平成29年4月時点の、全国避難者数調査がまとまりました。復興庁発表資料。
それによると、総数は9万7千人で、初めて10万人を割りました。当初の避難者数は、推計で47万人でした。6年かけて、ようやくこの数字になりました。しかし、まだ10万人近くの人が、避難しておられます。また、全国で千を越える市町村におられます。
地震津波被害地では、住宅の復興が進んでいるので、この数字は急速に減ると思います。もっとも、原発被災地は別です。
月別アーカイブ: 2017年5月
慶應義塾大学、公共政策論第7回目
今日は、慶応大学法学部、公共政策論第7回の授業でした。青柳光昌さんに来ていただいて、NPOの活動について話をしてもらいました。日本のNPOがどれくらいあるかといった「NPO概論」と、どのような活動をしているかの具体例とです。上手なお話しで、私よりずっとわかりやすいです(反省)。
NPOは、社会のさまざまな課題に、率先して取り組んでいます。大震災では、被災者の孤立防止(訪問活動)や、コミュニティの再建支援など。被災地支援から始まった、地域の農水産品をストーリーと一緒に都会の消費者に届ける事業。病気の子どもの保育。発達障害者の雇用支援などの例を、話してもらいました。
また、新しい挑戦としての、ソーシャル・インパクト・ボンドについても。(関係のページ。実績の例)
学生には、新鮮な話で、興味を持ってもらえたと思います。
行政が取り組まない社会の課題に対して、NPOや社会的企業は、率先して取り組んでいます。
行政だけを話していても、公共政策論にはなりません。学生の反応には、「岡本先生の授業の趣旨が、ようやく分かりました」という答えがいくつかありました。成功ですね。
明るい公務員講座・中級編25
『地方行政』連載「明るい公務員講座・中級編」の第25回「職場管理の知識(3)職場の規律」が発行されました。
労働法制を守らなければならないことは当然ですが、近年はその他にも注意しなければならないことが増えています。
一つは、長時間労働の禁止です。かつては、よく働くことは美徳でした。私も、若い時はそれを自慢していました。しかし、過労死などの問題が出て、長時間労働は悪になりました。
職場で増えてきたのが、メンタルヘルスの問題です。うつ病の職員が増えています。しかし、彼ら彼女らに対する指導の仕方を、きちんと教えてもらっている人は少ないでしょう。セクハラとパワハラの問題などもあります。
かつては問題にならなかったことが、大きな問題になっています。そして多くの管理職は、この新しい事態に対する対処の方法をきちんと教育されていないのです。
今回の内容は、次の通り。
長時間労働は悪、職員のメンタルヘルス、セクハラとパワハラの防止、男女共同参画と多様な人材育成。
オランダの歴史
桜田美津夫著『物語オランダの歴史』(2017年、中公新書)を読みました。偉大な小国の500年の歴史が、コンパクトにまとめられています。随所にそうだったんだと、いろんなことを教えられます。
ところで、オランダの歴史と言えば、岡崎久彦著『繁栄と衰退と―オランダ史に日本が見える』(1991年、文藝春秋。文春文庫に収録)が出版されたときに、興味深く読みました。
桜田さんの本も、新書版に良くまとめてあるのですが、欲を言えば、オランダの盛衰をもう少し書いて欲しいです。17世紀に、小さな国土で先進国、大国だったのが、その後追い抜かれて、トップの座から転落しました。その要因を知りたいのです。
その際には、オランダだけでなくイギリスやフランスなど他国や新大陸、植民地についても書かなければならないでしょう。しかし、一国の歴史を、その国内のことだけで記述するには限界があります。「物語オランダの歴史」の限界でしょうか。
講演会、明るい公務員講座+働き方改革
今日は、時事通信社主催の講演会に、名古屋に行ってきました。東海地方の自治体幹部約50人に、明るい公務員講座+働き方改革をお話ししました。
なぜ、『明るい公務員講座』が売れているか。どの点が読者に受けているかをお話しして、職員は何に悩んでいるか、良い職場をつくるコツは何かをお話ししました。
そして、今、日本政府が取り組んでいる働き方改革は、どのような意味をもつのかを、お話ししました。連載している「明るい公務員講座・中級編」が、ちょうどその話にさしかかっています。日本が、会社も行政もそして社会もが、静かな革命期にあることを、解説しています。連載にも、ご期待ください。
いつものように、体験談や笑い話をふんだんに盛り込んだので、「面白かった」と言っていただきました。あまり難しい話をしてもねえ・・・。