慶應義塾大学、地方自治論第14回目

今日は、慶應大学で地方自治論、第14回、最終回の講義でした。
これまでの授業のおさらいをしました。これまで配ったレジュメの総目次を配って、全体像を振り返るとともに、何が重要かをお話ししました。それが、期末試験の傾向と対策になります。

その後、アンケートを書いてもらいました。この授業で何を学んだかと、私の授業についての評価です。公共政策論と同じです。81人の学生が出席し、A4用紙にびっしりと書き込んでくれました。
「この授業で学んだこと」は、私の意図通りの反応が返ってきました。自治論については省略するとして、私の経験を踏まえた説明が理解されていました。
「ほかの授業では、理論ばかりを聞いていましたが、実態を合わせて聞く授業は初めてでした」「大学の授業では制度を習いますが、運用を聞くのは初めてです」「理論だけでなく現実を聞いて、身近に感じることができました」「政治の授業で、戦後政治を聞くことはありましたが、今を聞くのはなかったです」とも。
また、公務員の実態、面接の対策、社会人のマナーの話も、評判が良かったです。

「私の授業についての評価」は、次のようなものでした。
毎回、前回学生が出した質問に答えたことは「一方向でない授業で良かったです」という反応が多かったです。他方で、「毎回の質問への回答が長すぎます」「回答のいくつかは、先生のホームページに載せてはどうですか。時間の短縮になります」という意見もありました。
大型連休に課した小レポートについて、「講評してくださったのはありがたかったです。初めての経験です。どのように書けば良いかがわかりました」という意見。
「新聞を読むようになりました」という学生が結構いました。「岡本先生のホームページの解説を読んでニュースを読むと、さらによくわかりました」とも。
「レジュメが簡潔でわかりやすかったです」という意見と、反対に「レジュメが簡潔過ぎます」という意見もありました。これは、意図して簡潔にしてあります。隙間は、学生に書き取ってもらうためです。重要なことは、自分で書くことで覚えることができます。
「配られる資料が多くて整理するのが大変でした」「板書の図を使った説明がわかりやすかったです」という意見とともに、「板書をもう少し丁寧にしてください」という意見もありました。「話に脱線が多い」「ノートを取るのが難しかった」という意見もありました。
「朝の1限でしたが、起きて出席できました。それだけの価値がありました」と言ってくれる学生が数人いました。「遅刻してくる学生には腹が立ちましたが、彼は先生の話を聞いていないという損をしているので、まあ許します」という感想も(笑い)。

相反する反応があるので、全員に満足してもらうことは無理です。院生相手なら、本は読んでくることを前提に、内容も難しくしても大丈夫です。しかし学部生を相手にすると、一定の基礎知識と重要な点は教える必要があります。「次回の授業の準備のために、教科書の××ページを読んでくること」と義務づける方法もありますね。
もらった意見は、次回の参考にします。

水曜日(公共政策論)、金曜日(地方自治論)とも、14回ずつ休み無しで勤めることができました。これは、自分を褒めてやりたいですね。毎週、レジュメと配付資料を用意することは、結構負担でした。かつて使った資料を再利用できると思っていたのですが、駄目でした。ほぼすべてを、最初から作り直しました。
これまでの経験と、授業を進めていくうちに、話すポイントを絞るようにしました。若いときは、あれもこれも教えたいと思ったのですが、大量かつ多分野の詰め込みは、学生には頭に残らないでしょう。特に公務員にならない学生は、地方自治制度のすべてを知る必要はありません。自治の基本、現在の制度が唯一のものではないこと、時代の変化とともに課題も変わってくることを理解してもらえれば良いのだと、割り切りました。その代わり、重要な点やトッピックは、新聞記事などを配って、掘り下げて解説しました。