日経新聞夕刊コラム第21回

日経新聞夕刊コラム第21回「仏像」が載りました。前回に引き続き、私生活編です。

生家の隣には、岡本寺というお堂がありました。ご先祖様が、つくったようです。
中は暗くて、大きな本尊(子安観音)が怖かったです。今は、お堂は建て替えられ、明るくなっているので、あの当時の怖さはありません(お寺も、わが家とは関係なくなっています)。

仏様は、美術品として鑑賞するのではなく、信仰の対象なのですが。信仰の対象だからこそ、厳かなお顔になったのでしょう。
ミケランジェロと比較するのは、不謹慎ですかね。あり得ない話ですが、「東西巨匠対決」って、想像すると面白いじゃないですか。
写真集やインターネットで、世界中の絵画や彫刻を見ることができます。便利な世の中です。そして、展覧会には、世界中の美術品が来てくれます。海外旅行もその気になれば、行けます。
しかも、お堂に安置されているより、展覧会の方が間近で、かつ適切な照明の下で見ることができます。もちろん、臨場感と厳かさには欠けますが。見る前に、手を合わせなければなりませんね。

画像は、次のサイトをご覧ください。リンクを張っておきます。「山田寺仏頭」、本当は斜め下から見たお顔が、引き締まっているのですが。見つけられないので。
竜燈鬼と天燈鬼」「竜燈鬼と天燈鬼の模型」。
東大寺戒壇院四天王は、かつては飛鳥園の写真を見ることができたのですが、今は見ることができません。

飛鳥園の写真は、プロが撮ったものなので、きれいです。私が卓上に飾っているのも、飛鳥園で買ってきたものです。
奈良に行かれた時は、飛鳥園に寄って、写真や絵はがきを買ってくることをお勧めします。かさばらないので、お土産にぴったりです。お店は、東大寺の前にあります。

PKO、国際社会のニーズと日本の法律とのギャップ

5月26日の朝日新聞、岩田清文・元陸上幕僚長のインタビュー「PKO派遣、国民全体で議論を
南スーダンPKOに派遣された陸上自衛隊が撤収してから1年です。陸上幕僚長として舞台を送り出した岩田さんの発言です。原文をお読みください。

・・・「国際社会のニーズと日本の憲法・PKOに関連する法律の枠組みとのギャップは限界に来ている」。2013年8月~16年7月に陸上幕僚長を務めた岩田氏は朝日新聞の取材に、こう指摘した。
PKOは1990年代以降、ソマリアをはじめ任務達成のために積極的に武器を使う「平和執行型」、また文民保護を含む「統合型」が世界の流れだ。一方、自衛隊は92年のカンボジア派遣以来、憲法9条とPKO参加5原則の枠組みのもと、極めて抑制された武器の使用基準を徹底した「伝統型」でやってきた。ここに大きなズレが生じているという認識だ。
「日本が伝統型PKOを前提とした5原則の枠内だけで派遣を考えるなら、今後自衛隊を派遣するのは極めて難しい」と話す・・・

・・・「四半世紀が過ぎた日本のPKOの教訓は日報の管理だけではない。国際社会の平和と安定に積極的に関わっていく国を目指すのか、日本は関わらないという立場を貫くのか。部隊派遣が途絶えているこの時期、国民全体で徹底的に議論し、考える機会として欲しい」・・・

メンター制度は、メンティよりもメンターを育てる

5月28日の日経新聞「メンター制で女性応援団」から。メンター制度は、メンティ(助言を受ける職員)とともに、いえメンティよりもメンター(助言する職員)を育てるのです。

・・・女性社員の仕事上の悩みに男性幹部社員がマンツーマンで答えるメンター制度。女性のキャリアアップ支援を目的とした仕組みだが、相談に乗る男性側にも副次的効果があるという。相談に乗るなかで職場での女性の課題に理解が深まり、“女性活躍応援団”へと生まれ変わる。メンター制度を男性の意識改革に戦略的に活用する企業も出てきている・・・

・・・住友林業の峰元博史さん(59)は2016~17年度に2人の女性社員のメンターを務めた。1回3時間ほどの面談をそれぞれ10回。「家庭との両立の難しさや職務がなかなか変わらない閉塞感。女性社員の胸のうちを初めてじっくり聞いた」
この体験が管理職として役立った。現在は子会社のスミリンウッドピース社長だが、当時は大阪法人営業部の副部長。2人の女性部下が偶然ほぼ同時期に妊娠、育児休業を取ることになった。恐る恐る報告に来た女性社員に「おめでとう。よかったね」と即座に声をかけられた。
部内に「法人営業部をワークライフバランス職場の先進事例にする」と宣言し、全面支援を指示したという。「事前に妊娠を打ち明けた男性の先輩には『困るよ』と言われたらしい。メンターをする前だったら私も『仕事に穴が空く』と職場の心配を先に考えたと思う」
男性幹部・管理職らが豊富な経験と知識に基づき、成長を支えるメンター制度。実は制度を運用する会社では、相談する側の女性(メンティ)のキャリア意識向上に役立つだけではなく、相談を受ける側(メンター)の意識改革も促すとささやかれていた。

厚生労働省は2012年にメンター制度について企業調査を実施した。直接的な効果(複数回答)を尋ねた設問で最多は「メンターの人材育成意識が向上」で65.3%に上った。「メンティのモチベーション向上」63.6%、「メンティの職場環境への適応」58.5%、「メンティの知識・スキル獲得」48.3%よりも多かった・・・

祝280万人

カウンターが、今日5月29日夕方に、280万番を達成しました。
270万番が1月17日でした。約130日で10万人ですから、1日約700人の方に見ていただいています。これまでの記録のページ
さして面白くもないページを見ていただいている方々に、感謝します。

このページは、私の備忘録であり、考えを書いているものです。知人のほか、行政に関心ある人、公務員の後輩たちを想定して書いています。大学の講義の補充としても使っています。時に「高円寺のカエル」のような記事もあります。
参考、日経新聞夕刊コラム2月15日「私設ホームページ」。

これからも、関心ある方に読んでいただけるように、書き続けましょう。

私たちの持ち物のほとんどは、月に1回も使わない

5月25日の日経新聞オピニオン欄、村山恵一さんの「シェア経済、小国が抱く大志」から。

・・・20世紀に社会にたまった非効率や固定観念を取り払う突破口にシェアはなり得る。久しぶりに訪ねた国でそう感じた。オランダだ。運河が目を引く首都アムステルダムを中心にシェアの試みが進む。
マイホイールズは25年の歴史を持つカーシェア会社だ。創業者はヘンリー・メンティンク氏、65歳。1980年代末、生産に膨大なエネルギーを使うという米国車の記事を読んだのが転機となった
放置せず、自分にできることから始めようと、車1台を隣人と3人でシェアした。輪は拡大し、いま5万人が3千台を使う。大半がシェアを申し出た個人の愛車だ。
大量生産・消費の象徴である自動車に挑んだシェア界のレジェンドに続けと若い起業家も動く。
ピアバイは工具やパーティー用品などを近所で貸し借りするサービスを担う。最高経営責任者のダーン・ベッドポール氏は火事で家を失い、友人らの助けでしのいだ経験を持つ。「私たちの所有物は月1回以下しか使わないものが80%」と所有という常識を疑う・・・

・・・オランダと「分かち合い」の風土は切り離せない。経済が沈み失業率が高まっていた82年、政労使の「ワッセナー合意」でワークシェアに踏み切り危機を乗り越えた。水害に直面しながら協議・協力して干拓地(ポルダー)をつくってきた国民の伝統が背景にある・・・