「舗」と「舘」の左側の違いって、不思議だと思いませんか。「舘」は、土がひっくり返っています。舎は土で、捨などもそうです。
私は社会人になってから、「舘」という字を名字や地名で見て、「書き間違いではないか」、あるいは「その家やその土地だけの特殊な漢字だ」と早合点していました。学校でも、習いませんでしたよね。
気になっていたので、肝冷齋先生に教えを請いました。おおむね、次のような答えです。
これらの漢字の左側の字形(康煕字典で整理された「部首」ではないので「字形」というしかありません)は、本来「余」の下に「口」がある、という文字なので、「舘」の左側が「正しい」ようです。
ただし、和風の俗字として「土」を使った字形があって、当用漢字を定める際にこちらが当用漢字の正字としてとられた、という経緯だそうです。現代では「舎」は建物の意味でしか使わないので、「土」のほうがわかりやすい、と文部省の関係者が決めたのでしょう。
「舘」は、「館」が正字に選ばれたので直されてません。