ネットゲーム依存は病気

1月4日の朝日新聞、1面トップは、「ネットゲーム依存は「病気」」でした。
詳しくは記事を読んでもらうとして、具体的な症状として、次のようなものを上げています。
・ゲームをする衝動が止められない
・ゲームを最優先する
・問題が起きてもゲームを続ける
・個人や家族、社会、学習、仕事などに重大な問題が生じる

ギャンブルと同じで、いえそれ以上に「接近しやすい」ことで、より危険です。特に子どもは心配です。
かつて、「ハイテク企業のトップは、子どもにスマホを使わせない」(2014年10月13日)を書いたことがあります。インターネットやスマートフォンは、職場での時間泥棒だと、連載「明るい公務員講座」でも指摘しました(第37回 職場の無駄(5)パソコン)。
便利さが生む新たな危険。それにどのように対処するか。個人や家庭の責任にするわけにはいきません。社会として、国家として対策が必要です。

イタリア国民をつくる、『クオーレの時代』

藤澤房俊著『クオーレの時代 近代イタリアの子どもと国家』(1998年、ちくま学芸文庫)が、勉強になりました。
クオーレ、またはクオレは、子どもの時に読んだ人も多いでしょう。イタリアの作家、デ・アミーチスが1886年に出版した子ども向けの本です。中には、「母を訪ねて3千里」などが入っています。
小学校の副読本としてつくられましたが、その後イタリアでは、教科書並みの扱いを受けます。1861年に国家統一がなったばかりのイタリアで、「国民」をつくる必要があったからです。イタリア半島では、中世以来、都市国家が分立していました。言葉も方言がきつく、国内でも通じなかったのだそうです。そして、勤勉な学生、兵隊、国民をつくる必要もあったのです。

この状況は、1867年に近代国家を目指した日本と同じです。藤澤先生の本は、クオーレが、子供たちを「立派なイタリア国民」にするためにどのような働きをしたかを分析した本です。背景として、当時のイタリア社会が描かれています。明治日本との比較もされています。政治学、歴史学の本です。
少し古い本ですが、放置してあったのを取り出して読んだら、引き込まれました。

柿の実のごちそう

お隣の大きな柿の木、この秋も、たくさんの実を付けました。渋柿です。
ようやく熟して甘くなったらしく、年末から小鳥たちがたくさんやってきて、食べていました。朝から、賑やかなことで。ここ数日で、食べ尽くしましたようです。
ある日は、孫娘が数えたら、16羽いたそうです。いろんな種類の小鳥が来ますが、残念ながら私には名前がわかりません。

スポーツ心理学。緊張は当たり前、高すぎる目標は駄目

1月4日の朝日新聞、荒木香織・スポーツ心理学者の「現実的な目標掲げ、目指すゴールへ」から。
・・・よく、平常心で臨めとか、リラックスしてとかいいますが、理にかなったアドバイスではありません。むしろ、適度の不安や興奮があって、「これをやりたい、あれをやりたい」と自覚している方がよいパフォーマンスに結びつくと言われています。W杯にラグビー日本代表が出場する際にも、「不安や緊張は当たり前。それを感じることは、むしろいいことなのだ」と伝えました。
一方で、「試合が近づいてきて、緊張して眠れない」といった過度な不安や緊張は悪影響を及ぼします・・・

「取り除くには、どうすればいいのでしょうか」という問に。
・・・有効な方法の一つは、なぜ不安を感じるのか、その原因を見極めて書き出すことです。不安の原因を解きほぐしていくのです。文字にして可視化した上で、問題を整理し、解消するために必要なことは何かを確認していきます。やるべきことを明確にした上で、それぞれに対応していくことが自信や実績につながっていきます。
ただ、自分の過去のミスや他人の言動、天候といった自分の力ではどうしようもないことは、いくら心配しても解決はしません。考えても不毛なことは心配をやめる。それもスキルの一つです・・・

「大きな達成を得るためには、高い目標に挑戦することが大切ですか」との問には。
・・・目標が高すぎると、掲げていないのと同じことになってしまいます。掲げた内容が現実的でないにもかかわらず失敗すると、自分の力不足と信じ込み、自信を失ってしまう。挑戦する目標とのギャップに苦しんでしまうのです。
スポーツ心理学では、少しがんばれば達成できる現実的な目標を設定することが、効果的だと言われています。期限を決めて達成できたら、次のステップに進んでいく。達成できない場合は、柔軟に目標の中身を変えた方がいい。
例えば、体重を2キロ減らす目標が無理だった場合、体脂肪を減らすことに着目する。長いスパンで考えれば、ゴールは同じだと考える心のゆとりを持つと楽になります。短期間で10キロやせるのは無理。そんな挑戦はやめましょう・・・

とても役に立つ助言です。全文をお読みください。

日経新聞夕刊コラム第1回

今日1月4日付けで、第1回「前例はない」が載りました。今回は名刺代わりに、大震災直後の話を書きました。
私の官僚生活の一番の思い出が、東日本大震災対応です。当時のことを広く知ってもらおうと思い、この話題を選びました。読者も、この話ならわかりやすいと思いました。お正月の4日から、このような話題で良いのか、少し悩んだのですが。
紙面では、顔写真付きです。