(学習塾講師、代表) 立派な自習室を用意している中学・高校もある。子供たちが塾の自習室に行くのは、家に帰りたくないからではないか。長期休暇中に3泊4日の勉強合宿を開いている。3日目の夜に「明日、家に帰りたくない人」と聞くと、かなりの子供が手を上げる。親もぴりぴりしているし、塾で得られる人間関係もある。塾は子供たちのコミュニティスペースなのだ・・・
・・・平松(塾講師、代表) 高校受験も同じだ。思春期真っ盛りで親子関係が最悪の場合、最高の癒やしは友達と話すこと。親から「塾から帰って来ない」と電話があって、後日、生徒に理由を聞いたら、友達の家の前で遅くまでおしゃべりしていた。塾で友達と話すうちにやる気が出る場面もある。
後藤 ヨーロッパ留学の経験があるが、向こうに塾はない。その代わり社会に何らかコミュニティスペースがある。日本ではその機能の一部を塾が担っている。それはそれで、いかがなものかとは思うが……・・・
担当者(横山晋一郎・編集委員)が、塾の効用について評価したあと、次のように述べています。
・・・一方で「学校は何をしているのか」という思いも募った。受験勉強に特化できる塾と、「知徳体」にまんべんなく重点を置く学校では、背負っているものが違う。それは分かっていても、塾通いの現状を前に、学校のふがいなさを感じてしまう。これでは、学校は「勉強以外のことをする場所」になりかねない・・・
塾が暗いものではなく、生徒たちに居場所、勉強の場所をつくっていることが分かります。しかし、指摘されているように、学校は何をしているのでしょうか。このような座談会に、文科省、教育委員会、学校の先生が参加して欲しいです。