年別アーカイブ:2017年

集団移転、コミュニティ維持

2017年2月23日   岡本全勝

2月20日の日経新聞「災害考」は「集団移転、孤立防げ。コミュニティの維持」でした。このホームページでも何度か取り上げた、東松島市のあおい地区です。自宅再建273世帯と災害公営住宅307世帯、合計580世帯の新しくできた街です。
・・・移転予定者も参加して「まちづくり整備協議会」を設立した。街並みや居住ルール、集会所や公園、トイレなど公共施設の設計……。行政を交えた専門部会や、「井戸端会議」と題した住民同士の意見交換会は300回を超えた。
具体的な区画決定も行政任せにせず、同じ区画に入りたい世帯が近くになるようにした。認知症の家族がいる世帯は、近隣の目が届きやすい角地を割り当て地域で見守るといった住民のアイデアを採用。回覧板を回すグループが違っても、道路を挟んで向き合う世帯とはゴミ置き場の清掃グループとして交流するようにもした・・・

私も、お話を聞きました。1年間に100回の会合を持ったそうです。しかも、市内6か所の仮設住宅団地から、平日夕方に市役所会議室に集まってです。会長のコツは、「みんなの話を聞くこと」だそうです。
これだけの努力があって、コミュニティが作られているのです。お金を出せばできるものではありません、市役所が指示すればできるものでもありません。住民が積み重ねることでできるものです。それを、行政が支援することはできます。

帰還困難区域の復興、日経新聞社説

2017年2月23日   岡本全勝

日経新聞2月18日の社説は「現実を直視した帰還困難区域の復興を」でした。
・・・帰還困難区域の復興に向けてはまずこの地域の現実を直視する必要がある。帰還を望む住民が減っているなか、復興拠点を地域の再生にどうつなげるのか、政府はその道筋を示すべきだ・・・
・・・事故から6年近くたち、帰還困難区域の中でも放射線量がかなり下がってきた場所がある。一律に帰還困難とするのでなく、拠点を設けて復興の足がかりとする考え方自体は妥当だろう。
重要なのは、どこを拠点に選び、どんな将来像を描くか、住民の声をきめ細かくくみとり、計画に反映させることだ。
県外を含めて他の地域に避難している住民の中には、移転先で生活再建をめざしている人も多い。復興庁などが避難者の意向を聞いたところ、帰還を希望する住民は1~2割にとどまり、「戻らない」とした人が半数を超える・・
原文をお読みください。

国立公文書館

2017年2月23日   岡本全勝

国立公文書館って、ご存じですか。政府の公文書を保管展示する施設です。皇居の北側、近代美術館の隣にあります。
今、「漂流ものがたり」という展示をしています(3月7日まで)。これは、必見です。
江戸時代に外国に漂流した日本人の記録、それも生きて帰ってきた記録です。私も言われて気づいたのですが、出ていく日本人がいれば、流れて来る外国人もいます。その記録もあります。よくまあ、紙の文書が残ったものですね。それを取り調べた藩の記録が、江戸幕府に届き、その文書が明治政府に引き継がれたのでしょう。
幕政時代の公的機関の記録だそうですが、漂流という状況での人間の生き様が垣間見れて、興味をひきました。井上靖や吉村昭をはじめ、小説の題材にされたものもあるそうです。

あわせて、明治以来の内閣の文書も展示されています。明治天皇と大臣の署名、昭和天皇と大臣の署名。字の上手下手も含めて、興味深いです。
森有礼や佐藤栄作の字は、素人が見てもすばらしいですね。森有礼は、明治22年(1889年)2月11日の大日本帝国憲法発布の詔書に署名した後、発布式典当日の朝に暗殺されます。
終戦の詔書(昭和20年8月15日)に前日夜に署名した陸軍大臣の阿南惟幾は、15日早朝自決します。そう思って展示されている文書を見ると、無味乾燥な事実が、人による生々しい生き様に見えてきます。
それにつけても、子供の時に、お習字教室を逃げた我が身を反省します(大隈重信も字が下手で、直筆署名は展示されている大日本国憲法発布詔勅のほかは数件しかないそうです)。

新著の反応2

2017年2月22日   岡本全勝

私の発言や出版物によく目を通してくださる「読者」が、数人おられます。そして、厳しい意見をくださいます。
ある自治体トップは、2月20日発行の「地方行政」連載「明るい公務員講座・失敗の後始末」について、「今回の記述は、実感がこもっていましたねえ。全勝さんの経験がにじみ出ていました。笑い」と。そうですね、初めてこのようなことを経験したときは、「なんで、私がこんなことをしなければならないんや」と思いましたが、その後「これが仕事や、勉強や」と思うようになりました。
また、「今回は「中級編」ではなく、「上級編」ですね」と言ってくださる人も。確かに、そうですね。

別の方からは、新著『明るい公務員講座』について、「えらく売れているようですよ。アマゾンで、売れ行き上位に入っています」とのこと。うれしいですね。私のこのホームページの読者が買ってくださっているだけでは、ここまで売れませんね。

明るい公務員講座・中級編14

2017年2月22日   岡本全勝

『地方行政』連載「明るい公務員講座・中級編」の第14回「交渉(5)失敗の後始末」が発行されました。庁外との関係で「楽しくない」けれども、重要な仕事があります。その二つ目が、部下や組織の失敗の後始末です。
失敗や不祥事は起きないことが理想ですが、なくなりませんねえ。その際に、どのように後始末をするか。これは組織の幹部としては「必須科目」です。しかし、役所も民間事業所でも、これまで組織的・系統的に教えてもらっていないようです。

有名企業幹部のお詫びの記者会見を見るたびに、「下手やなあ」と思います。
私は若い時から何度も、組織を代表してお詫びの記者会見をしました。最初は下手でした。経験を積み重ねて、上手になりました(と思います)。逃げてはいけません。詳しくは、本文をお読みください。
このような記述が活字になるのは、多分初めてでしょう。評論家は、このような経験がありません。幹部は、こんなことを文章にするのは嫌がるでしょうね。でも、私が経験した中でも、後輩たちに教えたい「重要な事柄」です。そう思って、書きました。
内容は、次の通りです。
失敗が起きた、1上司への報告、2事実の確認、3関係者へのおわびと公表、4再発防止策、5関係者の処分、おわびの仕方・形が大切、おわびの仕方・中身が大切、調査と再発防止、嫌な仕事は課長の仕事、叱ってはいけない。