日本酒、海外輸出

10月25日の日経新聞夕刊が、日本酒が海外に攻めて行っていることを、紹介していました「世界へ羽ばたくSAKE」。
記事によると、日本酒の輸出は150億円だそうです。フランスワインの輸出額8千億円に比べると、まだまだですが。海外のソムリエも、日本酒に興味を持ち始めたのだそうです。どんどん、輸出して欲しいですね。
先日あるレストランで、ソムリエがグラスに白ワインを注いでくれて、「これはどこの酒でしょう」と試されました。いつも、ワインは彼にお任せするのです。「岡本さんが好きな、さっぱり系ですよ」とも。正解は、日本酒でした。「この料理に合うでしょう」と。

ワインもおいしいですが、日本酒はもっとおいしいです。もちろん、場面と食事内容にもよりますが。味とともに値段でも、白ワインより日本酒の冷やですよね。ワインのボトル(750ml)は、日本酒の4合瓶(720ml)とほぼ同じなのに、ワインは高いです。
各地の地酒が、おいしくなりました。最近は、もっぱら地酒を冷やで楽しんでいます。「被災地、特に福島県産の地酒の消費拡大に貢献しているんだ」と宣伝しているのですが。飲む量が減って、残念ながら大量消費にはなりません。福島の日本酒は、5年連続で金賞受賞数1位です。

その日の夕刊は別の面で、「お燗 恋しい季節」として、熱燗の飲み方を指南していました。会津若松市の末廣酒造、新城猪之吉社長が出ておられました。ここは、酒蔵見学もできます。

続・復興状況視察(岩手県)その2

視察報告の続き、住宅についてです。

陸前高田市の今泉地区は、山を切り崩し(その土で高田地区をかさ上げしました。大きなベルトコンベアで運びました)、そこに町を作っています。住宅も建ち始めています。今年の正月を自宅で過ごせるのです。

大きな被害を受けた、釜石市鵜住居地区や大槌町町方地区。去年までは、土地の造成工事をしていて、何もない平地でした。土地区画整理事業が進み、電柱が立ち並んでいます。公営住宅ができ、戸建て住宅が建ちつつあります。1年後には、町並みができているでしょう。
山田町織笠地区、宮古市田老地区の高台移転は、戸建て住宅がほぼ完成し、町並みが完成していました。

学校もいくつか見てきました。大船渡市赤崎小学校中学校、釜石市鵜住居小学校中学校、大槌学園(小中一貫校)です。
最近の学校は、木それも地元産の木材(集成材など)をたくさん使っています。コンクリートより暖かみがあります。また、廊下やたまり場を広く作ってあって、開放感があります。もちろん、教育は建物によって評価されるのではなく、授業内容によって判断されるものです。被災地には、教員を加配しています。
子供たちの落ち着きと、親の状況(いわゆるモンスターペアレンツ)についても、聞いてきました。いろんな悩みを抱える親が、その不満を学校に持ち込むこともあります。子どもも、その影響を受けます。もっとも、これは被災地特有の問題ではありません。

多くの地域で、あと1年半で住宅や町並みは完成する予定です。
復興の概要(例):釜石市大槌町山田町宮古市

続・復興状況視察(岩手県)

先日行ってきた、復興状況視察(岩手県)報告の続きです。まずは、商業施設について。

陸前高田市では、新しい町の中心となる核に、「アバッセたかた」という商業施設ができています。まだ周囲は土地のかさ上げ工事中ですが、いずれ近くにBRTの駅もできます。専門店や大型スーパーのほかに、図書館も併設されています。図書館は本屋と隣接しています。大きな本屋です。
地方では、町の本屋さんがなくなりつつあります。図書館とともに本屋は、町の文化のインフラですよね。八戸市は公営の本屋を作っていますが、それくらいの支援が必要なのでしょう。

大船渡市では、BRTの駅前に、「キャッセン大船渡」という商業施設ができています。外観を統一した建物に、仮設から商店が移ってきています。ここも、予測以上にお客さんが利用しているとのことです。
ここは株式会社が施設を作り、管理しています。民間の専門家の知恵と意欲を借りて、町のにぎわいをつくろうという試みです。企業だけではできない、しかし役所が行うと非効率になる。それを乗り越える工夫です。
この地区の隣には、既に大型スーパーが開店しています。たくさんの買い物客の車が止まっていました。工事中のお店もありますが、これで大船渡駅前の整備はほぼ完了です。残っていうのは、仮設店舗が引き払った駅裏をきれいにすることと、建設中の防潮堤を完成させることです。

釜石市では、東部地区(町の中心)に大型スーパー、共同店舗、市民ホールなどを集めて、にぎわいの核を作っています。これらもほぼ完成です。
山田町の駅前も、スーパーの周囲にお店ができていました。駅は再開に向けて工事が進んでいます。ホテルもできました。
宮古市では魚市場が拡張されました。ところが、去年今年と、サンマが捕れないのです。去年の3分の1以下だそうです。

田老地区では、道の駅がほぼできました。災害遺構になった「田老観光ホテル」などを見学する、被災地ガイドの拠点にもなっています。当日も、たくさんの予約が入っていました。これは、なかなか考えた仕組みですね。岩泉町小本地区では、魚を利用する施設「浜の駅おもと愛土館」ができています。

商店街ができると、にぎわいが目に見えます。これらの町では、住民の帰還意思も増えて、住宅建設も進んでいます。もちろん、住民は災害前より減っていて、厳しい環境にあります。

慶應義塾大学、地方自治論Ⅱ第6回目

今日は、慶應大学で地方自治論Ⅱの第6回目。まず、地方財政論が、政治学(行政学それも地方行政論)と経済学(財政学)の、両方の接点にあることを説明しました。今学んでいることが、地図で言うとどのあたりにあるのか。それを理解すると、物事がよく見えます。
これは、本を読むときも同じです。時々は目次を見て、今全体の中のどこにいるのか、議論の流れを理解すると、本文の理解が進みます。
そして、先週もたくさんの質問や反応があったので、その説明をしました。学生の質問票を読むと、どこが理解されてどこが理解されていないかよくわかります。

授業の本論は、地方財政と国家財政の規模や役割分担を説明した後に、国民経済の中で政府部門がどのような地位を占めているのか、モノ・サービスの提供とお金のやりとりの中でどのような位置にあるのかを説明しました。そして、財政の3機能も。
これらは、「よくわかった」と学生からよい反応がありました。企業と家計との関係では、モノ・サービスの提供と代金は一対一の関係(取引)にあります。政府も、ものを買ったり公務員を雇用する場合はこの関係にあります。
しかし、政府の重要な機能、税金を集め公共サービスを提供する場合は、それが一対一の関係にはありません。それどころか、貧しい人からは税金を集めず、より多くの福祉サービスを提供します。
黒板に、図を書いて説明することが、学生にはよくわかってもらえるようです。

明るい公務員講座・中級編39

『地方行政』連載「明るい公務員講座・中級編」の第39回「発想の改革(2)なぜ仕事が進まないか」が発行されました。
前回までで、三大無駄をなくす工夫や、締めきりを決めれば仕事が片付くことをお教えしました。今回は、「やらなければならない」と分かっているのに、なぜ仕事が進まないのか。それについて考えます。
仕事が進まない理由は、二つあります。一つは、その仕事が先送りされて、手をつけないままに放置されることです。もう一つは、取りかかったのだけど進まない、進められないことです。あなたにも、思い当たる節があるでしょう。今回は、その対策を教えしました。
今回の内容は、次の通り。
仕事の先送り、先送り防止策、仕事の邪魔を減らす、作業に集中する