東京財団の連載「明治150年を展望する」第5回は、「世界史と日本史のサイクル」でした。
1868年が世界史的にどのような時代であったかが、簡潔に述べられています。
当時、先進的な国民国家を実現していたのは、イギリスとフランスだけです。
日本が明治維新で近代国家への道を歩み始めたのが、1868年。ところが、西欧でも、同じような動きが進んでいたのです。ドイツが国家統一を成し遂げたのが、1871年。イタリア王国の成立が1861年、国家統一が1870年。アメリカが南北戦争で国家分裂を回避したのが、1865年でした。
日本史では、「アジアで唯一」という「日本特殊論」に自尊心をくすぐられて(それはそれで良いことなのですが)、世界で同様なことが起きていたことを忘れがちです。
連載でも指摘されているように、これら新興国が、先進大国イギリスとフランスに挑戦します。ドイツ、日本、イタリアは、戦争によってもです。
アメリカは、2度の戦争ではイギリス・フランス側につきますが、経済的に凌駕します。
(西)ドイツ、日本、イタリアは、第2次世界大戦で敗戦国になりますが、今度は経済で躍進し、アメリカを追います。
しかし、アジア各国がベトナム戦争後、特に中国が文化大革命後に、経済発展路線に転換し、追い上げてきます。そして、20世紀末から21世紀初頭にかけて(つい最近、そして今です)、これら先進国を脅かすようになりました。
この連載は、以前に紹介したことがあります。「東京財団、明治150年の分析」。その他の回も、お読みください。