12月15日日経新聞夕刊「あすへの話題」は、城郭考古学者の千田嘉博さんの「知らぬ間の情報発信」でした。
・・・さて幸せなことに、私は各地で講演させていただけるようになった。城の魅力をみなさんと共有したいと願い、できる限り承っている。その際には図や表を用いて複雑な歴史や城の構造を、わかりやすく伝えるように心がけている。
入念に準備し、場合によっては10年以上もかけてたどり着いた研究成果をお話しする訳だが、しばしば私に成り代わって、講演内容をブログで世界に公表して下さる方がいる。しかも会場でご覧に入れたスライドをもれなく撮影して、文字通り全公開して下さったりもする。
ご自身のオリジナルな研究であれば、それをどのように公表しても構わないが、他者の研究を許諾なしに公開するのはいかがなものか・・・
困ったものですね。私も、何度かそれに似た体験をしました。主催者が「録音録画禁止」にしたシンポジウムの発言内容が、インターネットに載ったこともありました。
さらに、先生の話には、次のようなオチまでついています。
・・・先日おこなった講演の感想を、たまたまネットで目にした。千田の説明は、ある芸能人がテレビで話したのと同じと記していた。新たな解釈も意義づけも、もとになる研究があるからなのに、いくらなんでも評価の順序が逆ではないか、と落ち込んだ・・・