内閣府が行った「社会意識に関する世論調査」で、現在の社会に全体として「満足している」と答えた人は66%と、この調査を始めた平成21年以降、最も高くなりました。
平成21年では、40対60で満足していない人の方が多かったのですが、年々満足している人が増えて、25年に逆転し、今年は66対33にまでなりました(図14-2)。
これ自身は良いことです。ただし、その理由が何なのかが、気になります。
一般的には、若者は社会の現状に不満を持ち、年齢が高くなると満足する(納得する、あるいはあきらめる)が増えてきます。この調査でも、年齢別を見ると、だいたいその傾向なのですが、違うところがあります。20代の男性です(表14-1のエクセルを見てください)。極端に満足しているのです。不満が30%しかありません。30代男性は44%が不満で、20代女性も35%が不満です。これが「草食系男子」現象で、現状に満足して、努力や改革を目指さないのだとすると、困ったことです。
満足している要素は、「良質な生活環境が整っている」43%,「心と身体の健康が保たれる」27%,「向上心・向学心を伸ばしやすい」18%,「人と人とが認め合い交流しやすい」17%,「働きやすい環境が整っている」16%です。満足していない点は,「経済的なゆとりと見通しが持てない」43%,「若者が社会での自立を目指しにくい」36%),「家庭が子育てしにくい」29%,「働きやすい環境が整っていない」25%,「女性が社会での活躍を志向しにくい」25%です。
国の政策に国民の考えや意見がどの程度反映されていると思うか聞いたところ,「反映されている」とする者が35%,「反映されていない」とする者が62%です。
現在の日本の状況について、よい方向に向かっていると思う分野は、「医療・福祉」31%、「科学技術」26%、「治安」22%です。一方、悪い方向に向かっている分野は、「国の財政」37%、「地域格差」が29%です。