政治家で見る歴史2

政治家で見る歴史」の続きです。
イギリスは、伝記が重要視される国です。最近の日本は、伝記、特に政治家の伝記はあまり見かけません。児童向けの偉人伝も、かつてほどは作られないとのこと。
もちろん、政治家や偉人だけで社会の歴史が作られるわけではありませんが、彼らの行動が社会や歴史を変えることは事実です。
民主主義の時代、政党の時代になった現代では、政治家個人の判断で国政が動くことは狭まったでしょう。しかし、その制約があるが故に、選挙民を動かし、政党を導くことも合わせて、政治家の力量が問われます。

欧米では首相や大統領は、やめた後に大部の回顧録を出版します。日本語にも翻訳されています。日本では、首相経験者の回顧録も、多くはありません。
本人の回顧録も、どのような考えでそのような判断をしたのかを知るために、価値があります。本人にインタビューする、オーラルヒストリーが、それに近いのでしょう。

しかし、第三者が書いた評伝は(ヨイショの提灯持ちでなければ)、社会の側が彼をどう見ていたか、彼の判断がどのような結果をもたらしたかが分かり、もっと価値があると思います。
新聞社の政治部記者が、それを書くことに最も近い位置にいると思うのですが。