慶應義塾大学、地方自治論第7回目

今日は、慶応大学で地方自治論の講義。早いもので、もう第7回です。春学期の折り返しです。
そこで、私の授業計画の全体像と、現在どこを話しているかを確認しました。時々立ち止まって、今どのあたりにいるかを確認することは、歩いているとき、仕事をしているとき、本を読んでいるときも重要なことです。

前回の質問への回答として、直営、民間委託、公設民営(上下分離、コンセッション)、分社化(第3セクター)、民営化、民間開放などの違いを説明しました。鉄道、空港でもさまざまな形態が取られていることを、知ってもらいました。
また、行政が行っている事務でも、多くのものが民間委託などが可能であること、例えば駐車違反取り締まり、刑務所の運営などにも導入されていることも。生活に必須のライフライン(上下水道、電気、ガス、通信など)も、多くは民間が担っています。
すると、官が行うのか民が行うのかより、民が行うとして、どのようにして効率化と質の確保をするかが、課題となります。

分権議論でも、ちょうど自治体がハローワークを行えるようになったことを、資料や新聞記事で説明しました。これまで自治体が要望したのに分権が進まなかったのは、「国が統一的に行わなければならない」という理屈です。でも、戸籍の受付や生活保護も自治体が担っています。自治体が基準に沿った職業紹介をできないとは思えないのですが。誰が実行するかと、どのようにして質を担保するかは、別の議論です。

学生諸君への連絡
来週6月2日は、学事日程での補講日です。地方自治論の授業は行いません。