結婚披露宴の変

2月10日の日経新聞夕刊、中野香織さんの「ブライダルタキシード 貧相に見える仮装衣装」を読んで、我が意を得たりと思いました。詳しくは、原文を読んでいただくとして。
・・・横山氏によれば、結婚式は新郎新婦の2人が主役であるはずなのに、日本では新郎がおまけ扱い。ゆえに誰も新郎の仮装衣装に疑問を抱かず、式場スタッフも正確な知識をもたないので、世界から笑われる珍奇なブライダルタキシードがいまだに幅を利かせているという・・・
そうですよね。披露宴って、花嫁が主役で、新郎は刺身のつまですよね(両親の知人である来賓(いわゆるえらいさん)が主役のような場もありますが)。
もっとも問題は、タキシードなどを持っていても、着ていく機会が少ないことです。社交の場を作らなければなりません。(この記事に添えられている写真も、日本人男性でなく西洋人のようです。残念)。

ところで、男の黒の略礼服は、戦後日本で発明されたものです。この文章にも出て来ますが、「物資が乏しかった第2次世界大戦後に、アパレルメーカーが提案した冠婚葬祭システム」です。私は、東京の洋服屋さんが発明したと聞きましたが。
長年にわたって定着したので、これを正装だと思っている人も多いです。かつて、後輩の結婚披露宴にダークスーツで出席したら、「礼服を持っていないのですか」と聞かれたことがありました。郷に入っては郷に従うということわざもありますが・・・。

ついでにもう一つ。結婚披露宴で一番嫌いなことは、司会者、特にプロの司会者の話です。
主催者は新郎新婦またはそのご両親・家なのに、その人たちに最大級の敬語をつける。やたらと拍手を強要する。
さらに、のべつ幕なしにしゃべりまくる。少しは、静かにしていてくれよなあ。時々、司会者が主役をやっています。

2月の3連休

3連休、皆さんは、どのようにお過ごしでしょうか。
日本海側では、雪のところも多かったようです。今年は、寒さと雪がきついようです。気をつけてください。

東京は、天候に恵まれました。
私は、連載した「明るい公務員講座」の残りを単行本(『明るい公務員講座2』)にする作業に、集中しようと計画していたのですが。
運動不足解消の散歩と、孫のお守りで、毎日が過ぎてしまいました。少し離れた公園に行ったら、なんと孫2人を連れた友人とバッタリ。お互い、よく似たことをしています。
軽い本を数冊読めたこと、ゆっくりとできたことで、良しとしましょう(またたくさん本を買い込んだことは、忘れることとして。苦笑)。
肝冷斎は、岡山まで遠征したようです。

鹿島茂さんの「ノートル=ダム・ド・パリ」

鹿島茂さんが、NHKEテレ「100分de名著」でヴィクトル・ユゴーの「ノートル=ダム・ド・パリ」を解説しておられます。私は、テキストを読んだだけですが。
「ノートルダムのせむし男」は、多くの人が聞いたことがあるのではないでしょうか。でも、先生がおっしゃっているように、原作を読んだ人は少ないでしょう。私もその一人です。
鹿島先生の書かれるものは、とても面白いので、テキストを本屋で手に取りました。

いや~、面白いです。鹿島先生ワールドが、炸裂です。
小説の背景、登場人物の個性、人間関係の構図、さらに作者の意図、書かれた時代背景、作者の育ちと培われた人間観・・・。もう原作を離れて、鹿島先生による、中世パリの案内と人間の葛藤、そしてユゴーが生きた時代の「豪華な展覧会」です。
小説も、このような解説を読んでからもう一度読むと、違ったものが見えてくるでしょうね。

トランプ大統領と中国と、リベラルな国際秩序

2月8日の読売新聞「南シナ海問題と世界秩序の未来」、ジョン・アイケンベリー教授の発言から。
・・・リベラルな国際秩序は、問題が生じた時に支えとなる枠組みとして必要と考えられていた。自由貿易進展で経済が成長し、様々な国際条約が結ばれて大量虐殺が禁止され、人権が守られ、軍縮が進んだ。リベラルな国際秩序は世界の問題を解決してきたのだ。
だが、これまでの制度や枠組みは冷戦を前提に作られていた。グローバル化により民主化の発展段階や文化が違う多様な国家が秩序の中に入って機能不全を起こしている。また、リベラルな国際秩序は繁栄や安全につながり、労働者のより良い生活のためにも必要であったが、今やその関連が途絶えてしまった。グローバル化により途上国では富裕層が生まれた一方、先進国の中間層は所得が下がり、不平等が生じている。
リベラルな国際秩序が将来的に維持されるために重要なことが3つある。まず、国内問題と国際的な課題を関連づける。ナショナリズムと国際主義は相反するとされるが、国際的な課題に取り組むことで政府の能力が向上して国内問題を解決できることもある。第二に、新興国と先進国が貿易や新たな国際協定などで連帯を強めることも必要だ。そして、気候変動や核拡散など、(多くの国が)脆弱性を抱える課題に対応していかねばならない・・・

アイケンベリー教授の主張は、かつてこのページでも紹介しました。「勢力均衡や覇権主義でない国際秩序」「その2

浅野亮・同志社大学教授の言葉から
・・・中国が米国をしのぐ力を持った時、ウェストファリア体制(国家主権の尊重を基調とする伝統的国際秩序観)や既存の価値を尊重するのか、自国の狭い利益を追求するのかはわからない。いずれの場合も、中国の力が衰え、一帯一路で拡大した勢力範囲や社会整備基盤システムを維持できなくなった場合、何が起きるか、どのような崩壊プロセスがあり得るのかを考えないといけない・・・

椿が咲きました

玄関の椿が、花を1輪咲かせました。
3年前に私が刈り込みすぎて、翌年は1輪もつぼみをつけませんでした。それに懲りて、余り刈り込まないようにし、さらに去年は剪定せずにおきました。
枝と葉はえらく茂りましたが、つぼみがたくさんついています。今年は、たくさんの花を楽しめそうです。